●ビハーラ
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
ビハーラ
vihāra
古代インドにおける仏教またはジャイナ教の僧や尼僧が,修行のために集団生活をした宿舎もしくは道場。僧堂,僧房,僧坊,精舎などと訳される。狭義には寺院内の居住用施設をさし,共存するストゥーパ (仏塔) ,チャイティヤ (祠堂) などと区別されるが,広義には寺院全体をいう。煉瓦造,石造,木造などによって地上に建造されたほか,石窟として山や丘に開掘されたものもある。ビハーラを含む石窟寺院はアジャンタ,エローラ,カールリーをはじめ,中西部インドで前2~後8世紀頃数多く造営され,その影響は中央アジアや中国にまで及んだ。
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世界大百科事典 第2版
ビハーラ【vihāra】
サンスクリットで散策すること,およびその場所をさす原義から,仏教やジャイナ教の出家者の住房,さらには僧院,精舎を意味し,音訳して毘訶羅(びから)という。出家修行者は元来は遊行を続け定住せず,遊行が不可能な雨季には仮設の住房で共同生活を送った。しかし釈迦の在世中から定住する傾向が生まれ,やがて常設の僧院が出現した。さらに主として在家信者が崇拝していたストゥーパと僧院とが結びつき伽藍が成立した。その定型化した形式は,窟院では方形の広間の三方に小部屋を,構築した僧院では中庭の四方に小部屋を並べ,広間や中庭は比丘たちの集会に用いられた。
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