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タングステン

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

タングステン
tungsten; wolfram
元素記号W,原子番号 74,原子量 183.84。周期表6に属する。 1871年スウェーデンの化学者 K.W.シェーレにより発見された。希元素の1つで,主要鉱石は鉄マンガン重石灰重石などである。地殻の平均存在量 1.5ppm,海水中の存在量はほぼ 0.1 μg/l単体白色ないし灰白色金属比重 19.35,硬度 6.5~7.5,融点 3410℃。乾燥空気中では安定であるが,赤熱すると三酸化物となる。水にはおかされないが,水蒸気と反応し,二酸化物を生じる。酸に対しては非常に安定。高速度鋼,永久磁石鋼,耐熱合金耐食合金などの製造に使われ,純金属は電球フィラメント,電子管電極,電気接点用金属などとして用いられる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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朝日新聞掲載「キーワード」

タングステン
レアメタル(希少金属)の一種スウェーデン語で「重い石」の味。比重は金とほぼ同じ。融点は約3400度で金属の中で最も高く、熱に強いため電球のフィラメントに用いられる。炭化タングステンコバルトを混ぜ合わせた「超硬合金」は摩耗に強く、自動車部品などの製造過程で金属を削る工具に欠かせない。液晶テレビのバックライトに使う冷陰極蛍光管の部品にも使われる。硬さや重さから砲弾戦車にも用いられる。石油天然ガス・金属鉱物資源機構によると、国内では1950年代に21鉱山でタングステンを採掘していたが、円高や、今では全世界の生産量の9割を占める中国産の流入で執に閉山や休山に追い込まれた。
(2008-07-19 朝日新聞 夕刊 1社会)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

タングステン(tungsten)
クロム族元素の一。単体は光沢のある白色または灰白色の金属。融点は金属中最高でセ氏3387度。電球のフィラメントや電極合金などに利用。主要鉱石は鉄マンガン重石灰重石(かいじゅうせき)など。名はスウェーデン語で重い石の意。元素記号W 原子番号74。原子量183.8。ウォルフラム

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

タングステン【tungsten】
周期表元素記号=W 原子番号=74原子量=183.85±3地殻中の存在度=1.5ppm(52位)安定核種存在比 180W=0.135%,182W=26.4%,183W=14.4%,184W=30.6%,186W=28.4%融点=3387℃ 沸点=5927℃比重=19.3(0℃)電子配置=[Xe]4f145d46s2おもな酸化数=II,IV,V,VI周期表第VIA族に属するクロム族元素の一つ。ウォルフラムともいう。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

タングステン【tungsten】
6 族(クロム族)に属する遷移元素の一。元素記号 W  原子番号74。原子量183.8。重石として中国に多産する。光沢ある灰色の金属。融点は約摂氏3380度と単体中最高で、電球・電子管のフィラメント・電極、また合金材料として用いる。ウォルフラム。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

タングステン
たんぐすてん
tungsten
周期表第6族に属し、クロム族元素の一つ。原子番号74、元素記号W。ウォルフラムwolframとよばれることもあるが、学術用語としてはタングステンが正式名称である。[岩本振武]

歴史

タングステンを含む鉱石である鉄マンガン重石(Fe,Mn)WO4がスズ鉱に混入すると多量のスズがスラグ化されるため、スズをオオカミのようにむさぼり食うとの意味で、その鉱石をウォルフラム石wolframite、元素をウォルフラムといった歴史がある。タングステンの名称はスウェーデン語で「重い石」の意となるtungstenによっている。[岩本振武]

存在

地殻には比較的広く分布しているが、存在比はあまり高くない。主にタングステン酸塩の鉱物に濃縮されている。主要鉱物として灰重石(かいじゅうせき)CaWO4、鉄マンガン重石などがある。[岩本振武]

製法

鉄マンガン重石はアルカリ融解してから、灰重石はそのまま、塩酸処理してタングステン酸(三酸化タングステン一水和物)を得、これを水素気流中で700℃、あるいは炭素、ケイ素、ナトリウム、マグネシウムなどの還元剤と強熱すると単体金属となる。融解塩中での電解還元でも得られる。これらのタングステン金属は一般に粉末状で、粉末を加圧成形して焼結する粉末冶金(やきん)法によって純金属のインゴット(鋳塊)とする。高純度単結晶は有機物と押し固めた粉末タングステンを水素気流中で2200℃に加熱して得る。[岩本振武]

