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ノルマンディー

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ノルマンディー
Normandie
フランス北西部の地方。旧州。イギリス海峡にのぞみ,北東はセーヌ川下流周辺から南西はサンマロ湾までの地域で,セーヌマリティム県,カルバドス県,マンシュ県のほか,ウール県とオルヌ県の一部が含まれる。中心都市ルーアン。9世紀,フランク王国の衰退が始った頃からノルマン人が移住。 911年ノルマンディー公国成立。 1066年にはノルマンディー公ウィリアム (1世,征服王) がイングランドを征服,ノルマン朝を開き,ノルマンディーはイングランド領となった。 1204年フィリップ2世がジョン王を破ってイングランドから奪還,百年戦争中,1420年にはアルトアにおけるイングランドの勝利によりヘンリー5世の太子領となったが,50年最終的にフランスの手に戻った。第2次世界大戦では,連合軍の「ノルマンディー上陸作戦 (→オーバーロード作戦 ) 」の行われた地として知られる。土壌は中・東部は肥沃で,西部コタンタン半島はやせているが,全体として牧畜が盛ん。地域によって穀類,りんご酒,良質のバターとチーズ,ウシ (ノルマンディー牛) ,ウマなどを特産する。海岸には漁港,海水浴場も多い。セーヌ川は古くからの交通幹線で,河岸にはルアーブル,ルーアンなどの港や工業都市が発達している。

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ノルマンディー
Normandie
1932年にフランスで進水した高速豪華客船。総トン数約8万 6491t,長さ 312mの巨体を,16万軸馬力の蒸気タービン発電機を駆動させて高速を出させる高速電気推進船であった。 20世紀の前半は,ヨーロッパとアメリカを結ぶ大西洋航路にヨーロッパ各国が大型客船を就航させてスピードと豪華さを競ったが,『ノルマンディー』はその双方を満足させた画期的な巨船として登場し,たちまち平均 31.3ノットの大西洋横断記録を樹立した。乗客は各クラス合せて 2170人であった。ライバルとなったイギリスの巨船『クイーン・メリー』号は,約2年遅れて完成している。

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デジタル大辞泉

ノルマンディー(Normandie)
フランス北西部、イギリス海峡に臨む地方(レジオン)。911年にノルマン人の族長ロロがノルマンディー公国を建国し、1066年、ウィリアム1世の時にイングランド領となったが、のちフランスが奪回。第二次大戦末期の1944年6月、連合軍の大規模な敵前上陸作戦が行われた。1964年にバス‐ノルマンディーオート‐ノルマンディーの地方政府が樹立したが、2016年に統合された。地方政府はセーヌ‐マリチーム県のルーアンにある。

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デジタル大辞泉プラス

ノルマンディー
《Normandie》フランス海軍の戦艦。ノルマンディー級の1番艦。1914年進水の超弩級戦艦。ワシントン海軍軍縮条約に基づき、1922年に退役、1924年解体。同型艦に、ガスコーニュ、フランドル、ラングドックベアルンがあり、ベアルンを除く全艦が、同条約に基づき解体されている。ベアルンは改造され、1927年にフランス初の空母として就役した。

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世界大百科事典 第2版

ノルマンディー【Normandie】
フランス北西部の旧州名。高(オート)ノルマンディーと低(バス)ノルマンディーの2地域régionからなる。東半を占める高ノルマンディーはパリ盆地寄りの地域で,セーヌ・マリティム県とウール県からなり(主都はルーアン),西半分の低ノルマンディーはカルバドス,オルヌ,マンシュの3県からなる(主都はカン)。
[自然]
 東はブレル川を経てピカルディーに,またエプト川を経てイル・ド・フランスと接し,南はノルマンディー丘陵,ペルシュ丘陵を経てオルレアネ,メーヌと接する。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

ノルマンディー
のるまんでぃー
Normandie

フランス北部の歴史的地方名、旧州名。イギリス海峡に面する低平な地域で、北部はコタンタン半島が海峡に向けて突出する。現在はウール、セーヌ・マリティーム、カルバドス、マンシュ、オルヌの5県に分かれる。地域行政上、前2県でオート(上)・ノルマンディーを構成し、面積1万2317平方キロメートル、人口178万0192(1999)、中心都市はルーアン。後3県でバス(下)・ノルマンディーを構成し、面積1万7589平方キロメートル、人口142万2193(1999)、中心都市はカーン。

 この地方は、地質的には古生代石炭紀(3億5000万年前)のバリスカン褶曲(しゅうきょく)(狭義にはアルモリカン褶曲)による隆起でできた古い地塊で、マッシフ・サントラル(中央群山)やイギリス西部の地質と同年代のものである。気候は西岸海洋性のため湿潤である。東部の丘陵でも標高350メートル以下で平坦(へいたん)地が多い。牧草の成長に適しているため酪農と乳業が盛んである。ルーアン、ル・アーブル、カーンを結ぶ三角地帯に当地方人口の4分の1以上が集まり、人口密度が高く、第二次、第三次産業の集積が進んでいる。コタンタン半島西岸の都市グランビルを中心に海水浴場が開け、別荘も多く観光地化も進展している。

[高橋伸夫]

歴史

紀元前1世紀、この地方に居住したケルト人、ベルガエ人の諸部族はカエサルの征服を受け、ローマ帝政期にはリヨン第2州に編入された。3世紀末、ルーアンなどの都市にはキリスト教が布教された。フランク王国支配下の7世紀にはサン・ワンドリーユ、ジュミエージュなどの大修道院がつくられ、農村部のキリスト教化も進んだ。カロリング朝期に組織されたルーアン大司教管区は、ほぼ後のノルマンディーに合致する。

 9世紀後半にはノルマン人の侵入が激化し、セーヌ川の河口には彼らの冬営地が設けられた。ノルマン人は911年から933年にかけて西フランク王にルーアン大司教管区の領域のほとんどを割譲させ、キリスト教を受容し、また封建制によって強固に組織された公領を築いた。対外進出にも意欲的で、ノルマンディー公ギヨーム2世は1066年にイングランドを征服してその王となり(イギリス王ウィリアム1世)、また彼らの一部は南イタリアとシチリア島に進出し、12世紀に両シチリア王国を建設した。12世紀後半にはアンジュー伯が西部フランスの大部分とノルマンディー公領、イングランド王国を手中に収めて大勢力となったが、フランス王フィリップ2世は1204年にノルマンディーを征服し、王領に合併した。しかし公領は独自の慣習法、最高法廷(近世のルーアン高等法院の前身)、諸特権を維持した。百年戦争中の1419年から1450年まではイギリスの支配を受ける。

 16世紀の宗教戦争はこの地方では激化し、産業に大きな打撃を与えた。17世紀には、王権は幾度かの反乱を鎮圧しつつ、ノルマンディーへの統制を強化した。1666年には州三部会も廃され、州としてのまとまりは弱体化した。他方17、18世紀にはとりわけ東部において繊維工業が成長し、19世紀には産業革命が早期に進展した。第二次世界大戦末期の1944年6月6日、連合軍がドイツ占領下のこの地方の海岸に敵前上陸を敢行したことは有名である。

[江川 温]

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精選版 日本国語大辞典

ノルマンディー
(Normandie) フランス北西部の地方。旧州名。東部にはセーヌ川が流れ、西部にはコタンタン半島がイギリス海峡に突出する。九世紀以来ノルマン人が侵入し、一〇世紀にノルマンディー公国が成立。一二〇四年フランス領となる。第二次世界大戦末期の一九四四年六月に連合軍のノルマンディー上陸作戦が行なわれた。

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