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パラケルスス

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

パラケルスス
Paracelsus
[生]1493.11.10/14. アインジーデルン
[没]1541.9.24. ザルツブルク
スイスの錬金術者,医師。本名 Philippus Aureolus Theophrastus Bombastus von Hohenheim。ローマ名医 A.ケルススに匹敵する意で,パラケルススを名のった。医化学といわれる。各地を放浪して学び,伝統にとらわれない研究方法を進めた。彼の理論は多分に錬金術的,占星術的であったが,病因を体液の不調和とみなしたそれまでの考え方に対し,局所的に病変が起こり,それが体液の循環を阻害するといった新しい病理観をもった。 1527年,バーゼル大学医学を講じたが,疾病治療に関する彼独自の理論や方法を展開して伝統を無視したために反対者の攻撃を受け,翌年教職を追われた。主著『大外科学』 Die grosse Wundartzney (1536) 。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

パラケルスス(Philippus Aureolus Paracelsus)
[1493~1541]スイスの医学者・化学者。錬金術・医学を学び、欧州各国を遍歴ラテン語に代えてドイツ語で講義するなど、古典医学を批判して追放された。また医薬水銀などの金属化合物を用い、医化学の祖とよばれる。「パラミルム」など膨大な著作を残す。

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

パラケルスス【Paracelsus】
1493か94‐1541
ルネサンス期ドイツの革命的な錬金術師的医化学者にして哲学者。本名,Theophrastus Philippus Aureolus Bombastus von Hohenheim。スイスのアインジーデルンに,そこの修道院直属の隷民を母として生まれた。長いいかめしい本名をもつ彼は,シュワーベンの誇り高き騎士団所属ボンバストゥス家出身の医師ウィルヘルム・フォン・ホーエンハイムを父とし,幼時はおもにこの父から鉱物学,植物学,自然哲学を教わった。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

パラケルスス【Paracelsus】
1493~1541 スイスの医学者・化学者。中世を支配したガレノスの医学を批判し、医療に化学を導入。鉱物性の医薬を用い、化学療法の祖といわれる。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

