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セルロイド

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

セルロイド
celluloid
ニトロセルロースショウノウカンファー)から生成された,史上初のプラスチック素材。1860~70年代に開発され,水や油,希酸に強く,彩色でき,安価で耐久性と柔軟性を備えた成形可能な素材として,日用品,写真フィルムほか多くの製品に使われた。セルロイドの発明はイギリスの化学者アレクサンダー・パークスまでさかのぼるといわれる。パークスが 1856年特許を取得したプラスチック素材パークシンは,ニトロセルロースをアルコールや木ナフサなどに溶き,植物油やカンファーなどの可塑剤と混合してつくられた。1867年にはパークスの共同事業者ダニエル・スピルが,パークシンを改良し安定性を高めたキシロナイトという素材の特許を取得した。一方アメリカ合衆国では,発明家,実業家のジョン・ウェスリー・ハイアットが,固形のニトロセルロースとカンファーにアルコールを加えて加圧,混練し,商品価値の高いプラスチックを製造した。彩色可能で,加熱して自在に成形でき,常温では切断,切削,穿孔,研磨などができた。ハイアットは 1870年以降,数々の特許を取得し,1873年にセルロイドの名を商標登録した。セルロイドは櫛,ブラシの柄,ピアノの鍵盤,めがねのフレームなど多くの商品に加工され,象牙,鼈甲などの天然素材に代わる手頃な価格の品として販売された。やがてセルロイドは一般名称として定着した。1882年,セルロイド・マニュファクチュアリングの化学者ジョン・H.スティーブンズが,アミルアセテートがセルロイドに適した溶剤であることを発見した。この発見を機に,セルロイドを用いた透明で柔軟なフィルムが誕生し,イーストマン(→イーストマン・コダック)の技師ヘンリー・ライヘンバッハらが,これを写真や映画のフィルムに加工した。セルロイド製フィルムは燃えやすく,時間がたつと褪色,劣化しやすいという欠点があった。セルロイドは熱に弱く射出成形に適さないといった問題もあり,1920~30年代には多くの製品でセルロースアセテートやベークライト,ビニル化合物などに取って代わられた。20世紀末には,セルロイドのおもな用途ピンポン玉のみとなった。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

セルロイド(celluloid)
ニトロセルロース樟脳(しょうのう)を加えて作ったプラスチックの一種。成形加工が容易で玩具・日用品などに多用されたが、可燃性のため最近は使われない。

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

セルロイド【celluloid】
ニトロセルロースにショウノウを混合し,熱可塑性を与えた樹脂。人類が開発した最初のプラスチックである。1863年,あるビリヤードボール製造業者が,象牙にかわってビリヤードボール用原料として使える人造代用品の発明に対し賞金をかけた。68年,アメリカのハイアット兄弟John Wesley Hyatt,Isaiah S.Hyattはニトロセルロースにショウノウを混ぜることによってこれに成功し賞金を得た。セルロイドはハイアットが名づけた商品名であるが,その後,一般名としても通用する名前となった。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

セルロイド【celluloid】
セルロースの硝酸エステルである硝酸セルロース約75パーセントに樟脳約25パーセントを加え練ってつくったプラスチック。玩具・文房具・フィルム・眼鏡枠などに広く利用されたが、引火しやすいため他の合成樹脂にとって代わられた。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

セルロイド
せるろいど
celluloid
セルロース(繊維素(C6H10O5)n)からつくられるプラスチックの代表的なもので、ニトロセルロース(硝化綿)に25~35%の樟脳(しょうのう)を混ぜて練るとできる。樟脳は可塑剤の役割を果たすもので、可塑剤が存在することによってニトロセルロースの分子が樟脳中で動きやすくなる。みたところは固体であるが、準溶液というような形になり、比較的低温で軟化して成形加工が容易である。
 ニトロセルロースの製造は、リンター(綿花の短繊維)、木綿ぼろ、人絹用パルプに硝酸と硫酸の混合酸(混酸)を加えてセルロースをニトロ化する。セルロースはグルコース(ブドウ糖C6H12O6)が連なってできており、グルコース1個当りヒドロキシ基が3個あるが、この全部のヒドロキシ基をニトロ化すると、窒素の含有率が14.14%であるが完全には反応しない。窒素の含有率が多い12.0~13.5%のものは綿火薬(無煙火薬として用いられる)であり、少ないもの10.0~12.3%がセルロイドの原料になる。ニトロセルロース100、樟脳54.95、エタノール(エチルアルコール)100、という割合でよく練り上げて均一物をつくり、次に顔料を混じてロールで板状にしたものがセルロイドである。
 セルロイドは、1930年代の日本が世界一の生産量を示した。旧植民地の台湾で安価な天然樟脳を産出したからである。セルロイドは加工しやすいこと、あらゆる色に着色できること、そして成形が容易であるという長所がある一方、非常に燃えやすい欠点がある。現在では、ニトロ基のかわりにアセチル基の入ったアセチルセルロース(アセテート)がセルロイドの主力になった。[垣内 弘]
『内田安三監修『「もの」と「ひと」シリーズ7 プラスチック』(1986・フレーベル館) ▽多田敏捷編『おもちゃ博物館13 木製玩具・セルロイド玩具』(1992・京都書院) ▽竹原あき子著『魅せられてプラスチック――文化とデザイン』(1994・光人社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

セルロイド
(Celluloid) 窒素量一一パーセント前後のニトロセルロース(硝化綿)に樟脳などの可塑剤を加えてつくった半透明のプラスチックの商標名。一八六八年、アメリカのハイアット兄弟が発明。常温では強靱な弾性体だが、摂氏八五~一〇〇度で軟化し、一九〇度以上に加熱すると急速に燃焼する。印刷、転写が容易であることなどが特徴。おもちゃ、学用品、日用品、フィルムなどに広く用いられたが、現在ではアセチル‐セルロース系のプラスチック(不燃セルロイド)が主力となっている。
※風俗画報‐二七一号(1889)青山南町「製造用具と品目〈略〉米糊(こめのり)、糯米糊(もちこめのり)、セルロイド」

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

セルロイド
セルロイド
celluloid

[別用語参照]セルロース誘導体

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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