●デフォー
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
デフォー
Defoe, Daniel
[没]1731.4.24. ロンドン
イギリスのジャーナリスト,小説家。初め工場経営などをしていたが,1702年非国教徒側に立って風刺文『非国教徒処理捷径』 The Shortest Way with the Dissentersを著わしたのをはじめとして,当時の政党,宗派対立のなかで多数のパンフレット類を執筆,04年には新聞『レビュー』 The Reviewを発刊,ジャーナリズムの草創期に重要な貢献をした。最も有名な著作はイギリス小説の草分けとされる『ロビンソン・クルーソー』 Robinson Crusoe (1719) 。ほかに『モル・フランダーズ』 Moll Flanders (22) ,『疫病流行記』A Journal of the Plague Year (22) ,『ジャック大佐』 Colonel Jack (22) など多数の作品を残している。
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デジタル大辞泉
デフォー(Daniel Defoe)
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世界大百科事典 第2版
デフォー【Daniel Defoe】
イギリスのジャーナリスト,小説家。ロンドンの商人ジェームズ・フォーの子として生まれ,郊外にあった非国教徒の学校で教育を受けた。聖職者を志すが,果たさずに商人となる。ウィリアム3世即位のころ,デフォーと改姓し文筆活動を始める。《企画論》(1697)を著して世に出,さらに外国生れのウィリアム3世への悪口に対抗して王を弁護した風刺詩《生れの正しいイギリス人》(1701)を発表して一躍名をなした。しかしウィリアム3世の死後,極端なトーリー的立場を風刺した文章《非国教徒処理の捷径(しようけい)》(1702)のために捕らえられ,3日間のさらし台の刑に処せられた。
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日本大百科全書(ニッポニカ)
デフォー
でふぉー
Daniel Defoe
(1660?―1731)
イギリスの小説家、ジャーナリスト。本名Foe。商人の子としてロンドンに生まれ、衣料雑貨商を営んだこともあるが、1701年に政治風刺詩『生粋(きっすい)のイギリス人』を書いてオランダ系の当時の国王ウィリアム3世を弁護し、政党対立する時代の政治ジャーナリズムに入る。一貫して非国教徒の商人階級の味方の立場をとったが、反対派はかならずしもそうはみず、金に動かされる御用作家だと攻撃した。
非国教徒を徹底的に弾圧せよと主張するふりをして、弾圧の愚かさをかえって強く訴えるパンフレット『非国教徒処理の近道』(1702)を書いて政府ににらまれて投獄され、さらし台に立たされたが、民衆には支持された。1704年には個人新聞『レビュー』を創刊し、以後10年近くにわたって週3回刊のこの新聞のため論説を書き、イギリス商業、貿易の策や商人道徳、宗教問題を論じた。ほぼ同じころ、有力な政治家ロバート・ハーリー(後の首相)の情報係としても秘密の活動を続け、スコットランドに赴いて、スコットランドとイングランドの統一問題の舞台裏で働いている。
しかし、今日、彼のもっとも有名な作品は『ロビンソン・クルーソー』であり、1719年これを発表してから、散文による物語を次々に書くようになった。環境のせいもあって、さまざまの罪を重ね、男を遍歴する女性モルの自伝という形式の小説『モル・フランダーズ』(1722)は、逆境をたくましく生きるあばずれ女モルと当時の下層階級を写実的に描き、『ロクサナ』(1724)も同様に自伝の形で、5人の子をもちながら夫に捨てられ、大陸まで放浪して生きていく女の話である。彼の作品の多くは自伝形式をとり、さまざまの悪を経験したのちに、やがて悔い改める話であって、当時の犯罪実話や冒険記にキリスト教的な堕落、苦悩、悔悟を綴(つづ)る教訓的自伝のパターンを重ね合わせたものである。これらの散文物語とやや趣(おもむき)を異にするのが『疫病年日誌』(1722/邦訳名『疫病流行記』『ペスト』)で、17世紀後半にロンドンで大流行したペストに苦しむ人たちのありさまを一市民が記録した日誌という形であるが、冷静かつ詳細な観察のなかにペストを神の試練としてとらえており、彼の多面的で複雑な性格をよく示している。また、『グレート・ブリテン島周遊記』(1724~1727)は、産業革命前夜の各地の産業実態が描かれ、貴重な史料である。『完全なイギリス商人』(1726~1727)は、商業を志す若者に商人道、心得を説いたものである。
[岡 照雄]
『泉谷治訳『疫病流行記』(1967・現代思潮社)』▽『平井正穂訳『ペスト』(中公文庫)』▽『伊沢龍雄訳『モル・フランダース』全2冊(岩波文庫)』▽『サザランド著、織田稔訳『デフォー』(1971・研究社出版)』
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デフォー
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旺文社世界史事典 三訂版
デフォー
Daniel Defoe
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