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ファントホッフ

化学辞典 第2版

ファントホッフ
ファントホッフ
van't Hoff, Jacobus Henricus

オランダの化学者.1869年デルフト工科専門学校の3年課程を2年で終え,数学と哲学に強い関心を示した.1871年ライデン大学に入学,おもに数学を学び,その後,ボンのF.A. Kekulé(ケクレ),パリのC.A. Wurtz(ウルツ)のもとで研究を行った.1874年オランダに戻り“不斉炭素の理論”を発表,同年ユトレヒト大学から有機化学研究で学位を取得.翌1875年不斉炭素の理論を著書「空間における化学」として出版,各国語に翻訳された.同書で炭素化合物の正四面体型構造を提唱し,不斉炭素原子の概念を導いて立体化学の基礎を築いた.1877年アムステルダム大学の理論および物理化学講師に着任,翌1878年の教授就任演説で,科学研究における想像力の重要性を力説した.1877年から化学熱力学と化学親和力の理論的研究に従事し,1883年質量作用の法則を導き,化学親和力を化学反応によってもたらされる最大仕事と規定した.また,1884年化学平衡の平衡移動に関するファントホッフ-ルシャトリエの原理に達した.これらは同年の著書「化学反応論」にまとめられ,化学熱力学の古典となった.そのなかで,ファントホッフの定積反応式を導き,化学平衡を表す双方向矢印を導入した.1886年植物学者W.F.P. Pfefferが実験的に発見した希薄溶液の浸透圧に関する法則を説明した.すなわち,希薄溶液にアボガドロの法則をあてはめ,その浸透圧理想気体についてのボイル-ゲイ-リュサックの法則(状態方程式)と同様の法則に従うことを導いた.その後,1896年ベルリン大学に招かれ,大洋堆積物形成過程に相平衡理論を適用して論じ,ドイツにおけるカリウム生産に貢献した.溶液の浸透圧理論と化学反応論の功績で,1901年第1回ノーベル化学賞を受賞した.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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