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ノバルティス【のばるてぃす】

日本大百科全書(ニッポニカ)

ノバルティス
のばるてぃす
Novartis International AG

スイスの大手医薬品メーカーであり、世界最大規模の製薬グループ。

 源流となる主要3社は、1758年設立のガイギーGeigy、1859年設立のチバCiba、1886年設立のサンドSandozで、いずれもライン川上流のドイツ国境に近いバーゼルで合成染料工場をおこし、医薬品、農薬、化学品に事業を多角化しつつ発展した。3社は1918年から利益プール協定を結び、ヨーロッパ染料カルテル(企業連合)の一翼を担った。1950年にカルテルは解体され、3社は独自に発展するが、1970年にチバとガイギーが合併してチバ・ガイギーCiba-Geigy Ltd.が発足(1992年チバに改称)。1996年、チバとサンドが合併して新会社ノバルティスが誕生した。

[田口定雄]

ガイギー

1758年開業の薬種商が起源であるが、1857年、ヨハン・ルドルフ・ガイギー・メリアンJohann Rudolf Geigy-Merian (1830―1917)が、ヨハン・ミュラー・パックJohann Müler-Packと共同で、染料木からの染料抽出工場をバーゼルに建設、2年後に合成染料の生産を開始した。1901年、株式会社に改組、1914年にガイギー社J.R. Geigy Ltd.となった。1924年織物助剤、1935年殺虫剤を生産、1938年に医薬品部門を設立した。翌1939年ガイギーの化学者パウル・ミュラーPaul Hermann Miiller(1899―1965)は、DDTの殺虫効果を発見して1948年にノーベル賞を受賞。1949年同社初の大型薬になる抗リウマチ薬を発売。1956年除草剤、1958年初の向精神薬、1959年初の高血圧治療用利尿剤、1963年には抗てんかん薬を一般販売した。1970年にチバと合併。

[田口定雄]

チバ

1859年、バーゼルで絹織物の工場を経営していたクラベルAlexander Clavel(1805―1873)が合成染料の生産に進出。1884年株式会社に改組してバーゼル化学工業と改称、略称のCIBA(チバ)が商号に使われ、1945年正式社名となった。1900年、消毒薬と抗リウマチ薬で医薬生産を開始。1924年循環器薬コラミンを合成、1928年織物助剤、1956年殺虫剤の分野に進出した。1970年ガイギーと合併。1974年アメリカのファンク・シーズを買収して農業種子事業に参入したほか、コンタクトレンズ製造でも世界的な規模を誇った。

[田口定雄]

サンド

1886年、染料化学者のケルンAlfred Kern (1850―1893)と商人のサンドEdouard Sandoz(1853―1928)が合成染料生産の会社を設立。1895年に解熱剤アンチピリンの製造で医薬品に進出した。同年株式会社に改組。1899年サッカリン生産で甘味料製造に進出。1917年医薬品部門を創設して本格的な医薬研究を開始した。1929年近代的カルシウム療法の基礎となった製品を発売。同年化学品部門(織物、皮革、製紙工業向け)を設立する。1939年農業分野に進出、1943年自社開発の殺虫剤を発売。1958年向精神薬を発売。1970年代なかばから1980年代末にかけて、アメリカ、オランダなどの農業種子会社を相次いで買収し、その間、抗アレルギー剤(1977)、免疫抑制剤(1982)を発売、以後大型薬を主力とする企業に成長した。

 一方、1968年スイスのワンデルを合併、栄養食品事業に参入し、1994年にはアメリカ最大のベビーフード・メーカー、ガーバーを買収して、ベビーフードの分野でも世界有数となった。1995年、特殊化学品事業をクラリアント社Clariantとして分社化。翌1996年、医薬・農薬・食品事業をチバと統合してノバルティスを形成した。

[田口定雄]

事業内容

1996年に新会社ノバルティスが発足したのち、チバの特殊化学品部門は分社化され、2000年には農薬・種子事業をアストラゼネカAstraZeneca PLCの農薬事業とシンジェンタSyngenta AGに統合・分離し、事業の中心をおもに医薬品製造に絞り込んだ。

 2005年にドイツのヘクサルHexal AGとアメリカのイオン・ラブズEon Labs Inc.、2009年にオーストリアのエベベ・ファーマEbewe Pharmaを買収し、ジェネリック医薬品部門を強化した。また、2010年にアメリカのコンタクトレンズ大手アルコンAlcon Inc.を買収して子会社化した。2009年のグループ全体の売上高は442億6700万ドル、うち医薬品が64%を占めた。従業員数は世界140か国に9万9834人。また、ノバルティス社単体の純利益は134億8000万スイスフラン。

 日本では、1952年(昭和27)に設立されたチバ製品(1971年日本チバガイギーに社名変更)、1960年設立のサンド薬品など関連子会社を設けていたが、日本チバガイギー医薬部門とサンド薬品はノバルティスの発足に伴い、1997年(平成9)に統合されて社名をノバルティスファーマに改称した。

 なお、日本では2005年(平成17)、持株会社ノバルティス・ホールディング・ジャパンを設立し、この傘下にノバルティスファーマ、日本チバガイギー、チバビジョン(コンタクトレンズなど)とノバルティスアニマルヘルス(動物用医薬品)を収めた。

[田口定雄]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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