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スタンダード石油【すたんだーどせきゆ】

日本大百科全書(ニッポニカ)

スタンダード石油
すたんだーどせきゆ
Standard Oil Co.

1911年にシャーマン法(反トラスト法)違反で解散を命じられ33の独立会社に解体されるまで、アメリカの石油産業を支配していた巨大トラスト。

 アメリカで最初の石油の採掘は1859年、ペンシルベニア州タイタスビルにおいてであった。初めて石油を掘り出したのはエドウィン・L・ドレークであった。「ドレークは1859年に地中から石油を取り出す方法を発見したが、ジョン・D・ロックフェラーは石油から金(かね)を引き出す方法を発見した」といわれるように、石油産業のその後の急発展のなかで恩恵を最大限に享受したのはロックフェラーであった。彼は、ドレークが石油を掘り当てた3年後の1862年に、友人たち2人と共同で、1日の精製能力10バレル程度の製油所、「クラーク・ロックフェラー・アンドリウス製油所」をオハイオ州クリーブランドに設立し、製品を「スタンダード・オイル」(標準石油)と名づけた。以後今日に至るまでのスタンダード石油の名の由来はここにあった。

 当時、石油はもっぱら灯油として利用され、多くの石油会社が食料品・雑貨商に灯油を馬車で卸売りしていた。それだけに石油業界の競争は激しかったが、1870年には資本金100万ドルのスタンダード石油を設立するほど、ロックフェラーの石油会社は発展を遂げた。ロックフェラーは、競争相手に対してまず買収を申し入れ、拒否された場合には激烈な競争を展開して破産させるという方式でその支配を拡大していった。1879年には、ロックフェラーの説得に応じて「スタンダード・オイル・トラスト」が結成されたが、1882年に再編成された際には合計40社の精製業者、輸送業者、元売り業者が同トラストに加わっていた。

 その後も積極的な買収活動を展開、1883年に最後まで抵抗したパイプライン会社の買収に成功したとき、スタンダード石油はアメリカから産出される石油のうち約90%を購入・輸送・精製・販売する巨大会社となっていた。同トラストは、傘下各社の株式をロックフェラーら9人の受託者に預託するトラスティー方式を採用していたが、1892年にトラスティー方式に違法判決が下されたため、1897年にはニュー・ジャージー州法人の持株会社として再編成された。しかし、1911年、この持株会社もシャーマン法違反として解散を命じられ、ニュー・ジャージー・スタンダード石油(後のエクソン)、ニューヨーク・スタンダード石油(後のモービル)、カリフォルニア・スタンダード石油(後のシェブロン)はじめ33の独立会社に解体された。

[佐藤定幸]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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