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タンジール

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

タンジール
Tangier
モロッコ北部,タンジール州州都ジブラルタル海峡にのぞむ港湾都市。地中海をめぐる商業,軍事の要衝で,前 15世紀にはフェニキアの交易拠点として繁栄。その後,地中海の歴史を反映して,カルタゴ,ローマ,バンダルビザンチンなどと,次々に支配者が変った。8世紀にはイスラム朝の支配下に入り,1471年まで多くのアラブ系王朝が盛衰。その後 1661年までポルトガル,スペインに占領され,次いでイギリスの植民地となった。 19世紀にはモロッコの外交上の首都とされたが,1905年にはタンジール事件が起るなどして,23年にはイギリス,フランス,スペインなどの共同管理下におかれ,自由貿易港として繁栄。 56年独立したモロッコに編入漁業が盛んで,缶詰工場がある。モスクなどがある旧市街と,新市街がある。鉄道,道路,海運ラバトウジュダ,フェスなどと結ばれる。人口 26万 6346 (1982) 。

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デジタル大辞泉

タンジール(Tangier)
モロッコ北端ジブラルタル海峡に臨む港湾都市。地中海の入り口という戦略上の要地で、列強が進出、1925年に永世中立の国際管理都市となる。1956年、モロッコ独立に伴い返還された。タンジャタンジェ

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世界大百科事典 第2版

タンジール【Tangier】
ジブラルタル海峡に面するモロッコ北部の港市。人口30万7000(1993)。アラビア語ではタンジャṬanja。モロッコの玄関口としてにぎわい,スペイン人やフランス人の居住者も多い。フェニキア人交易都市起源で,カルタゴやローマ時代には商業が栄え,7世紀末以降はイスラム教徒の軍事上の拠点として重要であった。15世紀後半からは,ポルトガル,スペイン,イギリスなどに支配されたが,1684年再びモロッコ領となる。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

タンジール
たんじーる
Tangier

北アフリカ、モロッコ最北部のジブラルタル海峡に面した港湾都市。地中海の入口という戦略的位置から、強国の争奪の的となった歴史をもつ。人口52万6215(1994)。大西洋から10キロメートル海峡に入った所に位置し、半円形の湾入をもつ天然の良港で、市街地は背後の丘の斜面から海岸まで分布する。湾の西端にある港の船上から見上げる白い街の景観は美しい。市街はメディナとよばれるアラブ風旧市街とヨーロッパ風新市街とがある。メディナには、旧王族邸で博物館になっているダール・ル・マフゼンや大モスクがあり、伝統工芸品をつくる工房も分布する。工業としては食品、繊維、セメント、電器、造船などがある。カサブランカ、フェズ、ウジダなどと鉄道で結ばれ、スペインのアルヘシラスへは定期連絡船が通っており、外国人観光客やヨーロッパへの出稼ぎ移民の出入りが多い。夏涼しく、冬温和なので、避暑客、避寒客が訪れる。

[藤井宏志]

歴史

フェニキア人の建設に始まり、ローマの支配を経て、7世紀にアラブ人の支配下に入った。15世紀以後ヨーロッパ勢力の南進につれ、ポルトガル、スペイン、イギリスに支配されたのち、1684年モロッコ(アラウィ朝)の領土となった。19世紀にふたたびヨーロッパ列強の植民地化の波が押し寄せ、タンジールは鎖国体制にあったモロッコの外交都市となった。1905年第一次モロッコ紛争の発端となったタンジール事件が発生、12年モロッコはフランス、スペインの保護領として分割され、タンジールは特別にフランス、スペイン、イギリス3国の国際委員会の管理下に置かれた。23年にはイタリア、ポルトガルなど5か国を加えた委員会による国際管理地区となり、25年永世中立の国際都市を宣言し、タンジールは自由貿易港として発展した。40年に一時スペインが占領したが、45年アメリカが加わった国際管理委員会が復活した。1956年3月モロッコの独立に伴い、同年10月モロッコに返還された。

[藤井宏志]

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精選版 日本国語大辞典

タンジール
(Tangier) アフリカ大陸の北西端、ジブラルタル海峡に臨むモロッコ北部の港湾都市。天然の良港で、古来、戦略上の要地であるために、列強の争奪の的となった。一九一二年から五六年にかけて永世中立の国際都市の地位を確立。

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