●セルジューク朝【セルジュークちょう】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
セルジューク朝
セルジュークちょう
Seljuq; Saljūq
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世界大百科事典 第2版
セルジュークちょう【セルジューク朝 Saljūq】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
セルジューク朝
せるじゅーくちょう
Saljūq
トルコ系の王朝(1038~1194)。カスピ海、アラル海北方方面より、10世紀末にシルダリヤ河口へ移住した族長セルジュークに率いられた一族は、イスラム化したトルコ人を集めて勢力をなし、その子イスマーイールはサーマーン朝、カラ・ハン朝、ついでガズナ朝と同盟して力を伸ばした。セルジュークの孫トゥグリル・ベク、チャグリー・ベクChaghrī Bek(987―1060)らは、1038年にネイシャーブールに無血入城し、1040年にはダンダーンカーンの戦いでガズナ朝軍を破り、ホラサーンの支配権を得た。1055年、トゥグリルはバグダードに入り、アッバース朝カリフより、史上初めてスルタンの称号を公式に受け、東方イスラム世界の支配者として公認された。次のアルプ・アルスラーンはジョージア(グルジア)、シリアに遠征し、1071年には東アナトリアのマラズギルトでビザンティン軍を破り、皇帝を捕虜にした。第3代スルタンのマリク・シャー(在位1072~1092)時代が最盛期で、版図は、シリア、ペルシア湾からホラズム、フェルガナにまで達し、イエメンやバフラインにも遠征軍を派遣した。
宮廷公用語はペルシア語で、ウマル・ハイヤーム(ウマル・アル・ハイヤーミー)らの文学者、ガザーリーらの神学者が輩出した。官僚はペルシア人が登用された。ニザーミーヤ学院を創設したニザーム・アルムルクはその代表的な存在で、彼の一族が代々宰相となった。軍隊は、初期には遊牧のトゥルクメンが中心であったが、やがて奴隷兵のグラーム(マムルーク)が重んぜられるようになり、総司令官、地方総督、イクターの保有者、幼少の王族の養育係であるアター・ベクなどの要職を独占した。国土は王族の間で分割されていたが、マリク・シャーの没後、一族間の内紛が激化し、グラーム優遇に不満を抱くトゥルクメンもこれに荷担した。歴代のスルタンは、西方へ進出する積極的な意図はなかったが、新たにマーワラー・アンナフルより流入したトゥルクメンや、反乱に失敗した王族らが新天地を求めてアナトリアへ移動し、ルーム・セルジューク朝や諸侯国を建てた。サンジャル(在位1117~1157)時代に一時王朝の再統一がなされたが、西方ではアター・ベク朝が独立し、東部州はカラ・キタイ、グズ人の侵入によって混乱し、サンジャル自身もグズの捕虜となって、スルタンの権威は失墜した。彼の死後、イラクとキルマーンにセルジューク家による地方政権が残ったが、前者はホラズム・シャー朝に、後者はグズによって滅ぼされた。
[清水宏祐]
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旺文社世界史事典 三訂版
セルジューク朝
セルジュークちょう
Seljūq
中央アジアのトルコ系オグズ族の一派が建てたイスラーム王朝
10世紀ごろ,族長セルジュークは郷土クヌクからシル川下流に移り,イスラームに改宗,近隣のトルコ系・イラン系勢力の間隙に乗じて地歩を固め,その孫トゥグリル=ベクはホラサーン全域を占有して王朝の基礎を確立した。ついでトルコ系・イラン系勢力を撃破してバグダードにはいり,アッバース朝カリフの保護者としてスルタンの尊号を取得(1058)。次代アルプ=アルスラーン(在位1063〜72)のとき,シリア・パレスチナ・エジプトなどを攻略し,小アジア半島内陸に進出してアルメニアを略取。その子マリク=シャー(在位1072〜92)は中央アジア征服を完成して黄金時代を現出し,ビザンツ帝国に脅威を与え,11世紀末の十字軍遠征を引き起こした。マリクの死後,内紛のために王朝は分裂し,ホラズムやカラ−キタイ(西遼)の侵略を受けて滅亡した。文化面では学芸を奨励し,イスラーム神学・ペルシア文学・造形美術(特に建築)にみるべきものが多い。
出典:旺文社世界史事典 三訂版
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デジタル大辞泉
セルジューク‐ちょう〔‐テウ〕【セルジューク朝】
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