@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

バラモン教【バラモンきょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

バラモン教
バラモンきょう
Brahmanism
インド古代の宗教バラモンが司祭し指導したためヨーロッパ人が便宜的につけた名称。仏教興起以前のヒンドゥー教をいい,そのうちの最古の段階を「ベーダの宗教」ということもある。アーリア人がインダス川上流地方に侵入し,先住民を征服してこの地方に定住,発展する間に次第に形成された信仰。彼らは自然現象を神々として畏敬し,供犠によって神を祭ることで災厄を免れ,幸福がもたらされると信じた。この祭りを司るバラモンが最高の階級で,王族 (クシャトリヤ) を第2,農工商人 (バイシャ) を第3,被征服民の奴隷 (シュードラ) を最下位とするカーストをつくり上げた。やがてガンジス川上・中流へ広がっていく間に,この祭祀中心主義への反省批判が起り,自然現象の背後にあって現象を動かす原理としての (ブラフマン) と,自己の内奥にある純粋無垢の我 (アートマン) とが融合する梵我一如の境地を追求する思想が出現。ここから祭祀にとらわれない自由思想家群が現れ,このなかからブッダやマハービーラが出て,仏教やジャイナ教を説いた。他方,一般の人々に対しては現象を動かす原理である梵を神とし,この神ブラフマーを唯一最高神とする信仰を説くこととなり,このような最高神として,ほかにシバ神やビシュヌ神崇拝が出現しのちのヒンドゥー教となった。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

バラモン‐きょう〔‐ケウ〕【バラモン教】
古代インドで、バラモン階級を中心として行われた民族宗教ベーダ聖典を根本として複雑な祭式規定を発達させた。インドの哲学観念や社会制度の強固な基盤となった。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

バラモンきょう【バラモン教】
ヒンドゥー教前身で,しかもその核となっている宗教,社会思想。〈バラモン教Brahmanism〉という語は近代になってからの英語の造語であるが,これに最も近い意味をもつサンスクリットは,おそらく〈バイディカvaidika〉(ベーダに由来するものごと)である。つまり,バラモン教とはベーダの宗教であるといってさしつかえない。 バラモン教は,《リグ・ベーダ》《サーマ・ベーダ》《ヤジュル・ベーダ》《アタルバ・ベーダ》の4ベーダ,およびそれに付随するブラーフマナ,アーラニヤカ,ウパニシャッドを天啓聖典(シュルティ)とみなし,それを絶対の権威として仰ぐ。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

日本大百科全書(ニッポニカ)

バラモン教
ばらもんきょう

古代インドにおいて、仏教興起以前に、バラモン階級を中心に、ベーダ聖典に基づいて発達した、特定の開祖をもたない宗教。およそ紀元前3世紀ころから、バラモン教がインド土着の諸要素を吸収して大きく変貌(へんぼう)して成立してくるいわゆるヒンドゥー教と区別するために西洋の学者が与えた呼称で、ブラフマニズムBrahmanismと称する。バラモン教(婆羅門教)はその邦訳語。バラモン教はヒンドゥー教の基盤をなしており、広義にヒンドゥー教という場合にはバラモン教をも含んでいる。前1500年ころを中心に、インド・アーリア人がアフガニスタンからヒンドゥー・クシ山脈を越えてインダス川流域のパンジャーブ(五河)地方に進入し、さらに東進して肥沃(ひよく)なドアープ地方を中心にバラモン文化を確立し、バラモン階級を頂点とする四階級からなる四姓制度(バルナvara)を発達させた。彼らはインドに進入する際、それ以前から長い間にわたって保持してきた宗教をインドにもちきたり、それを発展させ、進入時からおよそ前500年ころまでの間に、『リグ・ベーダ』をはじめ、ブラーフマナ、アーラニヤカ、ウパニシャッドを含む膨大な根本聖典ベーダを編纂(へんさん)した。

 その内容は複雑多様であるが、彼らが進入以前から抱いていた自然神崇拝、宗教儀礼、呪術(じゅじゅつ)から高度な哲学的思弁までも包摂している。その宗教の本質は多神教であるが、『リグ・ベーダ』に端を発する宇宙の唯一の根本原理の探求はウパニシャッドにおいてその頂点に達し、宇宙の唯一の根本原理としてブラフマン(梵(ぼん))が、個人存在の本体としてアートマン(我(が))が想定され、ついには両者はまったく同一であるとする梵我一如の思想が表明されるに至った。またウパニシャッドで確立された業(ごう)・輪廻(りんね)・解脱(げだつ)の思想は、インドの思想・文化の中核となったばかりか、仏教とともにアジア諸民族に深く広い影響を与えている。ベーダの神々のなかには、帝釈天(たいしゃくてん)や弁才天のように日本で崇拝されているものもある。

[前田専學]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

旺文社世界史事典 三訂版

バラモン教
バラモンきょう
Brahmanism
古代インドの『ヴェーダ』にもとづく,バラモンを中心とした宗教・哲学
『リグ−ヴェーダ』などを根本聖典として絶対視し,バラモン階級だけが独占する複雑な祭式と祈禱を行い,戒律を重んじる自然的多神教である。アーリア人によるものであるが,のちインド先住民の信仰・習俗などと融合してヒンドゥー教として発展。思想面ではウパニシャッド哲学や六派哲学を生んだ。

出典:旺文社世界史事典 三訂版
執筆者一覧(50音順)
小豆畑和之 石井栄二 今泉博 仮屋園巌 津野田興一 三木健詞
 
Copyright Obunsha Co.,Ltd. All Rights Reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

バラモン教」の用語解説はコトバンクが提供しています。

バラモン教の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation