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ダイオキシン

デジタル大辞泉

ダイオキシン(dioxin)
ポリ塩化ジベンゾダイオキシンの通称。2個のベンゼン環が2個の酸素原子で結びつけられた構造を骨格とする塩素化合物で、多くの異性体があるが、特に四塩素ジベンゾダイオキシン(TCDD)をさす。猛毒で、強い催奇性・発癌(はつがん)性をもつ。昭和40年(1965)ごろから除草剤として使われたが、昭和46年(1971)使用禁止。ジオキシン

出典:小学館
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リフォーム用語集

ダイオキシン
IUPAC命名法の定義に基づいた有機化合物名称炭素水素、酸素、塩素が熱せられるような工程で発生し、発ガン性や生殖毒性などが問題視されている。日常生活においては塩素を含む薬剤漂白剤などの使用。 プラスティックや食品トレイの燃焼によって発生する。

出典:リフォーム ホームプロ
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栄養・生化学辞典

ダイオキシン
 ジオキシンともいう.

 ポリ塩化ジベンゾダイオキシンの略称.図の側鎖のいずれかに塩素のついた物質の総称.PCDDはポリ塩化ジベンゾダイオキシン,PCDFはポリ塩化ジベンゾフラン.毒性のきわめて強い環境汚染物質として監視されている.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

ダイオキシン【dioxine】
ジオキシンともいう。代表的なものは,2,3,7,8-四塩化ダイオキシン(2,3,7,8-tetrachlorodibenzo dioxine。TCDDと略記)であるが,このほかにも,毒性の強い一群の類似物質が知られている。これらは,まとめてダイオキシン類あるいはダイオキシン関連物質と呼ばれる。 化学物質名としては,ダイオキシンは2個のベンゼン環が2分子の酸素で橋渡しされた構造をもつ有機化合物の総称である。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ダイオキシン【dioxin】
ポリクロロジベンゾジオキシン( PCDD )の俗称。また、特にその中で最も毒性の強い 2 ・ 3 ・ 7 ・ 8 テトラクロロジベンゾパラジオキシン( TCDD )C12H4O2Cl4 のこと。毒性が強く分解されにくい化合物で、皮膚や内臓に障害を起こし、催奇形性・発癌性があるものも少なくない。除草剤 2 、 4 、 5 - T などの分解で生成するといわれる。ごみ焼却の灰、製紙の汚泥、自動車の排ガスなどに含まれ、環境汚染を引き起こす。ジオキシン。 PC 。 PCDD 、 PCDF (ジベンゾフラン)、コプラナー PCB (共平面性をもつ PCB の異性体)を総称してダイオキシン類という

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ダイオキシン
dioxin
有機塩素化合物一種である,ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン PCDD,ポリ塩化ジベンゾフラン PCDF,コプラナーポリ塩化ビフェニル(コプラナーPCB)の総称。無色固体で,水に溶けにくく,蒸発しにくい性質をもつ。意図的には製造されておらず,農薬の製造や,塩化ビニル塩化ビニリデンなど塩化プラスチック系の物質が燃焼する際に発生する。1976年のイタリアでの農薬工場の爆発事故,ベトナム戦争における枯葉剤の散布や,アメリカ合衆国での廃棄物処分による汚染事例が知られている。日本ではダイオキシンの大部分がごみ焼却炉から発生しており,国は 1997年,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法),大気汚染防止法を改正し対策に乗り出し,1999年にダイオキシン類対策特別措置法を制定した。これらの取り組みによって,2010年にはダイオキシンの国内排出総量が 1997年と比べて約 98%削減された。1990年代にダイオキシンの環境汚染による人間の健康や生態系への影響を懸念する報道が過熱したが,その後の厚生省などによる調査で日常生活で摂取する量では人への健康被害の危険はないと報告された。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)

ダイオキシン
だいおきしん
dioxine
きわめて毒性の強い有機塩素化合物の一つ。狭義には、2.3.7.8-四塩化ジベンゾ-p(パラ)-ジオキシン(2.3.7.8-TCDD、以下TCDDと略す)をさす。この物質は、二つのベンゼン環を、二つの酸素原子で結びつけた骨格をもち、四つの塩素原子が対称位置に結合した分子構造をもつ物質で、無色の針状結晶として得られている。より一般的には、塩素原子が結合したジベンゾ-p-ジオキシン異性体(全部で75種)を含めて用いられる。[森田昌敏]

ダイオキシンとその類縁化合物

ダイオキシンはきわめて特異な毒性をもち、それはダイオキシンの化学構造と密接な関連がある。四塩化ダイオキシンには全部で22種の異性体があるが、そのなかで毒性があるのは2.3.7.8-TCDDのみであり、ほかの異性体、たとえば1.3.6.8-TCDDには毒性がない。これは、2.3.7.8-TCDDのみがAhリセプターにあたかも鍵(かぎ)と鍵穴のような関係ではまりこみ、それが信号となって、生体反応がおこるためである。
 鍵穴にあう物質としては、同じような化学構造をもつ2.3.7.8-四塩化ジベンゾフランやコープラナーPCBなどがある。このような物質は毒性のメカニズムを共有しているために、個々の物質ごとに毒性の係数(TEF、Toxicity Equivalency Factor)をかけて、その合計値(毒性等量TEQ、Toxicity Equivalency Quantity)により毒性の評価を行うことにしている。[森田昌敏]

