●ブラックストン
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
ブラックストン
Blackstone, Sir William
[没]1780.2.14. ロンドン
イギリスの法学者。大著『イギリス法釈義』 Commentaries on the Laws of England (1765~69) によって著名。当時イギリスの大学ではローマ法の講座だけがおかれ,イギリス法は教えられることがなかったが,1753年オックスフォード大学講師となったブラックストンは,この慣行を破って初めて大学でイギリス法を講じ,58年同大学にチャールズ・バイナー基金のイギリス法講座開設とともに,担当教授となった。このときの講義をまとめたものが『釈義』である。これは総合的なイギリス法概論であり,古典として今日でも読まれている。またアメリカ法成立に大きな影響を与えた。
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世界大百科事典 第2版
ブラックストン【William Blackstone】
イギリスの法律家。1744年にオックスフォード大学のフェロー,46年には弁護士となったが,実務では成功せず,53年に教職に力点を移した。それまでイギリスの大学ではローマ法と教会法の講義はあったが,彼が初めて英法の講義を試み(1753),58年イギリスの大学で初めて英法の教授(オックスフォード大学)となった。このときの講義案が後の《英法釈義》の下地になっている。この学界での大成功を背景に,61年王室顧問弁護士,63年王妃付法務官,下院議員等に選ばれている。
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日本大百科全書(ニッポニカ)
ブラックストン
ぶらっくすとん
Sir William Blackstone
(1723―1780)
18世紀イギリスの法律家。ロンドンに生まれ、オックスフォード大学を卒業した。1746年にバリスター(弁護士の一種)となり、1753年、イギリス法学教育史上初めてオックスフォード大学でイギリス法の講義をした(それまでは大学ではローマ法の講義が行われていたにすぎない)。これは、当時にあっては大冒険であったが、成功を収めた。この成功をみた人がイギリス法の講義のために遺産を寄付した。その寄付講座(バイナー講座として今日でも有名)は1758年に開講し、ブラックストンが最初の担当者に推された。彼は、この年(1758)から1766年まで講義を行い、それを基礎に『イギリス法釈義』Commentaries on the Laws of Englandという4巻からなる大著を物するようになった。その第1巻は1765年に出版され、第4巻は1769年に完成した。この著作はそれまでの判例法を中心としたイギリス法を体系化し、その後のコモン・ローの発展、とりわけアメリカ法の発展に計り知れない影響を与えた。著書には、これ以外に、『イギリス法の分析』(1754)などがある。
[堀部政男]
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