@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

ハプニング

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ハプニング
happenings
偶発的事件出来事の意。現代芸術の各分野で試みられている表現運動の一つ。美術では,ポップ・アート,ニュー・リアリズムなど行動的な芸術運動における一表現手段として試みられている。 1959年ニューヨークのルーベン画廊で行われた「6つの部分からなる 18のハプニング」に始る言葉で,主催者の一人 A.カプローの命名によるもの。絵画や彫刻と違って,人間が直接行為を行うものであるが演劇やスポーツ,ゲームと異なっており,いわば人間と物体の組合せによるストーリーのない時間芸術ともいえる。ハプニングはのち「イベント」という語に変り,現在は「パフォーマンス」といわれることが多い。また演劇では演劇に内在する意外性と自発性を強調することにより,虚構の芸術と実際の人生との接点を求め,両者の結合をはかろうとするもの。 R.シェクナーの環境演劇や,ニューヨーク大学の学生によるベトナム反戦の街頭演劇であった。ゲリラ・シアターなどもハプニングの一種である。日本の具体美術協会やヨーロッパを中心とするフルクサスといったグループも同種の運動を目指したものである。 (→偶然性の芸術 )

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

ハプニング(happening)
思いがけない出来事。突発的な事件。
偶然的な出来事を呈示し、その効果を追求する音楽家・美術家の前衛的芸術運動。1950年代末期から1960年代、米国を中心に展開

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

ハプニング【happening】
一回性の行為を中核とした表現形式を指す。〈偶発的なできごと〉を意味する日常的な英語であるが,1960年代,とくにアメリカの美術家たちが,表現の新しい領域として〈アクション〉に注目したとき,〈ハプニング〉は独特の響きをもつ美術用語となった。命名者はA.カプローで,1959年ニューヨークのルーベンReuben画廊で《六つの部分からなる18のハプニング》を発表したとき,この語が用いられた。三つの部屋で,光,映像,言葉,オブジェなどを伴って,多くの参加者がさまざまな行為を行った。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

ハプニング【happening】
思いがけない出来事。偶発的な事件。 -が生じる
意表をついた出来事がもたらす表現効果を積極的に追求する芸術活動。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

ハプニング
はぷにんぐ
happening
1960年代に、アメリカを中心に、音楽や美術などの領域の芸術家たちが行った、偶然的な行為やできごとを呈示する芸術。さまざまな芸術ジャンルの要素を同時に含みながら、既成のどのジャンルにも分類されないという性質をもつ。現在ではパフォーマンスのなかの一つの特殊な傾向と考えられるようになっている。具体的には、無意味な言語を発声したり、バケツにくんだ水をもう一つのバケツに移したり、あるポーズで一定時間動かずにいたりする、あるいは、これらの対応関係をあらかじめ定めずに、同一会場内で同時進行させるなどの行為が行われる。固定した形をとらず、1回限りの偶然的なできごとであること、行為者が登場人物に扮(ふん)して演技をするのではないという点で、演劇や他のパフォーマンスから区別される。ホールや美術館の外の空間で行われることもあり、コンセプチュアル・アートconceptual artとも関係をもっている。[庄野 進]

歴史

この原型は、1952年にジョン・ケージらによって行われた朗読、音楽、舞踊、映画とスライドの上映などが同時進行する催しであった。すなわち、自然や日常生活のなかで生ずるできごとのように、芸術家によって意図されたものではない、無目的的な、聴覚的、視覚的、運動感覚的なできごとの呈示が強調されたのである。
 これはアメリカの芸術家たちに大きな影響を与えたが、こうした動きが本格的に展開されたのは1950年代末からで、ニューヨークが舞台となった。ケージに学んだカプローは、1959年に『六つの部分から成る18のハプニング』を行い、身体の動き、音響、スライド、カンバスに色彩を塗る行為などを呈示した。ハプニングの名称はこれに由来する。ほかにもブレクトGeorge Brecht(1926―2008)、ナム・ジュン・パイク、ハンセンAl Hansen(1927―1995)、ヒギンズDick Higgins(1938―1998)ら、ケージに学んだ芸術家たちを中心に、同様の催しが以後次々と行われた。これらの芸術家たちは、マチューナスGeorge Maciunas(1931―1978)を中心とした「フルクサス」Fluxusというグループを形成していった。オノ・ヨーコ(小野洋子)、ヤングらがグループの中心であったが、明確な組織体ではなく、ボイス、フィリウRobert Filliou(1926―1987)、フォステルWolf Vostell(1932―1998)、小杉武久(たけひさ)、靉嘔(あいおう)ら、ヨーロッパや日本の芸術家たちも深い関係をもっていた。ただし、グループの活動にはダダイズム的な傾向や表現的色彩の濃いものも多く、ハプニングだけが行われたわけではない。また、日本の赤瀬川原平(げんぺい)らの「ハイレッドセンター」もハプニング的な活動を行った。しかし、1970年代に入ると、この傾向は急速に影を潜めてしまった。[庄野 進]
『C・トムキンズ著、中原佑介・高取利尚訳『花嫁と独身者たち』(1972・美術出版社) ▽トーマス・ケライン、ジョン・ヘンドリックス編、ワタリウム美術館訳『フルクサス』(1994・クレオ) ▽塩見允枝子著『フルクサスとは何か?――日常とアートを結びつけた人々』(2005・フィルムアート社) ▽赤瀬川原平著『東京ミキサー計画――ハイレッド・センター直接行動の記録』(ちくま文庫)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

ハプニング
〘名〙 (happening)
① 予想外のでき事。偶発的な事件。
※白く塗りたる墓(1970)〈高橋和巳〉一「テレビも時にはハプニングが起こらなきゃ面白くないや」
② 芸術様式の一つ。演劇、美術、音楽など多くの分野で用いられ、芸術を創る側と、鑑賞者との間の偶発事を演出し、鑑賞者を芸術活動の中にまき込もうとするもの。

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

ハプニング」の用語解説はコトバンクが提供しています。

ハプニングの関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation