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パントマイム

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

パントマイム
pantomime
ことばを用いず,身ぶり,表情によって表現する芸能。黙劇無言劇ともいう。古代ギリシア語の pantōs (すべて) と mimos (物まね) の合成語の pantomimos語源。前 22年頃のローマで音楽を伴奏として,仮面を用いた1人の演技者によるパントミムスが完成された。中世に一度姿を消したが,この伝統はコメディア・デラルテなどを通じて全ヨーロッパに伝わった。 17世紀のヨーロッパで,神話を題材とする仮面舞踊劇 (バレエ) が,ローマの例にならいこの名で呼ばれた。 18世紀のイギリスではジョゼフ・グリマルディクラウン (道化) の芸とイタリア即興劇とを結びつけてイギリス・パントマイムを完成し,19世紀のフランスではジャンバティスト・ガスパール・ドビュローがその詩的で繊細なピエロ役で人気を集めた。その後エチエンヌ・ドクルー,ジャン=ルイ・バロー,マルセル・マルソーらがその伝統を再興した。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

パントマイム(pantomime)
言葉を使わず、身ぶりや表情だけで表現する演劇。また、その演技。無言劇。黙劇。マイム。

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

パントマイム【pantomime】
演者が声を用いず,身体の動きや顔の表情のみを表現手段とする芸能。単に〈マイムmime〉ともいい,〈黙劇〉〈無言劇〉などの訳語・用語も用いられる。
[パントマイム前史]
 pantomimeという言葉は,その語源をさかのぼれば,古代ギリシア語のpantōs(すべて(に))とmimos(ものまね)の合成語pantomimosであり,この言葉自体は古代ギリシアの多くの文献に見ることができる。しかし,このような〈ものまね〉あるいは〈呪術的模倣所作〉とでも称すべきものは,周知のように,演劇一般の〈始源的形態〉にほぼ共通して見ることができる重要な一構成要素であり,そのようなものの一種として,古代ギリシアにおいては先のmimos(あるいはpantomimos)という言葉で表現される〈ものまね〉を中心とした座興的な雑芸(これを演劇史で〈ミモス劇〉などとも呼ぶ)が行われていたことは事実であるにせよ,それが今日のパントマイムに通じる一つの独立した芸能ジャンルであったとは言いがたく,演劇史では,ふつうパントマイムの起源を,古代ローマのパントミムスpantomimusに求めることが行われている。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

パントマイム【pantomime】
台詞せりふを用いず、身振りや表情だけで演ずる劇。また、その演技。ギリシャ・ローマ劇の頃からみられ、一六世紀イタリアのコメディアデラルテを経て今日まで継承されている。無言劇。黙劇。ミーム。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

パントマイム
ぱんとまいむ
pantomime
黙劇、無言劇。ことばを用いず身ぶりや表情によって表現する芸能、およびその技術、台本、俳優、上演などをさす。単にマイムmimeとよばれることもある。ギリシア語のパントス(すべて)とミモス(物真似(まね)を中心とした雑芸)の合成語パントミモスが語源。古くは紀元前5世紀の詩人ソプロンの発明とも、名優テレテスが手の指と舞踊のみによる表現を完成したともいわれ、前4世紀のクセノフォンの『饗宴(きょうえん)』にこの語がみえるが、芸能として独立するのはローマ時代である。歌手の歌にあわせて踊り手が身ぶりのみを演じる舞踊劇サルティカ・ファブラの物真似の要素が強調され、前2世紀ごろピュラデスによって完成されて、レダと白鳥を1人で演じ分けたバテュルスや、皇帝に寵愛(ちょうあい)されて妃となったテオドラなどの名優が輩出して一世を風靡(ふうび)した。
 ローマ帝国の解体とともにパントマイムは中世の雑芸に吸収され、16世紀のコメディア・デラルテや道化の芸に受け継がれ、17、18世紀には仮面をつけ古代神話に取材した宮廷舞踊やバレエがこの名でよばれた。19世紀に入るとイギリスではグリマルディ父子の喜劇的なクリスマス・パントマイムが流行し、ローレント兄弟、フィリップ・アストレー、フランコーニ一家なども活躍し、ハンロン・リーの劇団はフランスにも巡業した。一方、パリでは名優ドビュローがフュナンビュール座で洗練されたピエロを演じて近代パントマイムの黄金時代をつくりだした。
 19世紀末にスペクタクル劇の人気や自然主義の影響で一時衰退し、サーカスのクラウンの芸によってやっと伝えられていたパントマイムは、20世紀初頭にはチャップリンをはじめとする多くの名優によって無声映画のなかで再生するとともに、演技の造形的要素を重視するコポー、スタニスラフスキー、メイエルホリドなど現代劇の指導者によって再評価された。そして俳優養成に利用され、そこから、台詞(せりふ)抜きの身体訓練がパントマイムとよばれるようになった。同時に、独立した舞台芸術としてのパントマイムもフランスのエチエンヌ・ドクルーらによって探究され、ジャン・ルイ・バローやマルセル・マルソーがそれに加わって、時間と空間の圧縮や体の各部の外界に対する反応を表現手段として、人間の心理だけでなく宇宙との交感まで表そうとする現代マイムが創造されてゆく。バローはその成果を前衛劇『母をめぐって』や映画『天井桟敷(てんじょうさじき)の人々』(1944)で示し、マルソーはピエロを現代化したビップを演じて沈黙の詩劇を目ざす「様式のマイム」を完成する。そのほかフランスではウォルフラム・メーリングのマンドラゴール座やジャック・ルコックの学校が現在も活躍している。旧チェコスロバキア出身のミラン・スラデク率いるドイツのケルン・パントマイム劇団や、ヘンリック・トマシェフスキ主宰のポーランド・バレエ・マイム劇団なども独自の活動を続けている。
 東洋では黙劇として独立したものはなかったが、エジプトの祭儀や古代インドのシバの舞踊などにその要素がみられる。日本でも『日本書紀』中の火闌降命(ほのすそりのみこと)が海に溺(おぼ)れるさまを表す演技をはじめ、神楽(かぐら)、壬生(みぶ)狂言、歌舞伎(かぶき)のだんまり、舞踊劇の一場面などに事実上パントマイムにあたるものは少なくない。[安堂信也]
『M・マルソー、H・イエーリンク対談、尾崎宏次訳『パントマイム芸術』(1971・未来社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

パントマイム
〘名〙 (pantomime)
① せりふがなく、表情やしぐさだけで表現する演劇。無言劇。黙劇。
※桐の花(1913)〈北原白秋〉桐の花とカステラ「ある時は新しい戯曲に、小説に、パントマイムに」
② 一般に、ものまね。身ぶりや表情で意思を伝えること。
※秋のめざめ(1957‐58)〈円地文子〉袋地の家「親子のパントマイムには無器用な暗約が含まれている」

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