@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

パピルス

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

パピルス
papyrus
(1) カミガヤツリ (紙蚊帳吊)のこと。かつてナイル川下流域に繁茂していたカヤツリグサ科スゲ属の植物。がマット,容器サンダル小舟,建築材料として利用された。 (2) 古代エジプト人が (1) を材料としてつくった。ヨーロッパ諸語の「紙」の語源。 (3) (2) に記された古文献古代エジプト語コプト語アラム語ギリシア語,ラテン語,アラビア語など多岐にわたるが,内容は行政文書,商業文書,宗教文書,文学書簡など。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

パピルス(〈ラテン〉papyrus)
カミガヤツリ別名
古代エジプトで、1の茎の繊維でつくった一種の紙。書写材料に用いられ、その使用は紀元前2000年ころから紀元後数世紀に及んだ。文書は、ヒエログリフコプト文字などの古代文字を残した。紙を意味する、英語paper(ペーパー)やフランス語papier(パピエ)はこの語に由来する。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

パピルス【papyrus】
温室に栽植されるカヤツリグサ科の大型の水草で,古代エジプトでこれを使って世界最古の紙が作られた(イラスト)。カミガヤツリともいう。太い根茎に沿って,高さ2mにも達する茎が立ち並び,葉はすべて無葉身の(さや)に退化して,茎の根元にある。直径40cmにもなる大型の花序には,細長い枝が無数にのようにつき,その先に,薄茶色の小穂が少数個つく。北アフリカや中部アフリカの沼や河畔に大群落をつくって生える。古代エジプトではナイル川流域のパピルスの茎を採り,皮をはいで白い髄を細く裂き,その維管束を縦横に並べて重しをかけて乾燥し,さらにこすって滑らかにしたパピルス紙を作り,当時の地中海地方の唯一の筆写材料とした。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

日本大百科全書(ニッポニカ)

パピルス
ぱぴるす
papyrus

パピルス草(学名Cyperus papyrus L.、和名はカミガヤツリ)からつくられた一種の紙。古代エジプトでナイル河畔に茂っていたこの草からつくられ、各種の文書の作成に利用された。近代の考古学的発掘によって『死者の書』などが記された多数のパピルス文書がみいだされ、カイロ、ロンドン、パリなどの博物館、大学などに保存されている。書字材料としてのパピルスの使用は、紀元前2000年ころから紀元後数世紀に及び、使用文字もエジプトのヒエログリフ文字(各種の書体を含む)、コプト文字、ギリシア文字から、初期アラビア文字、ラテン文字などに及んでいる。

 パピルスの製法についてはローマの著述家プリニウスが『博物誌』で述べている。それによると、まず茎を針で裂き、薄く幅の広いものとし、これをナイルの水に浸し、糊(のり)を加える。次に板にこれを並べて一つの層をつくる。それから同じものをこれと直角に並べ、これに力を加えてから日なたで乾かす。これらをつなげて巻物とし、最後に槌(つち)でたたいて表面を平らにしたという。しかしこれだけが製法のすべてであったわけではなく、特別の糊を使ったり、表面を磨くために象牙(ぞうげ)や貝でつくった道具を使ったりしたらしい。近年になってエジプトで少なくなったパピルス草を育成し、パピルスを復原製作することが行われている。

 パピルスは古代エジプトで大量につくられ、紀元前後には南ヨーロッパにも輸出されたが、イスラム勢力の登場で、東方伝来の紙の製法が導入されるとともにその使用は廃れた。しかしパピルス草の栽培はシチリア島に伝えられ、今日でもわずかながらつくられている。なおヘロドトスらによると、パピルス草の根元の部分は食用にされたほか、パピルスで船の帆、綱、その他の日常用品がつくられたが、これらで現存するものは少ない。

[矢島文夫]

『大沢忍著『パピルスの秘密』(1978・みすず書房)』『リチャード・パーキンソン、スティーヴン・クワーク著、近藤二郎訳『パピルス(大英博物館双書)』(1999・学芸書林)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

図書館情報学用語辞典 第5版

パピルス
古代エジプトで量産され,エジプトおよびギリシャ,ローマ圏において主流であった記録媒体,またその原材料となった植物の名.葦に似るパピルス草(カミガヤツリ)は,当時ナイル川下流部の水辺湿地に繁茂し,また栽培され,種々の日用品の材料になった.記録媒体としてのパピルスは,この草の茎の髄をリボン状に割いて貼り並べ,圧搾し,乾燥させて作った.筆記には葦ペンとインクを用いた.通常は数十cm角のシートを帯状に継ぎ合わせ,巻子本とした.折り曲げると弱いため,冊子体は例が少ない.4世紀頃から,高価だがより強靱な獣皮紙に交代し,紙のヨーロッパへの伝来とともにその役割を終えた.

出典:図書館情報学用語辞典 第4版
©All Rights Reserved, Copyright Nihon Toshokan Joho Gakkai, 2013 編者:日本図書館情報学会用語辞典編集委員会 編
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

パピルス
〘名〙 (papyrus)
① カヤツリグサ科の多年草。ヨーロッパ南部・熱帯アフリカ・北アフリカ・中近東の湿地に野生し、日本へは明治二八年(一八九五)に渡来した。観葉植物として温室で栽培される。稈は太く三稜形で、高さ二メートル内外になる。葉は退化して鞘となる。頂部に細長い線形葉状の総苞を三~一〇個傘状に群生する。小穂は淡栗色で多数密生する。花期は秋。三、四千年以前ナイル河畔に生い茂っていたと伝えられ、稈を圧搾して丈夫な繊維をとり、紙を製した。かみがやつり。紙葦(かみい)
② 古代エジプトで使用された書写材料。①の髄の細長い薄片を縦横にあわせ、圧搾し日光で乾燥させたもの。今の紙に当るものとして、字や絵を書くのに用いた。パピルス紙。
※零の発見(1939)〈吉田洋一〉二三「紙の沿革を語るとき、人は必ずパピルスと獣皮紙とに言及するを常とする」

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

旺文社世界史事典 三訂版

パピルス
papyrus
ナイル川河畔に繁茂するパピルス草(カヤツリグサ)の茎でつくられた古代エジプトの紙の一種
パピルス文書は前2500年ごろからすでに知られ,ヘレニズム時代までエジプトだけでなく西アジアや地中海沿岸各地で盛んに使用された。古いエジプト語のパピルス文書の多くはピラミッドなどから出土した。現在,パピルス文書とは,主としてギリシア語・ラテン語の文書をさし,前4世紀末から約1000年間,エジプトでおもにギリシア・ローマ人により記録された貴重な文献である。

出典:旺文社世界史事典 三訂版
執筆者一覧(50音順)
小豆畑和之 石井栄二 今泉博 仮屋園巌 津野田興一 三木健詞
 
Copyright Obunsha Co.,Ltd. All Rights Reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

パピルス」の用語解説はコトバンクが提供しています。

パピルスの関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation