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ハンチントン

デジタル大辞泉

ハンチントン(Huntington)
米国ウエストバージニア州西部の都市。州都チャールストンの西約70キロメートルに位置する。オハイオ川に面する河港をもち、1871年にチェサピークオハイオ鉄道の終点となった。周辺で産する石炭・石油・天然ガスの集散地として発展。マーシャル大学が所在

出典:小学館
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日本大百科全書(ニッポニカ)

ハンチントン
はんちんとん
Samuel P. Huntington
(1927―2008)

アメリカの国際政治学者、ハーバード大学政治学部教授。ニューヨークに生まれる。1946年エール大学で学士号、1948年シカゴ大学で修士号を取得。1950年よりハーバード大学で教鞭をとり、1951年同大学で博士号を取得する。1959~1962年コロンビア大学の「戦争と平和研究所」の副所長を経て、1962年ハーバード大学に戻り、同大学政治学部長などを務める。1977~1978年国家安全保障会議の安全保障政策担当コーディネーター、1989年よりハーバード大学の「ジョン・オリン戦略研究所」所長。1993年に『フォーリン・アフェアーズ』誌で「文明の衝突」The Clash of Civilizations?という国際政治理論に関する論文を発表し、注目を浴びた。

 主著『文明の衝突』The Clash of Civilizations and the Remaking of World Order(1996)においてハンチントンは、冷戦後の国際社会がグローバルな一体化へと進むという当時の一般的な見方に対して、国際社会はいくつかの文明圏に分裂しそれらの対立・衝突によって世界秩序がつくられていくという見方を示した。彼の理論は、その後のコソボ紛争や東チモール紛争、あるいは2000年の南北朝鮮首脳会談の実現などでも予見性の高さを示した。とりわけ2001年9月11日に起こったアメリカ同時多発テロ事件は、「西欧文明と非西欧文明の対立」という「文明の衝突」のシナリオがにわかに現実味を帯びてきた事件であり、膨大な実証データに裏づけられた彼の理論が今日でも通じることを証明した。

 ハンチントンの説に従えば、1980年代末の共産主義世界の崩壊後、さまざまな民族におけるもっとも重要な違いは、イデオロギーではなく文明の違いとなった。冷戦後の世界は、冷戦時代の三つのブロックではなく、中国、日本、インド、イスラム、西欧、東方正教会、ラテンアメリカの七つ(もしくはアフリカ文明を加えて八つ)の文明に分けられる。新しい世界においては超大国どうしの抗争にとってかわって、「文明の衝突」が起こるようになるという。同じ文明に属する国家やグループは力を合わせて「同類国」を支援しようとする。そのため、文明の異なる国家やグループのあいだで暴力闘争がひとたび起こると、それはエスカレートしかねず、きわめて危険であるという。逆にイデオロギーによって引き裂かれていた文化的に一体感をもつ人々が連帯し、統一へと向かうことになる。

 冷戦終結以降もっとも強力な文明であるアメリカを中心とした西欧文明は、彼によれば他の文明に対する力が相対的に衰えつつある。中国文明やイスラム文明は経済力や軍事力を強化し、西欧に対抗している。このように冷戦後の世界は、西欧文明と非西欧文明の相互作用が中軸となっていくという。

 彼によれば来たるべき時代の平和は、世界の主要文明の政治的・精神的指導者たちの理解と協力いかんにかかっている。世界平和にとって、「文明の衝突」こそが最大の脅威であり、文明にもとづいた国際秩序こそが世界戦争を防ぐ安全装置なのである、とハンチントンは主張している。

[瀬嶋貞徳]

『鈴木主税訳『文明の衝突』(1998・集英社)』『ハンチントン著、山本瑛子訳『引き裂かれる世界』(2002・ダイヤモンド社)』『ハンチントン著、市川良一訳『ハンチントン 軍人と国家』上下(2008・原書房)』『ハンチントン著、鈴木主税訳『文明の衝突と21世紀の日本』(集英社新書)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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