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ナマズ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ナマズ
Silurus asotus
ナマズ目ナマズ科の淡水魚。全長 25~60cmで,より小型。体形はやや細長く,頭部は縦扁,体は側扁する。大きな口をもち,その周囲に 4本のひげがある。背鰭はごく小さいが,尻鰭は基底が長く,尾鰭と連続している。体は平滑で,はない。胸鰭にとげをもつ。淡水の砂泥底に生息し,日本各地,台湾,アジア東部に分布する。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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朝日新聞掲載「キーワード」

ナマズ
海外では食材として普及しているが、国内では郷土料理などで一部地域で食べられる程度。絶滅が危惧されるウナギに代わる食材として期待される。最近、近畿大学の研究者と鹿児島県の養鰻(ようまん)業者が協力して餌を工夫し、ナマズがウナギに似た風味になったと話題になった。ナマズ目はスズキ目、コイ目に次ぐ大きな一群。日本ではナマズ、日本固有種のイワトコナマズ、ビワコオオナマズなどが知られる。(イラストは北隆館の「原色魚類大図鑑」から)
(2015-06-09 朝日新聞 朝刊 三重全県・1地方)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

栄養・生化学辞典

ナマズ
 [Silurus asotus].ナマズ目ナマズ科の淡水魚.食用にする.

出典:朝倉書店
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日本大百科全書(ニッポニカ)

ナマズ
なまず / 鯰
[学] Silurus asotus

硬骨魚綱ナマズ目ナマズ科に属する淡水魚。頭部は大きく縦扁(じゅうへん)し、体は細長く側扁する。鱗(うろこ)はない。口は大きく、上顎(じょうがく)に1対、下顎に1対のひげがあるが、幼魚期には下顎にもう1対のひげがある。背びれは小さい。臀(しり)びれは基底が長く、後端は尾びれにつながっている。胸びれには強大な棘(とげ)がある。体色は灰褐色の地に不規則な斑紋(はんもん)をもつものがある。朝鮮半島からベトナム北部に至るアジア大陸東部と、日本のほぼ全土、台湾、海南島に分布する。流れの緩やかな川や湖沼の砂泥底にすむ。夜間活動する肉食性で、小魚、カエル、エビ類などを貪食(どんしょく)する。日本での産卵期は5~7月、黄緑色の卵を水草に産み付ける。体長30センチメートル前後で成熟し、日本では最大体長50センチメートル、大陸部では1メートル以上になる。かなり神経質な魚で、飼育当初は餌(えさ)につきにくい。古くから地震の前に特異な行動をとるといわれており、現在ではこの魚の地震予知能力について科学的な実験・観察が行われている。

[多紀保彦]

ナマズ科

ナマズという名称はナマズ科あるいはナマズ目の魚に総称的に用いられることも少なくない。ナマズ科Siluridaeは、アジア東部・南東部からヨーロッパ中部にかけてのユーラシア大陸に広く分布している。日本には、ナマズのほかに琵琶(びわ)湖特産のビワコオオナマズS. biwaensisと、琵琶湖・余呉(よご)湖にすむイワトコナマズS. lithophilisがある。ヨーロッパナマズはヨーロッパ中央部以東に分布し、体長3メートル以上、体重250キログラムにもなる。以前は日本産の3種はヨーロッパナマズとは別属とされていたが、最近では同属に分類されることが多い。種数が多いのは東南アジアで、熱帯魚として飼育されているグラスキャットフィッシュKryptopterusなどがある。

[多紀保彦]

ナマズ目

ナマズ目Siluriformesは、種数約2000種、20に近い科を含む大分類群で、英名キャットフィッシュcatfishと総称される。大部分は淡水産で、オーストラリア区を除く世界各地の淡水域に分布するが、温帯から熱帯には海産の科もある。主要なグループとしては、南アメリカ産のカリクティス科Callichthyidae、ロリカリア科Loricariidae、北アメリカ産のイクタルルス科Ictaluridae、アフリカ産のモコクス科Mochokidae、アジア・アフリカ産のギギ科Bagridae、ヒレナマズ科Clariidae、南アジアおよび東南アジア産のパンガシウス科Pangasiidae、ユーラシア産のナマズ科などがある。日本原産のものには、ナマズ科の3種のほか、淡水産のギギ科3種とアカザ科Amblycipitidae1種、海産のゴンズイ科Plotosidae1種とハマギギ科Ariidae2種がある。