パラケルスス
ぱらけるすす
Paracelsus
(1493/1494―1541)
スイスの医学者、化学者。アインジーデルンに生まれる。本名はフィリップス・アウレオールス・ボンバストゥス・フォン・ホーエンハイムPhilippus Aureolus Bombastus von Hohenheimといい、パラケルススは通称。オーストリアのケルンテン州フィラッハを第二の故郷とし、ルネサンスを代表する医師として、その波乱に富んだ生涯をザルツブルクで終えている。
 イタリアのフェッラーラ大学で医学を学んでから、西ヨーロッパや東ヨーロッパを経ておそらく近東にまで及ぶ第一次大遍歴において多くを学んだ彼は、1525年ザルツブルクに定住せんとして果たさず、1527年バーゼル市に招かれて同市の市医兼大学教授となる。
 しかし生来の戦闘的性格とその学問的信念とにより、伝統的医学への反逆を試みた彼は、バーゼル市を敵に回すことになり、結局1528年同市を退去し、以来その没年まで安住の地を得ることなく、第二次遍歴時代に入る。バーゼル時代、医学の伝統であったラテン語を捨ててドイツ語で講義し、また中世以来の医学の権威書を火中に投ずるなどの行動が、宗教改革者ルターに似ていたこともあって「医学のルター」ともよばれた。生涯の大半を遍歴に過ごさざるをえなかったパラケルススが、莫大(ばくだい)な量に上る医学的、哲学的、神学的著作を残したことは驚嘆に値する。彼の死後、フーゼルJohannes Huser(1545―1597/1604)による10巻の医学書(1589~1591)が発行され、パラケルスス派と称する人々がその師の学説を述べたが、ベルギーのファン・ヘルモントに真の後継者をみることができる。ゲーテもパラケルススの著作を研究している。
 しかし、毀誉褒貶(きよほうへん)の多かった彼の声価が定着したのは20世紀に入ってからである。医学史家ズートホフKarl Sudhoff(1853―1938)により14巻の医学、哲学書が編集刊行され(1922~1933)、さらに神学関係原稿は1955年以来ゴールトアンマーKurt Goldammer(1916―1997)によって編集され、刊行が始まったが、結局、完結しなかった。
 莫大な作品のなかから代表的なものをあげると、まずいわゆる「パラ三部作」がある。『ボルーメン・パラミールム』(1520年ころ)には疾病の五つの病因、五つの治療法が述べられ、『パラグラーヌム』(1530)では医学を支える4本の柱として、哲学、天文学、錬金術、徳の4項目が論じられ、さらに『オープス・パラミールム』(1531)では有名な三原質、すなわち硫黄(いおう)、水銀、塩の概念が展開されている。錬金術思想のエッセンスは『アルキドクシス』(1526)にもみられる。
 当時、新大陸から「輸入」された「フランス病」(梅毒)に関する一連の著作(1528~1529)、精神医学の先駆的著書『理性を奪う病』(1525~1526)、『癲癇(てんかん)』(1530~1531)、『眼(め)に見えぬ病』(1531)など、また産業医学的見地から『鉱夫病』(1533)なども無視できない。外科医としての著作『大外科学』(1536)はすでに発表当時から成功を収めたし、彼の根本思想である大宇宙(マクロコスモス)と小宇宙(ミクロコスモス)に関する哲学は『大天文学(アストロノミア・マグナ)または明敏なる哲学(フイロソフイア・サガクス)』(1537~1538)の未完の大著にみられる。「ケルンテン三部作」(1538)として知られる晩年の作品には、自己の立場を弁護した『七つの弁明』、彼の医師としての、キリスト者としての天職を集大成した『医師の迷宮について』がある。
 彼独特の新しい術語と文体は現代のわれわれにはかなり難解であるが、医学書、錬金術書のほかにも、莫大な神学的原稿が残されており、福音(ふくいん)書や詩編の詳しい注解や説教などがあって、これらの全貌(ぜんぼう)はなお今後の探求にまたねばならない。
 彼の遺骨はザルツブルクの聖セバスチアン教会に葬られており、「国際パラケルスス学会」が毎年同市において開催され、研究発表が行われている。[大橋博司]
『パラケルスス著、大槻真一郎訳『奇蹟の医書』(1980・工作舎) ▽パラケルスス著、J・ヤコビ編、大橋博司訳『自然の光』(1984・人文書院) ▽大橋博司著『パラケルススの生涯と思想』(1976・思索社) ▽種村季弘著『パラケルススの世界』(1977・青土社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

パラケルスス
(Aureolus Theophratos Paracelsus アウレオルス=テオフラトス━) スイスの医学者、化学者。錬金術の研究から金属化合物を初めて内服薬として採用。医化学の祖とされる。(一四九三‐一五四一

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化学辞典 第2版

パラケルスス
パラケルスス
Paracelsus, Theophrastus Philippus Aureolus Bombastus von Hohenheim

スイスとドイツで活躍した医師,錬金術師(化学者,当時,両者の区別はない).生年月日については一説には1493年12月17日.Paracelsusは自称・通称.スイスのアインジーデルンに生まれる.フェラーラ大学で医学を修めたとされるが確証はない.一時,バーゼル大学の医学部教授の地位に就くが,人生の大半を放浪に費やす.医師として生命について論じ,本来,物質変換の術であった錬金術を医薬精製に適用した.化学史的には,中世的な物質理論を否定し,錬金術思想に端を発する“硫黄・水銀・塩”説を自然界全域の構成素にまで拡張して,従来の四元素説(火,空気,水,土)との融合をはかったことが注目に値する.この三つの実体は現代の化学物質とは異なり,おのおの燃焼・流動・固体化を特徴とする原理とされ,これらに異変が起こったときに人間は病気におちいるとされた.同時に,かれの思想の根底にはキリスト教体系にもとづく独自の大宇宙と小宇宙の類比があり,人間の疾患や健康は天体からの影響に大きく左右されるものとみなした.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)

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