ダイオキシンの発生源と環境汚染

ダイオキシン類の主要な発生源は、(1)塩素化フェノールや関連する除草剤、PCBなどの工業化学品の不純物、(2)ごみ焼却や鉄・非鉄の回収過程などの熱化学的な副生、(3)塩素漂白などに伴う副生、である。日本での各種発生源からの排出量計算によれば、1997年のダイオキシン類の排出量は約8キログラムTEQ/年であったが、その後の「ダイオキシン類対策特別措置法」(平成11年法律第105号)の設置などにより、現在ではその発生量の90%以上が削減された。[森田昌敏]

ダイオキシンの毒性と中毒

ダイオキシンはしばしば「人類が合成した最強の毒物」とよばれるが、それはモルモットの半数致死量が体重1キログラムあたり1マイクログラム程度とごく微量であることによる。ダイオキシンの毒性が及ぼす影響は生物の種によって大きく異なるが、いずれの動物においても胎児や胚(はい)がもっともダイオキシンに弱い。
 ダイオキシンは強い発癌(がん)物質であり、また強い催奇形性物質でもある。胎児期に微量のTCDDの曝露(ばくろ)を受けると、成熟したあと精子数の減少や妊孕(にんよう)(生殖可能な状態や生殖能力を有する)率の低下をひきおこす。また脳神経系の発達が遅れるとされる。
 ダイオキシンは吸収されやすい一方で、体内で分解されることがほとんどなく、排泄(はいせつ)もされにくいことから、体内に残留しやすい。体内半減期(体内にとりこまれた物質が半分に減るまでの時間)は7年~11年と推定され、代謝される速度より、新たに摂取・蓄積される量が勝るため、生体内濃度は永い年月をかけて上昇する。
 ダイオキシンが次世代に影響を与えることも考慮して、世界保健機関(WHO)はその許容量としてきわめて低い値(体重1キログラムあたり、1日4ピコグラムTEQまで)を採用している。
 2.4.5-トリクロルフェノールに起因する塩素にきび(クロルアクネ)という皮膚症状を調べていた西ドイツの皮膚科医K・シュルツが、そのなかに不純物として微量に含まれているTCDDが原因物質であると同定したのが1957年で、これがダイオキシン毒性研究の最初の報告である。このような2.4.5-トリクロルフェノール中のダイオキシン中毒は世界中で数多い。
 中毒の一般的な症状としては、全身に広がるクロルアクネや、黒皮(こくひ)症のような皮膚症状のほか、吐き気や肝障害、頭痛、筋肉痛、神経過敏症、性欲減退など多様な神経症状を示している。
 環境汚染による中毒例として、アメリカのタイムズビーチ、イタリアのセベソ、そしてベトナム戦争における「枯れ葉作戦」がよく知られている。1982年にアメリカのミズーリ州タイムズビーチで発生した中毒事故は、2.4.5-トリクロロフェノキシ酢酸製造工場の廃液が埃(ほこり)どめの原料として道路に散布されたために発生し、60頭以上のウマが死に、7人の中毒者を出している。1976年、イタリアのセベソでは、3.4.5-トリクロルフェノール合成工場において、反応器が高温となり、安全弁からTCDDを含む反応液が噴出した。折からの微風により運ばれた化学物質がセベソの町に降ったことにより、地域が汚染され、ウシを含む数百頭の動物が死に、または発病している。人において中毒症状を訴えたのは主として子供であり、135人の患者が公式に認められている。ベトナムでは1960年~1969年にかけて、ダイオキシンを微量含む除草剤(オレンジ剤、日本では枯れ葉剤という名称で知られている)が、アメリカ軍によって「枯れ葉作戦」の名のもとにベトナムの森林にまかれた。その後、流産、不妊、障害児の出生が指摘されており、ホー・チ・ミン市(旧サイゴン)近郊のツーズー病院には障害児の標本が展示されている。また、ベトナム戦争に従軍した兵士の健康問題も課題となっている。[森田昌敏]
『綿貫礼子著『毒物ダイオキシン』(1986・技術と人間) ▽左巻健男、桑嶋幹、水谷英樹著『ダイオキシン 100の知識』(1998・東京書籍) ▽斉藤忠雄著『産廃銀座・所沢からダイオキシン対策を問う』(1998・自治体研究社) ▽立川涼著『提言ダイオキシン緊急対策』(1999・かもがわ出版) ▽宮田秀明著『ダイオキシン』(岩波新書)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ダイオキシン
〘名〙 (dioxin) ポリ塩化ジベンゾダイオキシンの略。塩素の数とその位置から七五種の異性体が存在し、このうち二・三・七・八‐四塩化ジベンゾダイオキシンは猛毒で、発癌性、催奇形性が強い。除草剤・枯れ葉剤として用いられた。〔工場への逆攻(1976)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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六訂版 家庭医学大全科

