●ハンスリック
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
ハンスリック
Hanslick, Eduard
[没]1904.8.6. ウィーン近郊バーデン
ドイツの音楽美学者。哲学と法律を学び,1849年ウィーンで博士号を取得。 46年より『ウィーン新聞』をはじめ主要各紙に美学的立場に基づく批評を書き,ワーグナーを批判し,ブラームスを擁護して音楽界に論争を巻起した。 56~95年ウィーン大学教授。主著『音楽美について』 Vom Musikalish-Schönen (1854) 。
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世界大百科事典 第2版
ハンスリック【Eduard Hanslick】
オーストリアの音楽美学者,音楽批評家。自律的音楽美学の主唱者。はじめウィーン大学で法律を学び官吏となる。1854年主著《音楽美論》を発表,56年よりウィーン大学で講じ,70‐95年正教授。《音楽美論》は,感情を音楽の内容とする説を否定,音楽の独自性を形式に見いだし,〈音楽の内容とは鳴り響きつつ動く形式〉と述べた。音楽そのものに美を求める〈自律的音楽美学〉の主張であったが,R.ワーグナーとその支持者たちの反論を買い,一大論争に展開した。
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日本大百科全書(ニッポニカ)
ハンスリック
はんすりっく
Eduard Hanslick
(1825―1904)
オーストリアの音楽美学者、批評家。プラハ生まれ。プラハ大学、ウィーン大学で法律を学ぶかたわら、哲学者ツィンマーマンや音楽史学者アンブロースらとの交際を通じて批評精神を養った。しかし彼は、17世紀以前の音楽を否定し、モーツァルト以後、とくにベートーベン、シューマン、ブラームスを高く評価するという偏向をもっていた。同時代者のなかでもリスト、ワーグナーを批判する彼の音楽観は、器楽の場合は旋律を、声楽では歌詞を重要視するものであったため、絶対音楽、標題音楽、音楽形式論をめぐってハウゼッガーやアンブロースと対立することになった。著作では、評論や回想録が当時の音楽界の状況を再構成するものとして今日では評価されており、『音楽美論』(1854)は音楽美学の古典的名著として知られる。
[山口 修]
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精選版 日本国語大辞典
ハンスリック
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