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ディシプリン

デジタル大辞泉

ディシプリン(discipline)
訓練。しつけ。規律。また、折檻(せっかん)。
学科学問

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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大辞林 第三版

ディシプリン【discipline】
訓練。修練。
学科。学問分野。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

ディシプリン
でぃしぷりん
discipline
フランスの哲学者ミシェル・フーコーが、18世紀に西欧において成立した権力のテクノロジーの本質的要素を指し示すために用いた語。「規律」「規律・訓練」などと翻訳される。
 『監獄の誕生』Surveiller et punir(1975)によれば、ディシプリンとは、従順かつ有用な個人をつくり上げることを目標としつつ、一つ一つの動作や姿勢などといった個人の身体の細部にまで介入しようとする、支配の一般的方式のことである。その手段として用いられるのは、絶え間のない監視、矯正に役立つような処罰、個人に関する知の形成をもたらすものとしての試験ないし検査である。学校、工場、軍隊、病院、そして監獄など、社会のいたるところに見いだされるディシプリンのこうしたメカニズムは、イギリスの哲学者ジェレミー・ベンサムによって考案された「パノプティコン」において理想的なやり方で作動するものとされる。「パノプティコン」とは、周囲に円環状の建物、中心には塔を配して、その塔からは周囲の建物の全体をくまなく見わたせるように、そして逆に周囲からは塔の中で監視している者の姿が見えないようにつくられた建築物のことである。すなわちそこでは、「見られずに見る」という監視のシステムが、網羅的な視線を可能にするとともに、権力の機能を自動化して、労力を削減し効果を増大させることに成功しているのである。
 西欧におけるディシプリンの出現を、フーコーは、18世紀ヨーロッパの歴史的状況に結びつけて説明する。人口の爆発的増加および生産機構の拡大という当時の状況のなかで、個々人をよりよく管理して生産の効率を上げることを可能にするような権力の介入の技術が必要とされるようになってくる。既存の権力、つまり封建制や王制の権力は、多くのすき間を残し、無駄を生じさせ、生産プロセスを妨害するようなものであった。そこでここに、ディシプリンが発明される。すなわち、社会をその最小の要素としての個人に至るまで網羅的に攻囲し、労力の節約をもたらし、生産のプロセスに直接織り込まれるような技術が登場する、ということである。ディシプリンは、科学技術や科学形態など、18世紀の西欧にもたらされた数々の重大な発明に匹敵するものとして描き出されているのである。[慎改康之]
『ミシェル・フーコー著、田村俶訳『監獄の誕生』(1977・新潮社) ▽ミシェル・フーコー著、渡辺守章訳『性の歴史 知への意志』(1986・新潮社) ▽ミシェル・フーコー著、蓮實重彦・渡辺守章監修、小林康夫・石田英敬ほか訳『ミシェル・フーコー思考集成』全10巻(1998~2002・筑摩書房) ▽ミシェル・フーコー著、慎改康之訳『異常者たち――コレージュ・ド・フランス講義1974―1975年度』(2002・筑摩書房)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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