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テルル

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

テルル
tellurium
元素記号 Te ,原子番号 52,原子量 127.60。周期表 16族,酸素族元素の1つ。 1782年オーストリアの化学者で,鉱物学者の F.ミュラーによりビスマス鉱物中に発見された。鉱物にはシルバニア鉱があるが,通常,金鉱銅鉱の副成分として陽極泥より回収する。地殻の平均存在量,海水中の存在量はまだ確定されていない。単体には金属テルル無定形テルルとがある。前者は無定形テルルを熱して得られ,銀白色。融点 449.8℃,比重 6.236,硬度 2.5でもろい。空気中で燃やすと二酸化テルルを生じる。原子価は2,4,6価。有毒。用途として特定のものはないが,電子冷凍装置の熱電対として使われ,またに添加してそれぞれ加工性,耐硫酸性の向上に役立っている。

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デジタル大辞泉

テルル(〈ドイツ〉Tellur)
酸素族元素の一。単体は、銀灰色の金属テルルと灰色粉末の無定形テルルとがある。化学的性質硫黄セレンに似る。顔料合金添加元素などに利用。有毒。元素記号Te 原子番号52。原子量127.6。

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世界大百科事典 第2版

テルル【tellurium】
周期表元素記号=Te 原子番号=52原子量=127.60±3安定核種存在比 120Te=0.089%,122Te=2.46%,123Te=0.87%,124Te=4.61%,125Te=6.99%,126Te=18.71%,128Te=31.79%,130Te=34.49%融点=449.8℃ 沸点=1390℃比重=6.236(金属,20℃),6.24(無定形α型),6.02(無定形β型)電子配置=[Kr]4d105s25p4おもな酸化数=-II,IV,VI周期表第VIB族に属する酸素族元素の一つ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

テルル
てるる
tellurium

周期表第16族に属し、酸素族元素の一つ。俗称テルリウム。1783年ドイツのミュラーFranz-Joseph Müller von Reichenstein(1740―1825)により含金鉱石中から発見されたが、これには反論があり決定には至らなかった。しかし1798年ドイツのクラプロートによって確認され、ラテン語の地球tellusにちなんで命名された。

 まれに単体の自然テルルとして産するが、テルル鉱石は希少である。一般にはテルル化物として硫化鉱中に少量混在し、金、銀のテルル化物(シルバニア鉱、ペッツ鉱など)としてわずかに存在する。工業的には、銅および鉛の電解精錬工場からのアノード泥が主原料で、ソーダ灰などと熱処理して可溶性のテルル酸塩としたのち、中和して亜テルル酸TeO2・nH2Oとして分離する。金鉱石の焙焼(ばいしょう)炉の煙塵(えんじん)からも少量回収される。亜テルル酸の溶液を二酸化硫黄(いおう)で還元すると、いわゆる無定形テルルが灰色粉末として沈殿する。これを熱すると銀灰色の金属テルルとなる。金属テルルは半導体で熱を導きにくい。蒸気は黄色、2000℃近くまで二原子分子Te2からなる。化学的には同族のセレンに似ているが、テルルおよびテルルの化合物はセレンほどではないが有毒である。空気中で青緑炎をあげて燃え、二酸化テルルTeO2を生じる。水素とは直接反応しないが、ハロゲンとは激しく反応してハロゲン化物となる。硝酸に溶ける。水、塩酸、希硫酸に不溶。酸化数-Ⅱ、Ⅱ、Ⅳ、Ⅵの化合物が知られる。高純度テルルは乾式コピー用感光体、金属テルルは耐酸性合金や鋼の合金添加剤として、化合物は特殊な着色剤、酸化剤、熱電素子としての用途がある。

[守永健一・中原勝儼]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

テルル
〘名〙 (Tellur tellus (地球の意)にちなむ) 酸素族元素の一つ。元素記号 Te 原子番号五二。原子量一二七・六〇。無定形の灰色粉末と、銀灰色の金属光沢をもつ六方晶系の結晶とがある。一七八三年、ドイツのF=J=ミュラーが発見。電気的には半導体。合金添加元素、ガラス・陶磁器などの着色剤、電子工業用材料などに用いられる。〔鉱物字彙(1890)〕

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化学辞典 第2版

テルル
テルル
tellurium

Te.原子番号52の元素.電子配置[Kr]4d105s25p4の周期表16族非金属元素.原子量127.60(3).質量数105~132の同位体が知られているが,120,122~126,128(31.74(8)%),130(34.08(62)%)の8種が安定で,それ以外は放射性同位体である.1782年オーストリアのF.J. Müllerが金鉱石からテルルを分離した.確認はM.H. Klaprothで,元素名は1798年にかれがローマ神話の“地球の女神”tellusにちなんで命名した.日本語の元素名はドイツ語の元素名Tellurから.宇田川榕菴は天保8年(1837年)に出版した「舎密開宗」で,的爾律母(テルリュリュウム)としている.
地殻中の存在度0.01 ppm(深度20マイルまでの平均元素存在度).カルコゲン中で存在量は最少で,硫化物中にテルル化物などとして存在する.銅,鉛などの電解精錬の副産物として得られる.六方晶系に属する銀白色のもろい半金属.融点449.5 ℃,沸点990 ℃.密度6.24 g cm-3(20 ℃).酸化数-2,4,6.第一イオン化エネルギー9.009 eV.亜テルル酸(テルル(Ⅳ)酸H2TeO3)を二酸化硫黄で還元すると灰色の無定形テルルが得られる.水とは反応しないが,空気中で徐々に酸化され,熱すると青い炎をあげてTeO2になる.塩酸,希硫酸に不溶,酸化力のある酸,王水,水酸化ナトリウム溶液に可溶.テルルは硫黄,セレンに似ているが,より金属的で塩基性も示す両性物質である.硫黄やセレンほど反応性は高くないが,濃アルカリ溶液でテルル化物と亜テルル酸塩となり,酸性にするとテルルが析出する.硫黄やセレンに相当する化合物が多いが,テルル酸H6TeO6は硫酸やセレン酸に比較して弱酸である.テルルは活性金属との反応により硫化物に似たテルル化物をつくるが,硫化物より不安定である.水素とは反応しないが,ハロゲンとは直接反応してハロゲン化物をつくる.陽性元素とは-2の酸化数の,陰性元素とは2,4,6の酸化数の化合物をつくる.また,Te42+,Te62+ などのポリ陽イオンもできる.
鋼,ステンレススチールなどへの少量(0.01~1%)の添加は機械的加工性,強靭性を改善する.ガラスの顔料や触媒,ゴム加硫促進剤としても用いられる.TeGeSb合金,GeSbTeBi合金などは光記録媒体としてCD-R,CD-RW,DVDなどに,Cd-Te合金は太陽電池に用いられる.人体に有毒で,「テルル及びその化合物」はPRTR法・第二種指定化学物質.作業環境クラス2(気体1 mg/m3 以下,粒子状物質0.1 mg/m3 以下).労働安全衛生法の名称等を通知すべき危険物及び有害物.[CAS 13494-80-9][別用語参照]テルル化物

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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