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ネアンデルタール人【ネアンデルタールじん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ネアンデルタール人
ネアンデルタールじん
Neanderthal man
ヨーロッパから西アジアにかけて分布した更新世中期から後期旧人類。成人の平均身長約 155cm。頭蓋が低く眼窩上隆起発達している点や,のないなど原人類に近い特徴をもつが,脳頭蓋容積は原人類よりかなり大きい。リス氷期からウルム氷期前半まで生息していたものと思われる。ドイツのネアンデル峡谷(タール)から初めて発見されたのでこの名がついた。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵

ネアンデルタール人
狭義には、ドイツのデュッセルドルフ郊外のネアンデル谷にあるフェルトホッファー洞穴で1856年に発見された男性化石人骨広義には、旧人一種、ホモ・ネアンデルターレンシスの通称。約25万〜3万年前に欧州と西アジアに住んでいた。脳頭蓋は低くつぶれた形で長く、眼窩上隆起が出っぱり、額が傾き、後頭部が突出するなど、原人の特徴を残しているが、脳容積は1300〜1600立方センチもあり、新人と変わらない。顔は中央付近が前に突出している。男性で、身長は165cm程だが、体重は80kg以上と推定されている。欧州の寒い気候に適応した人々であり、中期旧石器時代剥片(はくへん)石器製作技術により鋭い石の槍先(ムスティエ型など)を作った。
(馬場悠男 国立科学博物館人類研究部長 / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

ネアンデルタール‐じん【ネアンデルタール人】
《〈ドイツ〉Neanderthal旧人に属する化石人類。1856年、ドイツのデュッセルドルフ近郊に位置するネアンデルタール石灰岩洞穴で初めて発見され、以後アフリカ・ヨーロッパ・西アジアなどの各地で出土した。脳容量は現代人と変わらず約1500立方センチで、死者埋葬を行うなど精神的発達が認められる。学名はホモ‐ネアンデルターレンシス。
[補説]近年の研究で、非アフリカ系の現代人のゲノムに、ネアンデルタール人に由来するDNA断片が数パーセント含まれていることがわかり、約6万年前にアフリカを出たホモ‐サピエンスとネアンデルタール人などの間で交雑があった可能性が指摘されている。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

ネアンデルタールじん【ネアンデルタール人 Neanderthal man】
ドイツ,デュッセルドルフ近郊の石灰岩洞窟から1856年に発見され,フールロットにより与えられた旧人の呼称である。その後,ヨーロッパ各地から同類人類が発見されるに及んで,この種の人類の狭義名称として用いられるようになったが,さらにアジア,アフリカの類似の人骨に対しても拡大して,人類進化の段階を示す用語ともなっている。狭義のネアンデルタール人類はヨーロッパにおける第4氷期(ウルム氷期)の初期に由来する人類で,前記ドイツのもののほか,ラ・シャペル・オー・サン人(フランス),スピー人(ベルギー),モンテチルツェオ人(イタリア)などがあり,発見地が違うにもかかわらず,画一的な形質をもつ。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

ネアンデルタール人
ねあんでるたーるじん
Neanderthals

旧人段階の化石人類。他の例に漏れず、化石人類としてのネアンデルタール人の位置が確定するまでには紆余(うよ)曲折があった。1856年、ドイツ、デュッセルドルフ近郊のネアンデル谷(タールは谷の意)の石灰岩洞穴より、1体の人骨が偶然に発見され、その異様な形態から、かつてヨーロッパに住んでいた原始人類の遺骨として発表された。これに対して、人類学界の一大権威であったドイツの病理学者ウィルヒョウ(フィルヒョウ)が、その原始的特徴を病理的なものであると判断したため、この人骨は当時の人々から無視された。一方イギリスでは、地質学者A・キングがこれを絶滅種の人類であると考え、1864年に「ホモ・ネアンデルターレンシス」と命名した。1901年、ドイツの人類学者シュワルベが、この骨と、1886年にベルギーで発見されたスピー人骨とを比較するに及んで、これらが原始的な人類であることが確かなものとなった。

 そのほか同類の人骨が、クロアチアのクラピナ(1899~1905)、フランスのラ・シャペル・オ・サン(1908)、ル・ムスティエ(1908)などヨーロッパ各地から発見されている。さらにヨーロッパ以外でも、イスラエルのカルメル山からタブーン人(1931~1934)、アフリカではカブウェ人(ローデシア人)(1921)、イラクではシャニダール人(1953~1960)など、ネアンデルタール人の遺跡は広く散在している。

 これらの人骨の頭蓋(とうがい)容量は1300~1600立方センチメートルと現生人類なみか、ときにはそれを超えるほど大きいが、頭高はかなり低く、とくに前頭部の発達は悪い。眼窩(がんか)上隆起は著しく、強い突顎(とつがく)を示し、顔面部は大きい。身長は低く、成人男子で平均約155センチメートルと推定され、体格は頑丈である。中期旧石器文化であるムステリアン型石器が伴出する。第三間氷期およびビュルム氷期第一期、年代としては15万~3万5000年前に生存していたと考えられる。

 ネアンデルタール人は、長い間、現生人類とは類を異にする独立種とみなされていた。しかし、埋葬を行うなど、高い精神性を示す証拠が発見されたこと、また現生人類への移行形の人骨が発掘されていることなどを考慮して、今日では現生人類と同種のホモ・サピエンスのなかに入れられている。シャニダール遺跡の洞窟(どうくつ)に埋葬されていた人骨の下の土壌からは、今日でもその周辺に咲く花の花粉が出土し、「最初に花を愛(め)でた人々」とみなされるようになった。なお、一部の学者は、ヨーロッパ出土の人骨のみをネアンデルタール人とし、他をネアンデルターロイド(類ネアンデルタール人)とよんでいる。

[香原志勢]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ネアンデルタール‐じん【ネアンデルタール人】
〘名〙 (ネアンデルタールはNeanderthal) 化石人類の一つ。一八五六年にドイツのデュッセルドルフ東方のネアンデルタール峡谷の石灰岩洞穴で初めて発見された。現生人類と同じホモサピエンスで、脳容量は現代人と同じないしは大きい値を示すが、頭高が低く、眼窩(がんか)上隆起が著しい。洪積世後期、ヨーロッパから西アジアにわたって居住。ホモサピエンス‐ネアンデルターレンシス。→旧人

出典:精選版 日本国語大辞典
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旺文社世界史事典 三訂版

ネアンデルタール人
ネアンデルタールじん
Homo Neanderthalensis
1856年にドイツのデュッセルドルフ近郊のネアンデルタールで発見された旧人の一種
この種の人類は地質時代の第四紀第3間氷期から第4氷期,すなわち旧石器時代の後期にアメリカ・オーストラリアを除く全旧大陸に分布していた。身長は160㎝くらいで,死者の埋葬風習から宗教心の芽ばえが知られ,旧人は絶滅したというと,ホモ−サピエンスの祖先とする説とがある。同程度の進化段階の人類には,アフリカのローデシア人,ジャワのソロ人などがある。

出典:旺文社世界史事典 三訂版
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