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ディラック方程式【ディラックほうていしき】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ディラック方程式
ディラックほうていしき
Dirac equation
量子論と特殊相対論の要求を両方とも満たすものとして,ポール・ディラックが提唱した電子の基礎方程式。電子だけでなく,一般にスピン 1/2の素粒子はこの方程式を満足すると考えられている。最も標準的な表現では,自由電子に対するディラック方程式は次のように書くことができる。
ただし,c は真空中の光速度,hプランク定数m は電子の質量,p は運動量演算子(h/2πi)∂/∂xiを表す。αおよびβは 4行 4列のエルミート行列で,ディラック行列とも呼ばれ,次の関係を満足する。
これに対応して,波動関数ψも四つの成分をもち,(ctxyz)の関数で表現され,スペクトル線超微細構造と電子のスピンとを導き出すことができる。しかし,電子がの運動エネルギーの状態に落ち込む可能性も生じる。この点はディラックの提唱した空孔理論によって解決され,かえって陽電子の存在を予言し確認されることになり,ディラック方程式の正当性が確立された。ディラック方程式 (1)に
をかけて (2)を用いれば,ψがクライン=ゴルドン方程式を満たさねばならないことがわかる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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世界大百科事典 第2版

ディラックほうていしき【ディラック方程式 Dirac equation】
電子に対する相対論的な波動方程式で,1928年P.A.M.ディラックによって提出された。ディラックは,(1)シュレーディンガー方程式と同様に時間について1階の微分方程式であること,(2)相対論の原理を満たす,つまりローレンツ変換に対し不変であること,(3)エネルギー,運動量,静止質量に関するアインシュタインの関係式が成り立つことの三つの原理から出発して,ディラック方程式と呼ばれる次の方程式を導いた。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ディラックほうていしき【ディラック方程式】
電子・陽子など、スピン 1/2 の素粒子に対する相対論的な波動方程式。この方程式を満足する波動関数はスピン状態を含み、素粒子の振る舞いをよく説明するが、正エネルギーの解と同時に負エネルギー解も与え、空孔理論を生んだ。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

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