●ネアンデルタール人【ネアンデルタールじん】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
ネアンデルタール人
ネアンデルタールじん
Neanderthal man
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知恵蔵
ネアンデルタール人
(馬場悠男 国立科学博物館人類研究部長 / 2007年)
出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
デジタル大辞泉
ネアンデルタール‐じん【ネアンデルタール人】
[補説]近年の研究で、非アフリカ系の現代人のゲノムに、ネアンデルタール人に由来するDNAの断片が数パーセント含まれていることがわかり、約6万年前にアフリカを出たホモ‐サピエンスとネアンデルタール人などの間で交雑があった可能性が指摘されている。
出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版
ネアンデルタールじん【ネアンデルタール人 Neanderthal man】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
ネアンデルタール人
ねあんでるたーるじん
Neanderthals
旧人段階の化石人類。他の例に漏れず、化石人類としてのネアンデルタール人の位置が確定するまでには紆余(うよ)曲折があった。1856年、ドイツ、デュッセルドルフ近郊のネアンデル谷(タールは谷の意)の石灰岩洞穴より、1体の人骨が偶然に発見され、その異様な形態から、かつてヨーロッパに住んでいた原始人類の遺骨として発表された。これに対して、人類学界の一大権威であったドイツの病理学者ウィルヒョウ(フィルヒョウ)が、その原始的特徴を病理的なものであると判断したため、この人骨は当時の人々から無視された。一方イギリスでは、地質学者A・キングがこれを絶滅種の人類であると考え、1864年に「ホモ・ネアンデルターレンシス」と命名した。1901年、ドイツの人類学者シュワルベが、この骨と、1886年にベルギーで発見されたスピー人骨とを比較するに及んで、これらが原始的な人類であることが確かなものとなった。
そのほか同類の人骨が、クロアチアのクラピナ(1899~1905)、フランスのラ・シャペル・オ・サン(1908)、ル・ムスティエ(1908)などヨーロッパ各地から発見されている。さらにヨーロッパ以外でも、イスラエルのカルメル山からタブーン人(1931~1934)、アフリカではカブウェ人(ローデシア人)(1921)、イラクではシャニダール人(1953~1960)など、ネアンデルタール人の遺跡は広く散在している。
これらの人骨の頭蓋(とうがい)容量は1300~1600立方センチメートルと現生人類なみか、ときにはそれを超えるほど大きいが、頭高はかなり低く、とくに前頭部の発達は悪い。眼窩(がんか)上隆起は著しく、強い突顎(とつがく)を示し、顔面部は大きい。身長は低く、成人男子で平均約155センチメートルと推定され、体格は頑丈である。中期旧石器文化であるムステリアン型石器が伴出する。第三間氷期およびビュルム氷期第一期、年代としては15万~3万5000年前に生存していたと考えられる。
ネアンデルタール人は、長い間、現生人類とは類を異にする独立種とみなされていた。しかし、埋葬を行うなど、高い精神性を示す証拠が発見されたこと、また現生人類への移行形の人骨が発掘されていることなどを考慮して、今日では現生人類と同種のホモ・サピエンスのなかに入れられている。シャニダール遺跡の洞窟(どうくつ)に埋葬されていた人骨の下の土壌からは、今日でもその周辺に咲く花の花粉が出土し、「最初に花を愛(め)でた人々」とみなされるようになった。なお、一部の学者は、ヨーロッパ出土の人骨のみをネアンデルタール人とし、他をネアンデルターロイド(類ネアンデルタール人)とよんでいる。
[香原志勢]
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精選版 日本国語大辞典
ネアンデルタール‐じん【ネアンデルタール人】
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旺文社世界史事典 三訂版
ネアンデルタール人
ネアンデルタールじん
Homo Neanderthalensis
この種の人類は地質時代の第四紀第3間氷期から第4氷期,すなわち旧石器時代の後期にアメリカ・オーストラリアを除く全旧大陸に分布していた。身長は160㎝くらいで,死者の埋葬風習から宗教心の芽ばえが知られ,旧人は絶滅したという説と,ホモ−サピエンスの祖先とする説とがある。同程度の進化段階の人類には,アフリカのローデシア人,ジャワのソロ人などがある。
出典:旺文社世界史事典 三訂版
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