[多紀保彦]

料理

日本でいつごろからナマズが食用にされたかは不明である。書物では『日本三代実録』の貞観(じょうがん)8年(866)条に、干魃(かんばつ)のときに京都でナマズを食べたことが記載され、平安時代には食用にしていたことが考えられる。江戸時代の『料理物語』(1643)には、ナマズの調理法として汁物、かまぼこ、鍋(なべ)焼き、杉焼きが紹介され、とくにかまぼこによいと書かれている。

 淡水魚特有の泥臭さとぬめりがある。塩をまぶしてこすると、ぬめりがとれる。熱湯をかけるのもよい。味つけには、泥臭さを消すためにみそ、ショウガ、酒、ネギなどが用いられる。白身魚では脂質が多いほうで(約9%)、うま味がある。みそ煮、蒲(かば)焼き、なまず鍋などにする。タンパク質、脂質、ビタミンB1のよい給源である。

[河野友美・大滝 緑]

民俗

鯰の伝説には、岡山県の「ものいう魚」や、栃木県巴波(うずま)川の民話のほか、九州の阿蘇(あそ)山の神使(しんし)としても知られ、いずれも変災を予知して人間に化け、困った人を助けるという筋書きである。地震鯰の迷信は、地底にすむ大魚や亀(かめ)、竜が寝返りを打つと地震が起こるという各国の伝説につながるが、これを広く世に伝えたのは「鹿島(かしま)の事触(ことぶれ)」といって、茨城県の鹿島神宮の神人が、地震押さえの要石(かなめいし)の功徳を触れ歩いたためという。安政(あんせい)の大地震(1855)の直後に流行した「鯰絵」とよぶ一枚摺(ずり)の瓦版(かわらばん)のような民俗版画では、人間の姿をした鯰が駄洒落(だじゃれ)や社会批判をしながら被害のニュースを伝えていた。のらりくらりと要領をえないことを俗に「瓢箪鯰(ひょうたんなまず)」というが、なんとなくユーモアのある鯰は日本人にとって地震の主として憎むよりも親しめる魚とされ、郷土玩具(がんぐ)や冑(かぶと)などに図案化されている。

[矢野憲一]

文学

『新撰字鏡(しんせんじきょう)』や『倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』にその名がみえるから、平安時代には知られ、食用にもされていたはずだが、文学作品にはあまり登場しない。『今昔物語集』巻20には、京都の出雲(いずも)寺の別当浄覚(じょうかく)の夢に、父が鯰になって現れ、桂(かつら)川に放してくれと頼んだのに、とらえて食べようとしたところ、骨がのどに刺さって死んでしまった話が伝えられ、同じ説話が『宇治拾遺(しゅうい)物語』にも収められている。近世歌謡集の『山家鳥虫歌(さんかちょうちゅうか)』には、鯰の妖怪(ようかい)が孔子に襲いかかり取り押さえられたことが歌われている。季題は夏。

[小町谷照彦]

『友田淑郎著『琵琶湖とナマズ』(1978・汐文社)』『気谷誠著『鯰絵新考』(1984・筑波書林)』『宮田登・高田衛他著『鯰絵――震災と日本文化』(1995・里文出版)』『リチャード・シュヴァイド著、谷村淳次郎訳『ナマズとデルタ――ミシシッピ・デルタにおける旧南部的ナマズ養殖』(1997・日本図書刊行会、近代文芸社発売)』『江島勝康著『世界のナマズ』(1999・マリン企画)』『滋賀県立琵琶湖博物館編『鯰――魚と文化の多様性』(2003・サンライズ出版)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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