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バクティ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

バクティ
bhakti
中世ヒンドゥー教を代表する仰形態の一つ。神に対する敬愛による絶対的,献身的な拝礼,信仰を特徴とする。神の名を一心に称えることによってのみ解脱を得ることができるとする教えは,11世紀頃から,まず南インドで興り,北インドにまで及ぶが,これらを総称してバクティ派といい,その信仰者をバクタと呼ぶ。その初期の代表者はラーマーヌジャで,南インドのビシュヌ派の系統をひきその信者はシュリー・バイシュナバ派と呼ばれた。南インドに興ったバクティ信仰はベンガル地方に広がり,12世紀にはジャヤデーバが『ギータ・ゴービンダ』を著わし,クリシュナ=ラーダー崇拝を広めた。その後,この派には有名なチャイタニヤが出現し,神に対する愛を歌った賛歌によって多くの信者を獲得した。このクリシュナ=ラーダー信仰に対して,北インドを中心として広まったのがラーマーナンダによって始められたラーマ崇拝である。彼のあと,北インドには有名なカビールが現れて,イスラムとヒンドゥー教の神をあわせて同時に崇拝する特異な信仰形態を発展させた。彼の教団はカビール・パントと呼ばれた。この系統にはのちに『ラームチャリットマーナス』の著者として有名なトゥルシーダースが出た。これらのバクティ諸派とともに,特徴ある宗派をなしているのがマハラシュトラ・バクティ派で,マラータの土着神ビトーバーに対する絶対的愛と献身を特色とし,ジュニャーナデーバをはじめとして,エークナートトゥカーラーム,ラームダースなどの聖者を生んだ。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉プラス

バクティ
フランスの振付家モーリス・ベジャールによるバレエ(1968)。原題《Bhakti》。初演は20世紀バレエ団。神々に扮したダンサーがインドの伝統音楽に合わせて踊る作品。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

バクティ【bhakti[サンスクリツト]】
インドの宗教,とくにヒンドゥー教における重要概念。これは,最高の人格神に,肉親に対するような愛の情感を込めながらも絶対的に帰依することであり,ふつう〈信愛〉と訳されている。ベーダの祭式は,王侯や司祭階級バラモンたちの独占するところであり,またウパニシャッドに説かれる自己と宇宙に関する深遠な洞察は,知的エリートにのみ可能であった。バクティの概念を前面に打ち出したのは《バガバッドギーター》が最初であるが,ここにようやく,ベーダ以来の正統的宗教が一般民衆に開かれたものになり,ヒンドゥー教が急速に発展する基盤が形成されたのである。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

バクティ
ばくてぃ
bhakti

ヒンドゥー教を著しく特色づける信心の形態で、信愛とか絶対的帰依(きえ)などと訳されている。仏教などの信心と異なり、このバクティは、食事を分かち合う(バジュ)夫婦・肉親同士の無条件な愛をその起源としている。神にバクティを捧(ささ)げ、その恩寵(おんちょう)を受けて解脱(げだつ)に至るとする考えが最初に明確に説かれたのは、『バガバッド・ギーター』においてである。しかし、ここでは、バクティは解脱に至る三つの道のうちの一つにすぎなかった。バクティを中心に据えてそれを歌い上げたのは、ビシュヌ派のプラーナ聖典『バーガバタ・プラーナ』である。ここで歌われたバクティは、主として南インドで歓迎され、アールワールとよばれるビシュヌ派の一群の吟遊詩人たちの熱烈な歌と行動によって急速に広められ、ついには、12世紀の学匠ラーマーヌジャの手によって、その哲学、実践体系の頂点に置かれるようになった。しかしそれはまた、バラモンのような上級カーストにしか望めないものでもあったため、その後、改革運動が起こり、真に民衆のレベルでのバクティが確立された。このバクティ運動がラーマーナンダによって北インドに伝えられるや、爆発的な流行をよんだ。北インドでは、大別して、カビールのように、無属性(無形象)の神にバクティを捧げる流派と、スールダースなどのように、有属性の神にバクティを捧げる流派に分かれる。クリシュナ崇拝の大流行は後者に属する。

[宮元啓一]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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