ダイオキシン
(中毒と環境因子による病気)

ダイオキシンとは

 ベンゼン核を2つもつ特定の塩素化有機化合物の総称で200種以上の物質が知られ、最近ではポリ塩化ビフェニール(PCB)も含め、ダイオキシン類と呼ばれています。最も毒性の強いのが2、3、7、8­テトラクロロジベンゾダイオキシン(TCDD)で、混合物の毒性は各ダイオキシンのTCDDとの毒性比の総和(TEQ)で表されます。

ダイオキシンの歴史

 かつての汚染源は農薬製造時の副産物でしたが、ヒトへの影響は不明でした。その後、1962~1972年のベトナム戦争で使用した枯葉剤(かれはざい)で奇形児の増加が指摘され、動物実験でも証明されています。1976年にはイタリア・セベソの農薬工場の爆発事故で4万人以上の市民が極めて大量の曝露(ばくろ)(最大血中濃度が一般人の1万4000倍)を受けています。その後、動物実験で発がん性も証明され、またすべての燃焼過程で発生すること、とくに都市ゴミや廃棄物の焼却が一般環境を汚染することもわかり、各国は厳重に規制を行っています。

ヒトへの健康影響

 動物実験から疑われている健康影響には、急性中毒、慢性中毒、発がん、生殖毒性(催奇形性(さいきけいせい))、免疫毒性、肝毒性など多くのものがあります。

 急性中毒では、モルモットのダイオキシンの急性中毒量は青酸ソーダの6万倍とされていますが、大量曝露を受けたセベソの小児でも、急性中毒は顔の塩素痤瘡(ざそう)(ニキビ)以外にはみられていません。

 その他の毒性については、ダイオキシンの大量曝露を受けていた3つの集団、すなわち農薬の製造従事者、ベトナム参戦の米国軍人、セベソの住民延べ13万人について、曝露後15~50年の調査が行われています。幸いにして、すべての病気の総和の長期死亡率では19の報告のうちひとつを除いて有意の増加はありません。

 ヒトの発がん性の調査では、26調査のうち6調査でのみ、しかもそのなかで通常の100~1000倍以上の曝露群で、かつ曝露後20年以上でのみ、がん死亡が1.4倍でした。

 その他、ダイオキシンの催奇形性、免疫毒性、肝毒性、ホルモン異常については多くの調査でも明確な異常はみられていません。生殖毒性について、セベソの調査で、大量曝露事件のあと数年間、生まれた子どものほとんどが女児であったという報告がありますが、同様の日本や台湾での油症の調査では、このようなことはみられていません。

 最近注目されているのが、胎児の時の曝露が生後の生殖機能や甲状腺異常に影響する可能性、すなわち環境ホルモン作用です。日本の調査では母乳中のダイオキシンと乳幼児の身体発育、甲状腺機能、精神発達、免疫機能との間に関係はみられませんでした。

 かつて猛毒で最強のヒト発がん物質といわれたダイオキシンですが、幸いに母乳中の濃度も世界すべての国で過去30年にわたって一貫して低下し、約5分の1~2分の1になっています。いたずらに恐れることなく、正しい情報を入手し、疑わしきものは予防対策を立て、調査研究の結果で判断していくのが最善だと思います。

 なお、日本でのダイオキシンの耐容1日摂取量(TD1)は詳細な動物実験の結果に10倍の安全率をかけて、4pg/㎏/日とされています。ほとんどの人の摂取量はこれ以下ですし、少しぐらいこの値を上回っても、ただちに影響がみられるというものではありません。

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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化学辞典 第2版

ダイオキシン
ダイオキシン
dioxin

もともとは,ジベンゾ-1,4-ジオキシン骨格に対する呼称であるが,一般にはポリクロロジベンゾ-1,4-ジオキシン(PCDD)およびポリクロロジベンゾフラン(PCDF)の総称.毒性を有する.下図の1~4と6~9の位置に塩素が結合した構造をもち,塩素の位置,数により毒性が異なる210種類が存在する.なかでも2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-1,4-ジオキシン(TCDD)はもっとも毒性が強いことが知られており,ダイオキシン類の毒性は2,3,7,8-TCDDの毒性の強さを1としてTEQ(Toxic Equivalent)という単位で表される.いずれも無色・無臭の固体.水に難溶,脂肪類に易溶.

塩素化されたビフェニル構造をもち,ダイオキシンと同様の毒性を示す物質,コプラナーポリクロロビフェニル(コプラナーPCB)をダイオキシン類似化合物という.ダイオキシンは,ベトナム戦争時に使用された枯葉剤に微量に含まれていたため,多数の奇形児が生まれる原因になったと考えられて以来,人体有害物質として注目を浴びた.都市部では廃棄物の焼却に伴い発生し,環境汚染物質として規制されている.また,塩素を含む有機化合物の製造工程や製紙用パルプの塩素漂白で副成することが知られており,製造工程の改良がなされている.[CAS 1746-01-6:TCDD]

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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