●フロン【ふろん】
知恵蔵
フロン
(市村禎二郎 東京工業大学教授 / 2008年)
出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
デジタル大辞泉
フロン
[補説]フロンの一種であるクロロフルオロカーボン(CFC)は、大気中に放出されると長い時間をかけて成層圏に達し、そこで紫外線によって分解されてオゾン層を破壊する。そのため、使用が規制され代替フロンが登場したが、こちらも二酸化炭素より温室効果が高いことがわかり、規制と全廃が進められている。→シー‐エフ‐シー(CFC) →エッチ‐シー‐エフ‐シー(HCFC) →エッチ‐エフ‐シー(HFC)
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栄養・生化学辞典
フロン
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世界大百科事典 第2版
フロン【Flon】
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
フロン
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日本大百科全書(ニッポニカ)
フロン
ふろん
flon
塩化フッ化炭化水素の総称で日本における慣用名。正式名称はフルオロカーボン。フロンは下記の3種に大別される。
(1)クロロフルオロカーボン(CFC:Chloro Fluoro Carbon) 塩素、フッ素、炭素からなる。化学的に安定なため成層圏にまで達し、紫外線によって塩素原子に分解され、これがオゾン層を破壊する。CFC-11、CFC-12、CFC-113、CFC-114、CFC-115の5種がある。
(2)ハイドロクロロフルオロカ-ボン(HCFC:Hydro Chloro Fluoro Carbon) 水素、塩素、フッ素、炭素からなる。塩素を含むが水素も含むため成層圏に達するまでに分解する可能性が高く、CFCに比べオゾン層破壊の性質は弱いとされている。HCFC-22、HCFC-123などがある。
(3)ハイドロフルオロカーボン(HFC:Hydro Fluoro Carbon) 水素、フッ素、炭素からなる。塩素を含んでいないためオゾン層は破壊しないが、高い温室効果を有し、地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)も大きい。代替フロンとよばれる。HFC-134aなどがある。
これまでCFC-12とHCFC-22は電気冷蔵庫、ルームエアコン、CFC-113は大容量冷房の冷媒に用いられていたが、これらのフロンは使用後大気中に放出されるとオゾン層を破壊するといわれ、1987年にその生産・消費量を規制する「モントリオール議定書」が採択され、段階的削減が決定した。同議定書に基づき、フロンのなかでもオゾン層への破壊力の強い特定フロンCFCについては先進国では1996年までに使用は全廃され、開発途上国でも2010年までに全廃されることになった。また、HCFCは先進国で2030年、開発途上国で2040年までに全廃されることが規定された。
日本でもこの議定書に調印、1988年(昭和63)には「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律(オゾン層保護法)」(昭和63年法律第53号)が制定され、フロン規制が本格化した。また、2001年(平成13)に「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律(フロン回収・破壊法)」(平成13年法律第64号)が公布され、対象となるフロン類が冷媒として使用されているカーエアコン搭載の自動車や業務用冷凍空調機器などを廃棄する場合には、同法に基づき、フロン類の適正な回収と破壊処理の実施等が義務づけられた。さらに2013年には同法が改正(法律名も「フロン排出抑制法(正式名称は「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」)」に変更)され、これまでのフロン類の回収・破壊に加え、フロン類の製造から廃棄までのライフサイクル全体にわたる包括的な対策がとられるようになった。
なお、フロンは自然界には存在しない人工物質で、製造法としてはクロロホルム、四塩化炭素、六塩化エタンなどをハロゲン化アンチモンなどの触媒でフッ化水素と反応させてつくる。
化学的に安定で、金属を腐食させず、無色無臭、不爆発、不燃性で毒性が低いため、噴霧剤、消火剤、溶媒、液体無水硫酸の希釈剤、ウレタンフォームの発泡剤などに用いられ、フッ素樹脂の原料にもなった。
[加治有恒・編集部]
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典
フロン
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化学辞典 第2版
フロン
フロン
flon
冷媒,溶媒,噴霧剤などに使用される低沸点のメタン,エタンなどのフッ素置換体の総称.わが国における慣用名.オゾン層の破壊が憂慮され,代替品の開発が進められている.[別用語参照]クロロフルオロカーボン,クロロフルオロメタン
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