●ゼノンのパラドックス
世界大百科事典 第2版
ぜのんのぱらどっくす【ゼノンのパラドックス】
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ゼノンのパラドックス
paradox of Zenon
古代ギリシア,エレアの哲学者ゼノンが唱えた連続性に関するパラドックス。真実に存在するものは唯一不動であるというパルメニデスの思想を受け継ぎ,この存在論への反論が論理的に矛盾に陥ることを示している。いくつかのパラドックスがアリストテレスの著作により伝わっているが,代表的なものに以下の二つがある。(1) アキレウスとカメが同時に出発し,アキレウスは後方からカメを追いかけるとする。アキレウスがカメの出発点に達したとき,カメは前進して少し先の地点にいる。次にアキレウスがその地点に達したとき,カメはさらに少し前進している。このようにしてアキレウスはいつまでもカメに追いつくことはできない。(2) 飛んでいる矢は各瞬間において一定の位置を占め,その位置で静止している。ゆえに矢は運動することはできない。(→弁証法)
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