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ヌビア人【ヌビアじん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ヌビア人
ヌビアじん
Nubian
ナイル川の第1急流から上流のハルツームにいたる古来ヌビアと呼ばれてきた地域の住民をいう。考古学的資料によると,中石器時代に,この地域の南部に主として漁労とカバ猟を営む黒色人種が住んでいた。彼らは木の枝と泥で造った小屋に住み,土器をつくり,抜歯の慣習をもっていたようである。今日,アフリカで下顎切歯を抜く慣習はスーダン語系諸族に一般的にみられるので,この中石器時代人が現在のヌビア人の祖先であり,おそらく東スーダン語系のヌビア語を話していたと推測される。新石器文化はこの地ではハルツーム周辺に前 3900年頃出現したが,その後,エジプトから入った農耕により,農耕文明が確立した。その後,東クシ語系白人牧畜民が侵入し,牛,やぎ,羊などの家畜飼養と乳とバターの利用を伝えた。前 1050年にエジプト支配が終ると,ヌビア人はナパタに強力な王国を確立した。また 543年にキリスト教が導入されたが,14~16世紀にかけてアラブ人の侵入によりイスラム化して,今日にいたっている。現在,ヌビア語を話す諸民族はスーダン各地に散在しており,形質的にも文化的にもアラブ系のベドウィン族の影響を受けている。おもな民族は以下のとおりである。 (1) バラブラ諸族 Barabra ナイル川流域に居住,人口約 20万。 (2) ビルケド諸族 Birked 中世のダルフル,ドンゴ国の子孫。 (3) ミドビ諸族 Midobi (4) ディリング諸族 Dilling コルドファンに居住,人口約2万。 (5) ニイマ諸族 Nyima コルドファンに居住,人口約4万。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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