●ピサーノ
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
ピサーノ
Pisano, Niccoló
[没]1278/84,ピサ
13世紀にイタリアのピサを中心に活動した彫刻家。ピサ派の始祖。ニコラともいう。代表作として,ピサ洗礼堂の説教壇 (1260) ,息子ジョバンニ (→ピサーノ ) と共作したシエナ大聖堂の説教壇 (1268) ,ペルジャの噴水彫刻 (1277~80) などがある。とりわけピサ洗礼堂の説教壇浮彫では,古代ローマの石棺浮彫装飾を研究して古代復興の先駆をなしてルネサンスの黎明を告げた。また,息子をはじめ弟子のアルノルフォ・ディ・カンビオ,ドナート,ラーポらを育てて,ピサ派の基礎を築いた。
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ピサーノ
Pisano, Andrea
[没]1348/1349. オルビエト
イタリアの彫刻家,金工家,建築家。 1330年ピサからフィレンツェに移り,洗礼堂の扉にブロンズによる浮彫を担当 (1330~36) 。四つ葉飾りの枠の中でアレゴリーや聖書の場面を表現した。 1337年ジョットの跡を継いでフィレンツェの大聖堂の建築を完成し,同カンパニーレの浮彫を担当した。その作風はジョットの晩年の様式の影響を受けているとみられ,形態の塊量性と構図の明晰性を特色とする。最後の作品はオルビエトの聖堂建築で,息子のニーノによって完成された。彼のブロンズによる扉の浮彫様式は,ピサの大聖堂の扉やパリやルーアンの聖堂建築に影響を与えた。
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ピサーノ
Pisano, Giunta
[没]1258
イタリア,13世紀前半のピサ派における重要な画家。個人名として知られている最初のイタリアの画家。 1236年アッシジのサン・フランチェスコ聖堂のために描いたといわれる磔刑図は現存しない。彼の署名とされる作品はアッシジのサンタ・マリア・デリ・アンジェリ聖堂 (1240頃) などに3点が残る。彼の創造した磔刑図は前代の「勝利のキリスト」とは異なり,「苦しむキリスト」を表現した。
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ピサーノ
Pisano, Giovanni
[没]1314以後. シエナ?
13~14世紀に,イタリアのピサを中心に活動したピサ派の彫刻家。父ニッコロ (→ピサーノ) の影響で初め擬古代様式の作風を示していたが,父の死後,その影響を抜け出して自在に自己の感覚を発揮していく。ピストイアのサンタンドレア聖堂の説教壇 (1301完成) やピサ大聖堂の説教壇 (1310完成) など,写実に基づいたゴシック風の劇的感情表現へと進んでいった。その他,シエナ大聖堂の工事主任としてその正面装飾(→ファサード)に従事したり,またパドバのアレーナ礼拝堂やプラト大聖堂にも携わった。
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デジタル大辞泉
ピサーノ(Pisano)



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世界大百科事典 第2版
ピサーノ【Andrea Pisano】
イタリアの彫刻家,建築家。ニコラ・ピサーノおよびジョバンニ・ピサーノ父子とは家系的にも流派的にも無関係だが,ピサ近郊のポンテデーラPontedera出身であるため,この名で呼ばれる。おそらくピサで修業のあと1330年にフィレンツェの洗礼堂の青銅扉の注文を受け,36年バプテスマのヨハネ伝と諸徳擬人像の計28場面の浮彫パネルからなる一対の扉を完成。これらはフランス・ゴシックに起源をもつ四つ葉のクローバー型の枠をもち,またジョットの影響の明らかな,簡素な背景と単純化された形体をもつ少数の人物による物語表現を見せる。
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ピサーノ【Giovanni Pisano】
イタリアの彫刻家,建築家。ニコラ・ピサーノの子。青年期にはペルージアの大噴水(1278)その他を父と共作。人体をその有機的構造を明確にしつつ量塊として力強く表現する父の古典主義的作風に対し,衣褶の流れや人物の感情表現,彫刻面における光と影の交錯などを強調するゴシック的な造形感覚への移行を示す。代表作はピストイアのサンタンドレア教会説教壇(1301)およびピサ大聖堂説教壇(1302‐10)。【鈴木 杜幾子】
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ピサーノ【Nicola Pisano】
イタリアの彫刻家。記録からピサよりも南イタリアのプーリア地方の出身とされ,また修業も同地方で積んだと思われる。初期の作ピサ洗礼堂の説教壇(1260)では,ピサのカンポサントやローマにあった古代彫刻の研究成果を踏まえ,モニュメンタルで力強く簡素な手法を達成し,彫刻におけるジョット的役割を果たしている。シエナ大聖堂の説教壇(1269),さらには晩年の作ペルージアの大噴水(1278)になると,構成は複雑となり,洗練度を高めて北方ゴシックへの接近を見せている。
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精選版 日本国語大辞典
ピサーノ
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