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ドイツ神秘主義【ドイツしんぴしゅぎ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ドイツ神秘主義
ドイツしんぴしゅぎ
German mysticism
13世紀後半に始まるドイツの宗教上,神学上,哲学上の神秘的思潮アルベルツス・マグヌスサン=ビクトル学派,クレルボーのベルナルドゥスらを先駆とし,ヨーロッパ各地に広まっていた神秘主義運動の土壌のなかで,マグナ・ゲルトルーディスを中心とするヘルフタ女子修道院,マクデブルクメヒティルトから始まった。その最盛期は 3人のドミニコ会士(→ドミニコ会),ヨハネスエックハルト,ハインリヒ・ゾイゼ,ヨハン・タウラーが輩出した 14世紀前半である。3人の影響下にネーデルラントではヘールト・グローテ,ヤン・ファン・ロイスブルークらが活躍した。この運動は宗教改革の大きな源泉の一つとなったが,その後も生き続けてセバスチアン・フランク,パラケルスス,バレンタイン・ワイゲル,ヤーコプ・ベーメアンゲルス・ジレジウスフリードリヒクリストフエティンガー,ヨハン・ゲオルグ・ハーマンらを生んだ。19世紀になってこの伝統はロマン主義を開花させた。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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世界大百科事典 第2版

ドイツしんぴしゅぎ【ドイツ神秘主義 deutsche Mystik】
中世後期から近世にかけて,一連の系譜をなすドイツ人神秘家たちによって担われたキリスト教神秘主義の歴史的形態。狭義には,14世紀前半のエックハルトゾイゼタウラーを中心にした活動とその思想をさし,広義には,その3者以前のビンゲンのヒルデガルトやマクデブルクのメヒティルトMechthild von Magdeburg(1210ころ‐82か94)などの女性神秘家たち,および3者以後その精神をさまざまな変容において継承・展開したニコラウス・クサヌスベーメ,さらにはドイツ・ロマン主義のノバーリス,ドイツ観念論のフィヒテシェリングなどに及ぶ精神的系譜を総称する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

ドイツ神秘主義
どいつしんぴしゅぎ
Deutsche Mystik

絶対者たる神と個の魂との合一を求める神秘主義は、12、13世紀、ヨーロッパの修道院の女流神秘家たちに初めて現れたが、愛による神との合一が、神と魂との結婚という雅歌的イメージ(「キリストの花嫁」など)を中心に幻視(ビジョン)的に描かれ、この感情的神秘主義はゾイゼHeinrich Seuse(1300―1366)やバロックの神秘主義詩人らに引き継がれた。しかし、ドイツ神秘主義の特色は、M・エックハルトからニコラウス・クザーヌスに至る理知的神秘主義で、それは他国のように傍系思想ではなく、「ドイツ哲学の父」である。神学的な三位(さんみ)一体の神の背後に絶対的神性を思索的に追求しつつ、自己の魂の根底を究めて両者の一致を図る神秘主義は、ドイツの哲学的思索の源泉となり、それに深い内面性を与えた。またパラケルスス、ヤコブ・ベーメらの自然神秘主義は宇宙と人間を大世界(マクロコスモス)、小世界(ミクロコスモス)としてとらえ、絶対者と世界の照応一致の法則を求めた。

 近代以後も神秘主義は敬虔(けいけん)派やロマン派、F・W・フレーベル、C・G・ユング、L・ウィットゲンシュタインなど、ドイツ思想界全般に影響を与えている。

[横山 滋]

『ヴェンツラッフ・エッゲベルト著、横山滋訳『ドイツ神秘主義』(1981・国文社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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