●ハンザ同盟【ハンザどうめい】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
ハンザ同盟
ハンザどうめい
Der Hansabund; Die Deutsche Hanse
出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
デジタル大辞泉
ハンザ‐どうめい【ハンザ同盟】
出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
世界大百科事典 第2版
ハンザどうめい【ハンザ同盟 Hanse】
出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.
日本大百科全書(ニッポニカ)
ハンザ同盟
はんざどうめい
中世の北欧商業圏の覇権を握った北ドイツ中心の都市同盟。ハンザ同盟とは俗称で、正式名称はドイツ・ハンザDeutsche Hanse (Hansa)。ハンザHanseの語の原義は「集団」を意味し、外地における商業権益を守るため団結した貿易商人の組合をさすことばとして使われた。
[平城照介]
商人ハンザ
ロンドンには、すでに11世紀中葉、ケルンの商人が組合の集合所をもっており、12世紀中葉にはハンブルクの商人、リューベックの商人も組合結成を認められ、これら本国都市ごとの組合が合体して、ロンドンにおけるドイツ人ハンザが形成された。この種の商人ハンザの拠点はロンドンに限られなかった。リューベックの建設(1158)に始まる東ドイツ植民運動の進展の結果、バルト海沿岸に多数の商業都市が建設され、バルト海を中心に北欧商業圏が形成されたが、それに伴い、ノブゴロド、ベルゲン、ブリュージュなどにも、商人ハンザの重要拠点が設けられ、ハンザ商館Kontorとよばれた。
最初北欧商業圏の指導権を握ったのは、ゴトランド島のビスビーを拠点に活躍したゴトランド商人であったが、13世紀末よりリューベックの商人がその地位を奪い、後のハンザ同盟の盟主となる地歩を築いた。
[平城照介]
都市ハンザ
都市ハンザ、つまりハンザ商人たちの本国都市間の同盟としてのハンザ同盟は、この商人ハンザから生まれた。すでに13世紀中葉より、いくつかの都市間に個別的同盟が結ばれる事態が認められたが、1356~58年、ブリュージュの商館を拠点とするハンザ商人と、フランドル地方の在地商人との争いが激化し、ハンザ商人が本国都市に援助を求めてきた事件を契機に、リューベックの提唱によるハンザ諸都市の会議が開かれて(ハンザ総会の起源)、「ドイツ・ハンザの諸都市」の名のもとに対フランドル経済封鎖が宣言され、1366年には、外地における商業特権の享受がドイツ・ハンザ加盟都市の市民に限られることが確認されて、ドイツ・ハンザの都市同盟としての性格が明確となった。
[平城照介]
同盟形態
ハンザ同盟内の結合は比較的緩く、加盟都市の代表で構成されるハンザ総会で重要な決定がなされ、また、のちになると加盟都市の分担金の制度がつくられたが、成文化された同盟規約も、恒常的執行機関も存在せず、加盟都市の公式リストさえ一度も作成されなかったので、加盟都市の範囲すらさだかでない。同盟の中核となったのは約70の都市であり、ほかに130ほどの都市が緩い形でこれに加わっていたといわれる。都市以外にドイツ騎士団も加盟していた。
[平城照介]
消滅
中世末・近世初頭、イギリスはじめ強力化し始めた国民国家が、重商主義的政策をとり始め、とくにオランダの商業資本がバルト海貿易に進出し、指導権を奪った結果、ハンザ同盟は急速に衰退し、加盟都市も激減した。1669年の最後のハンザ総会に出席したのは、リューベック、ハンブルク、ブレーメンのほかは、わずかに三都市(ケルン、ブラウンシュワイク、ダンツィヒ)を数えるにすぎなかった。リューベック、ハンブルクおよびブレーメンは、すでに1630年以降緊密な相互援助同盟を結成しており、ハンザ同盟消滅後も、19世紀に至るまで、ハンザ都市の伝統を維持し続けた。第二次世界大戦後の「ドイツ連邦共和国」(旧西ドイツ)においても、ハンブルクとブレーメンの二都市は、他の七州(ラント)と同格の連邦構成員となっている。
[平城照介]
『増田四郎著『独逸中世史の研究』(1951・勁草書房)』▽『高村象平著『西欧中世都市の研究Ⅱ ハンザの経済史的研究』(1980・筑摩書房)』▽『高橋理著『ハンザ同盟』(1980・教育社)』
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
精選版 日本国語大辞典
ハンザ‐どうめい【ハンザ同盟】
出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
旺文社世界史事典 三訂版
ハンザ同盟
ハンザどうめい
Deutsche Hansa
ハンザとは「商人の仲間」の意。盟主となるリューベックとハンブルクとの防衛同盟の結成に始まり,13世紀末にはロンドンを中心に活躍していた北ドイツ商人のドイツ−ハンザに発展。14世紀半ばごろ,外地の商人ハンザと本国都市相互間のハンザとを結合した同盟組織が確立し,最盛期には加盟都市100余を数え,ケルン・ブレーメン・ベルリン・ダンツィヒなどが中心となった。重要商業根拠地に在外商館を置き,共同の陸海軍を備えた。その活動範囲は,ウラル山脈から大西洋に至るヨーロッパ大陸の北半におよび,独占的商権を確立した。しかし15世紀以後は,南ドイツやイギリス商人の進出,さらに絶対主義国家の発展に押されて衰退し,三十年戦争後の17世紀後半には実質的に解消した。
出典:旺文社世界史事典 三訂版
執筆者一覧(50音順)
小豆畑和之 石井栄二 今泉博 仮屋園巌 津野田興一 三木健詞
Copyright Obunsha Co.,Ltd. All Rights Reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
「ハンザ同盟」の用語解説はコトバンクが提供しています。
●ハンザ同盟の関連情報