●ノコギリソウ
世界大百科事典 第2版
ノコギリソウ【sneezewort】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
ノコギリソウ
のこぎりそう / 鋸草
[学] Achillea alpina L.
キク科の多年草。茎は細く、直立して高さ0.5~1メートル、上方ですこし枝分れする。葉は櫛(くし)の歯状に中裂または深裂し、縁(へり)に鋭い鋸歯(きょし)がある。名は、この葉形を鋸(のこぎり)に見立てたもの。葉柄はなく、葉の基部にやや大形の裂片があって茎を抱く。7~9月、茎頂に、やや密集した散房状花序をつける。頭花は白色の舌状花5~7個と管状花からなる。痩果(そうか)は扁平(へんぺい)で長さ3ミリメートル、毛、冠毛ともにない。山地の草地に生え、本州、北海道、および東アジア北部から北アメリカの温帯に分布する。古くから観賞用として栽培される。健胃強壮剤、痔(じ)病の治療など、薬用としても用いる。属名Achilleaは、ギリシアの英雄アキレウスが本種の薬効を発見したという伝説に基づく。
近縁種セイヨウノコギリソウA. millefolium L.はヨーロッパ原産の園芸植物で、葉は2~3回羽状に深く全裂する。近年、属名のアキレアの名でよばれ、広く栽培される。
[小山博滋]
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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