●スタニスラフスキー・システム
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
スタニスラフスキー・システム
Stanislavsky system
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知恵蔵
スタニスラフスキー・システム
(扇田昭彦 演劇評論家 / 2007年)
出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
世界大百科事典 第2版
すたにすらふすきーしすてむ【スタニスラフスキー・システム】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
スタニスラフスキー・システム
すたにすらふすきーしすてむ
система Станиславского/sistema Stanislavskogo ロシア語
ロシアの俳優、演出家スタニスラフスキーが、自分の体験をもとに、多くの実験と試行錯誤を重ねて創造した科学的な近代俳優術。モスクワ芸術座の活動、プーシキン、ゴーゴリ、オストロフスキー、シチェープキンらのロシア演劇のリアリズムの伝統、諸外国の名優たちや演劇芸術からの経験、唯物論的な美学や心理学、セーチェノフ、パブロフらの生理学が土台にある。紋切り型や芝居がかりを否定し、真に役を生きる「心理体験の芸術」を主張し、俳優の内的・外的資質を有機的に発展させながら、潜在する創造過程を意識的にとらえる指針を示す。演劇の社会的意義と戯曲の理念を重視し、上演の「超・超課題」と戯曲の「超課題」、役の「一貫した行動」を明確にすることを求め、これらを具体化する方法として「身体的行動」の理論がある。集団芸術としてのアンサンブルをたいせつにして、「俳優の倫理」が説かれる。スターリン時代には教条的に狭く解釈されたが、けっして万能の「料理ブック」ではなくて、俳優に創造的な厳しい自己訓練を要求している。これらを総合した著書『俳優の仕事』全3巻(第1巻・第2巻1938、第3巻1957)の第2巻以降は弟子たちによってまとめられたが、このシステムは日本の新劇界をはじめ、全世界の俳優教育に計り知れない影響を与えている。
[中本信幸]
『山田肇訳『俳優修業』全6冊(1956・未来社)』▽『千田是也訳『俳優の仕事』(1968・理論社)』▽『アバルキン著、馬上義太郎訳『スタニスラフスキー教科書』全3冊(1955・未来社)』
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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