性質

白色または灰白色金属。融点、沸点ともきわめて高く、いずれも立方晶系のα(アルファ)形、β(ベータ)形のうち、β形は空気中で発火するが、α形は安定で、高温で酸化される。希酸にはあまり溶けず、濃硝酸、王水に溶ける。化合物には酸化数0から+までのものがあり、イソポリ酸塩、ヘテロポリ酸塩としての多種の縮合オキソ酸塩の存在が知られている。[岩本振武]

用途

電球のフィラメントに使われるほか、耐食性が高く耐熱性もあるため、電極、電気接点として、また多くの合金(高速度鋼、永久磁石鋼、ステライト)に利用される。炭化物はとくに硬く、焼結炭化物合金(超硬合金)として工具に使われる。[岩本振武]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

タングステン
〘名〙
① (tungsten スウェーデン語で「重い石」の意による) クロム族元素の一つ。元素記号W 原子番号七四。原子量一八三・八四。白色ないし灰白色の光沢のある金属。等軸晶系。灰重(かいじゅう)石・鉄マンガン重石などのタングステン酸塩鉱物として産出。酸化タングステン(VI)を還元し、得られたタングステン粉末を摂氏約三〇〇〇度で焼結してつくる。常温では安定。空気中で摂氏四〇〇度以上に加熱すると酸化する。硬度・比重ともに大。融点は金属中最高で摂氏三三八七度。電気の良導体なので電球のフィラメント、X線管の対陰極、溶接用・アーク炉などの電極、真空管、電気接点などに広く用いられる。また高速度鋼・永久磁石鋼・耐熱耐食合金などの合金元素としても重要。
※明六雑誌‐二二号(1874)化学改革の大略〈清水卯三郎〉「チュングステン」
※日本橋(1914)〈泉鏡花〉三四「通りへ買ひに遣った、タングステンが、やがて紙包みに成って現れて」

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化学辞典 第2版

タングステン
タングステン
tungsten

W.原子番号74の元素.電子配置[Xe]4f 145d46s2の周期表6族遷移金属元素.原子量183.84(1).天然同位体存在比は 180W 0.12(1)%,182W 26.50(16)%,183W 14.31(4)%,184W 30.64(2)%,186W 28.43(19)%.質量数158~190までの30種の放射性核種がつくられている.元素名はスウェーデン語の“重い石”を意味するtung stenから.元素記号はドイツ語の名称ウォルフラム(Wolfram)の頭文字.
1771年,スウェーデンのK.C.W. Scheele(シェーレ)がタングステン鉱物中の元素から酸ができることを見いだし,1783年,スペインのde Elhuyar兄弟がこの酸を木炭で還元して金属の単離に成功した.地殻中の存在度1.0 ppm.主要鉱物は灰重石(sheelite,CaWO4),鉄マンガン重石(wolframite,(Fe,Mn)WO4)などで,資源として中国,ロシア,カナダ,オーストリアなどに産出する.中国が主要産出国で世界の産出量の約85% を占める.埋蔵量も約65%.日本国内採鉱は1992年に停止.1983年からはじまったレアメタル国家備蓄制度の対象鉱種の一つ.上記の鉱物をアルカリばい焼で処理して酸化物WO3を得て,水素または炭素で還元して金属を得る.タングステン製品のリサイクルも重要資源である.国内では鉱石処理も停止され,ほとんど中国からの炭化タングステンなどの中間原料輸入によっている.純粋な金属は灰白色で軟らかい.密度19.3 g cm-3.融点3410 ℃ で最高,沸点5700 ℃.第一イオン化エネルギー733.2 kJ mol-1(7.60 eV).高温で酸素と反応して三酸化物WO3になる.フッ素と室温で反応して六フッ化物WF6をつくる.塩素とも容易に反応して六塩化物となる.酸化数1~6.通常の酸,希アルカリ水溶液には侵されない.常温で水と反応しない.
金属は白熱電球,蛍光灯のフィラメント,電子管,ブラウン管の電極,X線管のターゲットなどに用いられる.鋼との合金や炭化タングステンは超硬合金として高速切削用工具,強力・耐蝕合金ハステロイはNi,Cr,Moとの合金,タングステン酸カルシウムは蛍光灯用の蛍光体,硫化タングステンは高温用の潤滑剤に用いられる.[CAS 7440-33-7]

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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