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プラスミド

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

プラスミド
plasmid
細胞質にあって染色体とは独立に自己増殖し,次世代に遺伝される染色体外性遺伝子のこと。多くのプラスミドは環状2本鎖 DNAであるが,酵母や放線菌で直鎖状プラスミドが見いだされている。通常細胞生存には必須ではないが,プラスミドの持つ遺伝子によって細胞にいろいろな性質を与えることができる。古典的性因子 (Fプラスミド) ,バクテリオシン産生プラスミド (Col E1など) ,薬剤耐性因子 (Rプラスミド) ,病原性決定プラスミド,抗生物質合成系に関与するプラスミド,物質代謝系に関与するプラスミドなどがある。また組み換え DNA実験においては,プラスミドに目的とする DNA断片を組み込み,細胞内に導入し,遺伝子を増殖あるいは発現させるベクターとして広く利用されている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

プラスミド(plasmid)
細胞内にあり、染色体とは独立して存在する遺伝子。環状DNA(デオキシリボ核酸)であることが多く、遺伝子工学では大腸菌などのものをベクターとして用いる。

出典:小学館
監修:松村明
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編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

プラスミド
 原核細胞がもつ染色体DNAとは異なる独立した環状のDNA.染色体DNAとは独立して複製されることから,遺伝子工学で,DNAを増やす方法に採用される.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

プラスミド【plasmid】
染色体とは別個に,細胞の世代を通じて子孫に維持伝達されるために,自律的に増殖する遺伝因子の総称。細菌の染色体は大きな環状DNA分子であるが,これとは別に小さいが自律的に複製する環状DNA分子が細胞内にあって,通常の細胞の生存にとってあってもなくてもよい染色体外遺伝子がのっている。プラスミドには多くの種類が見いだされており,細菌の間を伝達するF因子,R因子,コリシン因子などのほか,自力では伝達できない因子も種々見いだされている。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

プラスミド【plasmid】
細胞内にあって核以外の細胞質中の DNA 。自律的に増殖し、親から子へ伝えられるが、細胞の生存には関係しない。染色体 DNA 以外の細胞質 DNA に対して用いられる名称。遺伝子工学では、細菌のこれに特定の遺伝子 DNA を組み込んでベクターとして利用している。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

プラスミド
ぷらすみど
plasmid
細胞内で核や染色体と独立に存在し、自律的に自己増殖して子孫細胞に伝えられる遺伝要因。1952年にアメリカの遺伝学者レーダーバーグによって細菌類の染色体外遺伝要因に対して命名されたが、最近は細菌類に限らず真核生物をも含め、細胞質因子と同義に用いることが多い。プラスミドは小さな環状のDNA(デオキシリボ核酸)分子の場合が多く、細胞質で自己複製能力をもつDNA複製単位レプリコンである。大腸菌のプラスミドには、F因子、R因子、コリシン因子など数種が知られ詳しく研究されている。F因子は分子量約6200万の環状DNAで、1細胞当り1個か2個含まれ、その細胞に接合能力を与える。R因子もF因子とほぼ同じ大きさで、いくつかの抗生物質など薬剤に対する抵抗性を支配している。コリシン因子は他の細菌を殺す作用をもつコリシンといわれる物質の生産を支配し、普通、一細胞に10個あるいはそれ以上含まれている。酵母では2ミクロンDNAとよばれるプラスミドがみいだされている。これは長さが2ミクロンのDNA分子で、一細胞当り50個余り含まれるが、その働きは不明である。
 プラスミドは遺伝子工学実験で遺伝子の運び手、すなわちベクターとして有用である。DNAの特定部位を切る制限酵素でプラスミドを切り、異なる種から分離した遺伝子をつなぐと組換えDNAができる。組換えDNAは、大腸菌などの生細胞に移入され、遺伝子の増殖、すなわちクローン化が行われる。遺伝子工学では、大腸菌のF因子やR因子のように自然のなかでみいだされるプラスミドの各種から有用な部分を取り出してつなぎ、小さな人工的プラスミドをつくり、ベクターとして用いることも多い。pBR322というプラスミドはこの一例で、DNA複製起点のほか、テトラサイクリンとアンピシリン抵抗性遺伝子をもつ分子量約260万の環状DNA分子である。このプラスミドは各種制限酵素による切断点をもつので、その位置に遺伝子をつなぎ、組換えDNAをつくり、大腸菌細胞に入れて遺伝子のクローン化に使われる。[石川辰夫]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

プラスミド
〘名〙 (plasmid) 細胞質中に、染色体とは独立に存在する遺伝因子の総称。自律的に増殖することができ、また染色体中に取り込まれることもある。

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

プラスミド
プラスミド
plasmid

微生物由来の環状2本鎖DNA.生命活動に必須の遺伝子を含む染色体DNAとは独立に存在し,抗生物質耐性遺伝子などを含むことから,オプションのDNAともよばれる.異種DNAを大腸菌に導入して増やす場合のベクターとして利用されている.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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