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シアン化水素【シアンかすいそ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

シアン化水素
シアンかすいそ
hydrogen cyanide
化学式 HCN 。無色,揮発性の液体または気体。融点-31.4℃,沸点 25.7℃,特異あり。水,アルコールに溶け,水溶液は弱酸性を示す。体積で7~40%のシアン水素を含む空気は爆発的に燃焼し,二酸化炭素と窒素を生ずる。猛毒で,人間の場合致死量は 0.06gで,吸入すると数秒で死にいたる (→青酸中毒 ) 。用途としては殺虫剤のほか,ニトリルの合成や鉄およびの表面硬化や電気メッキ,鉱石の濃縮など広く用いられる。俗に青酸ガスともいい,その水溶液,すなわちシアン化水素酸を青酸ともいう。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

シアンか‐すいそ〔‐クワ‐〕【シアン化水素】
メタンアンモニア触媒の存在下で反応させて得られる、揮発性の強い無色の液体。猛毒。水溶液をシアン化水素酸または青酸といい、微酸性。アクリロニトリルなどの有機合成に利用。化学式HCN 青化水素。

出典:小学館
監修:松村明
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栄養・生化学辞典

シアン化水素
 HCN(mw27.03).融点−13.3℃,沸点25.7℃.シアン化水素酸,青酸ともいう.弱い酸で,独特の臭気をもつ猛毒のガス.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

シアンかすいそ【シアン化水素 hydrogen cyanide】
青酸,青化水素などとも俗称される。化学式HCN。リンゴ,モモ,アンズ,サクランボなどの種子中にアミグダリンなどの配糖体として含まれている。これらは酸による加水分解や酵素によってシアン化水素を分離する。工業的には,メタン,アンモニア,空気の混合ガスを白金触媒で部分酸化させる方法,一酸化炭素とアンモニアからホルムアルデヒドをつくり,熱分解する方法がある。またソハイオ法によるアクリロニトリルの製造過程で副生するシアン化水素が用いられ,とくに日本では副生シアン化水素の占める割合が高い。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

シアンかすいそ【シアン化水素】
水によく溶ける無色の液体(沸点摂氏25.7度)。化学式 HCN 特異臭をもち猛毒で、致死量0.06グラム。水溶液は弱酸性で、シアン化水素酸とも青酸ともいう。反応性が強く、殺虫剤や、アクリル系繊維や樹脂の合成原料となる。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

シアン化水素
しあんかすいそ
hydrogen cyanide
水素のシアン化物。ギ酸ニトリルともいう。俗称青化水素、青酸ガス。アミグダリンなどの配糖体としてウメの実などに含まれる。シアン化カリウムシアン化カルシウムに酸を作用させて得られるが、工業的にはメタン、アンモニア、空気の混合物を、白金触媒の存在下に、常圧、1000℃で反応させてつくる。プロピレンからアクリロニトリル製造の際の副産物としても得られる。原始大気中に含まれた小さな分子の一つで、生物学的に重要な化合物の出発物質と考えられている。無色の揮発性液体。液体は比誘電率がきわめて大きく、そのため塩類をよく溶かす。特有の臭気があり、点火すると紫色の炎をあげて燃える。液体は不安定で長時間貯えると重合して暗褐色の爆発性の固体となる。固体の状態では、シアン化水素分子は水素結合で無限大の鎖をつくっている。液体中でもかなりの程度水素結合が残っている。水、エタノール(エチルアルコール)、エーテルなどと任意の割合で混ざり合う。水溶液は弱酸性を示し、この液をシアン化水素酸あるいは俗称で青酸という。
 シアン化ナトリウムなど無機シアン化物の合成や、メタクリル酸メチル、ヘキサメチレンジアミン、乳酸および乳酸エステル、α(アルファ)‐アミノ酸その他EDTA(エチレンジアミン四酢酸)などポリアミノカルボン酸の合成に用いられ、殺虫剤などにも使われる。猛毒なので取扱いには注意を要する。吸入だけでなく皮膚からも吸収される。吸入した場合、270ppmで即死、135ppmでは30分で死亡、110~135ppmで30分~1時間で危険または死亡するという。最大許容濃度は10ppmとされている。空気中に存在するときは試験紙で検出される。ベンジジン‐酢酸銅試験紙を青色にし、メチルオレンジ‐塩化水銀()試験紙をオレンジからピンクに、ピクリン酸‐炭酸ナトリウム試験紙を黄色から紫色に変える。[守永健一・中原勝儼]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

シアンか‐すいそ シアンクヮ‥【シアン化水素】
〘名〙 水素のシアン化物。化学式 HCN 特有の臭気をもつ無色の液体。梅の実などにアミグダリンなどの配糖体として広く存在。猛毒。アルデヒド・ニトリル・アクリル酸などの有機合成や、殺虫剤などに用いる。青化水素。蟻酸ニトリル。ホルモニトリル。

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

シアン化水素
シアンカスイソ
hydrogen cyanide

HCN(27.03).青酸ガス(prussic gas)ともいう.生物体にも存在する.たとえば,ウメの実などのアミグダリンは,HCN,ベンズアルデヒド各1分子と,グルコース2分子が結合した配糖体である.実験室では,シアン化アルカリまたはK4[Fe(CN)6]に酸を作用させると得られる.工業的には,プロピレンとアンモニアからアクリロニトリルを合成する際に副生物として得られる.気体は直線状ニトリル型分子H-C≡N.H-C1.06 Å,C-N1.15 Å.低温の液体でもイソニトリル型分子H-N≡Cは1% 以下と考えられる.結晶は-102.8 ℃ では正方晶系,これより低温では斜方晶系.いずれも固体内では…N≡C-H…Nのように,水素結合で鎖状につながっている.C-H…N約3.18 Å.特異臭がある.密度0.687 g cm-3(20 ℃).融点-13.3 ℃,沸点25.7 ℃.水とは任意の割合にまじる.エタノールに易溶,エーテルに可溶.水溶液はシアン化水素酸である.普通の純度のものは液体状態で,しだいに重合して褐色の爆発性の固体になる.重合はアルカリで促進される.空気中で点火すると,紫がかった炎を上げて燃える.水溶液中では加水分解して,ホルムアルデヒドを経てギ酸とアンモニアになる.還元するとメチルアミンになり,アルデヒドまたはケトンと反応してシアンヒドリンになる.アセチレンに付加してアクリロニトリルになり,1,3-ブタジエンに付加してアジポニトリルとなる.また,HCN液体は双極子モーメントが大きく(2.99 D),金属塩もよく溶かす溶媒である.有機合成の原料(アクリロニトリル,メタクリル樹脂,ナイロン,シアン化物,塩化シアン,乳酸,そのほか農薬など),冶金,密閉船倉や倉庫の殺虫・殺そ剤などに用いられる.猛毒(致死量:約60 mg,許容濃度10 mg/m3).[CAS 74-90-8]

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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