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プルーデンシャル【ぷるーでんしゃる】

日本大百科全書(ニッポニカ)

プルーデンシャル
ぷるーでんしゃる
Prudential plc

イギリスの保険会社。通称プルPru。保険事業以外にも、不動産事業、投資信託(ユニット・トラスト)などを手がけている。イギリス最大の機関投資家でもある。アメリカ最大手のプルデンシャル・ファイナンシャル(生命保険会社)Prudential Financial Inc.は、イギリスのプルーデンシャルとは無関係である。本社はロンドン。

[安部悦生]

歴史

プルーデンシャルは、チャーティスト運動の激しかった1848年にロンドンの投資家が集まって設立した生命保険会社である。最初の名称はPrudential Mutual Assurance Investment and Loan Association。1860年代の企業買収を通してThe British Prudential Consolidated Assurance Co.となり、1866年Prudential Assurance Co.に名称変更された。当時は続々と保険会社が設立されつつあり、1844年から1883年にかけて1186社が発起されたが、実際に設立されたのは612社、1883年まで生き残ったのはわずか93社であった。

 創業当初、同社の業績は不振であったが、1850年代に従来の富裕層向けの保険に加えて、労働者向けの保険を売り出すに及んで業績は好転した。また慎重な経営とも相まって、1880年代には一般向けの保険で業界トップの揺るぎない地位を築いていた。1881年には株式会社となり、1905年までに2500万の保険契約を有した。

 第一次および第二次世界大戦期は多数の戦死者が出たが、戦争被害に関して保険会社に支払い義務があるか否かについて、法的な解釈の余地があった。しかし、プルーデンシャルはその保険金を支払い、人々の信頼をかちえることとなった。また第一次世界大戦時には約900万ポンドの合衆国債券を政府に委ね、第二次世界大戦時にも大量の政府債を購入して国家に協力した。また、1921年損害保険分野にも進出、さらに第一次世界大戦後には独身女性のための保険(1926)や団体年金(1929)を創出した。

[安部悦生]

第二次世界大戦後

第二次世界大戦後、とくに1970年代になると、多角化および分権化を開始し、1978年に保険事業会社を子会社とする持株会社プルーデンシャル・コーポレーションPrudential Corp. plcに改組した(1999年現社名に変更)。多角化の末、プルーデンシャルは1980年代なかばには、イギリス国内の個人保険および団体保険、国際保険、再保険、投資アドバイス、不動産、投資信託の六つの事業分野で活動を行っていた。こうした多角化の背景には1970年代から活発化した買収戦略があった。1960年代にマーカンタイル・アンド・ゼネラル保険Mercantile and General Reinsuranceを買収して再保険業務に乗り出して以来、ベルギーの保険会社(1972)、カナダの保険会社(1978)、アイルランドの保険会社(1985)を相次いで買収して国際化を図った。1985年には不動産事業にも進出し、プルーデンシャル・プロパティ・サービスPrudential Property Servicesを設立。また同年プルーデンシャル・ホルボーンPrudential Holbornを設立、投資信託事業にも進出した。さらに1986年にはアメリカのジャクソン・ナショナル・ライフJackson National Life Insurance Co.(当時全米18位の生保)を買収し、同地における基盤を確立した。

 1990年代はさらに企業買収による事業拡大が活発化した。1997年にスコティッシュ・アミカブルScottish Amicableを買収、1999年Municipal and General Securities Co. Ltd.を買収し、翌年にはプルーデンシャル・ポートフォリオ・マネージャーズPrudential Portfolio Managersと統合した。一方、1996年にプルーデンシャル・バンキングPrudential Banking(1998年エッグEgg plcに改称)を設立、電話とインターネットを使って、支店展開の必要のない小売銀行業務を開始した。その後、2002年にイギリスの大手銀行アビー・ナショナルAbbey National plcと販売提携を結ぶなど、ヨーロッパを中心に広がるバンカシュランス(銀行と保険の融合)の動きを加速している。

 アジアへの展開としては、すでに1920年代に中国、マレーシア、フィリピン、日本などに代理店をもっていたが、1960年代にプルーデンシャル香港(ホンコン)を設立したのを皮切りに、1994年にはプルーデンシャル・コーポレーション・アジア(PCA)を設立。日本では2001年(平成13)にオリコ生命保険の全株式を取得し、ピーシーエー生命保険の社名で市場参入を果たした。プルーデンシャルの2011年の総資産は約3510億ポンド、全世界で契約者数は2600万人を超える。

[安部悦生]

『Gretchen Antelman, Thomas Derdak ed.International Directory of Company Histories Vol. 1-50 (St. James Press, Chicago)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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