@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

ナイポール

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ナイポール
Naipaul, V.S.
[生]1932.8.17. トリニダード・トバゴ,チャグナス
[没]2018.8.11. イギリス,ロンドン
トリニダード・トバゴ出身のイギリスの作家。フルネーム Vidiadhar Surajprasad Naipaul。インドから西インド諸島へ移住したヒンドゥー教徒の三世として生まれる。チャグナスと首都ポートオブスペインで教育を受け,1950年渡英,オックスフォード大学で学ぶ。卒業後 BBCに勤務,書評などに携わり,ジャーナリスト,評論家として活躍する。初期の品である『神秘的な指圧師』The Mystic Masseur(1957),『エルビラの参政権』The Suffrage of Elvira(1958),『ミゲル・ストリート』Miguel Street(1959)などでは,皮肉と風刺に満ちた文章でカリブ海地方の暮らしを描いた。その後は作品の舞台をさまざまな国に移し,先祖の伝統と植民地としての歴史の間で折り合いをつけるしかない新興国で,人々が個人として,また国民として味わう疎外感を描き続ける。『自由の国で』In a Free State(1971)でブッカー賞を受賞。ノンフィクション作品としてインド 3部作『インド・闇の領域』An Area of Darkness(1964),『インド・傷ついた文明』India: A Wounded Civilization(1977),『インド・新しい顔』India: A Million Mutinies Now(1990)のほか,『イスラム紀行』Among the Believers: An Islamic Journey(1981),『イスラム再訪』Beyond Belief: Islamic Excursions Among the Converted Peoples(1998)などがある。1990年ナイト爵に叙される。2001年には抑圧された人々の歴史の存在を読者に知らしめたとしてノーベル文学賞(→ノーベル賞)を受賞。そのほかジョン・ルウェリン・リース賞(1958),ホーソンデン賞(1964),デービッド・コーエン英文学賞(1993)などを受賞。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

ナイポール(Vidiadhar Surajprasad Naipaul)
[1932~2018]英国の小説家。トリニダード‐トバゴ出身、インド系移民の子。西インド諸島のインド系社会の貧困混迷を描いた「ビスワス氏の家」は代表作。現代社会の精神的荒廃と複雑な政治的現実を独自な視点で描いた作品で知られる。2001年ノーベル文学賞受賞。他の作に「自由国家で」「暗い河」など。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

大辞林 第三版

ナイポール【Vidiadhar Surajprasad Naipaul】
1932~  トリニダード生まれのインド人系のイギリスの作家。西インド諸島およびインドなどを舞台に、複雑な政治的現実を真摯しんしに描く。代表作「ビスワス氏の家」

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

ナイポール
ないぽーる
V. S. Naipaul
(1932―2018)
トリニダード(のちイギリスに帰化)の小説家、文明評論家。旧イギリス領トリニダードで生まれたインド系移民三世。地元のカレッジを卒業して、1950年にイギリスに渡り、1954年にオックスフォード大学英文科を卒業した。BBC放送に勤め(1954~1956)、「カリブの声」の番組を担当し自らの出自である「暗黒・荒廃の父祖の国」インドおよび「非文化の国」トリニダードを棄(す)ててイギリスに帰化した。ヨーロッパ文明に身を寄せながら、祖国喪失者・近代主義者の視点から、荒廃と絶望と混迷の支配する現代世界の混沌(こんとん)と不安を描き出す描写は絶品で、その作品は文明の端境期の不安におびえる現代人、とりわけ西側文化人に多大の共感をよんでいる。社会のあぶれ者、人生の敗残者の八方破れの姿を、トリニダード・トバゴのインド人社会を背景に描いた長編で代表作となる『ビスワス氏の家』(1961)のほか、長編に『神秘的なマッサージ師』(1957)、『模倣者たち』(1967)、ブッカー賞受賞作『自由な世界で』(1971)、『ゲリラたち』(1975)、『暗い河』(1979)、短編集に『ミゲル・ストリート』(1959)、『島に掲げる旗』(1967)、評論集に『暗黒地帯』(1964)、『インド――傷ついた文明』(1977)、旅行見聞記に『エバ・ペロンの帰還』(1980)、『信者の間で――イスラム紀行』(1981)、『イスラム再訪』(1998)がある。自伝『中心を見詰めながら』(1984)あたりから、開発途上国に対する非能率・非文化的状況を告発する初期の姿勢に変化がみられ、『インド――百万人の反乱』(1990)では、インドに温かい視線を注ぐ一方、『世界の一つの道』(1994)では、世界市民的視点から、自らの出自であるカリブ文化を再評価している。1989年にトリニダード政府から最高栄誉賞トリニティ・クロスを贈られ、1990年にイギリス政府からナイト爵位に列せられた。2001年ノーベル文学賞受賞。[土屋 哲]
『工藤昭雄訳『インド――傷ついた文明』(1978・岩波書店) ▽工藤昭雄訳『エバ・ペロンの帰還』(1982・TBSブリタニカ) ▽小野寺健訳『暗い河』(1981・TBSブリタニカ) ▽斎藤兆史訳『イスラム再訪』上下(2001・岩波書店)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

ナイポール」の用語解説はコトバンクが提供しています。

ナイポールの関連情報

関連キーワード

清水宏斎藤寅次郎成瀬巳喜男山中貞雄五所平之助マキノ雅広稲垣浩小津安二郎キューカー満州国

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation