●ハウメア
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
ハウメア
Haumea
太陽系の冥王星よりも遠い外縁のカイパーベルト上で太陽のまわりを公転している準惑星。2003年にチリのセロトロロ天文台でアメリカ人天文学者チームが発見した。2003 EL61という仮符号ののち,ハワイ神話に登場する多産と豊穣の女神にちなんでハウメアと命名された。大きさは 1960×1520×1000kmで,準惑星には珍しい偏長楕円体。自転周期が 3.9時間と高速のため,この形状になった可能性がある。カイパーベルト上にはハウメアと似た軌道を周回している物体が 8個あるが,これらとハウメアの自転周期が速いのは,遠い過去にハウメアがなんらかの物体と衝突したことに起因するとみられる。カイパーベルト上の多くの天体は氷と岩石が半々の混合物だが,ハウメアの内部は岩石で,薄い氷の層に覆われている。また表面には大きな赤い部分があり,隕石孔から内部が露出した可能性がある。2005年にハウメアの衛星が二つ発見され,大きいほうにはハワイ島とフラダンスの女神ヒイアカ,小さいほうには水の女神ナマカと,それぞれハウメアの娘たちの名がつけられた。2008年,国際天文学連合 IAUはハウメアを第5の準惑星および 4番目の冥王星型天体(プルートイド plutoid)に分類した。
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デジタル大辞泉
ハウメア(Haumea)
準惑星の一つ。太陽系外縁天体の冥王星型天体に属す。2003年、スペインの研究チームが発見し、2008年に準惑星に分類された。名の由来はハワイ神話の豊穣の女神。冥王星より外側の楕円軌道を公転し、軌道長半径は冥王星のものとほぼ同等と思われる。二つの衛星(ヒイアカ、ナマカ)をもつ。2017年、恒星食の観測から、太陽系外縁天体として初めて赤道面を取り巻く環が見つかった。
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