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プレビシット

デジタル大辞泉

プレビシット(plebiscite)
国民投票のこと。また特に、通常の国民投票に対して、為政者による統治の正統性や領土の帰属などを問う場合に行われるものをいう。人民投票。→レファレンダム

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

プレビシット【plebiscite】
元来はラテン語の平民plebsの議決scitumを意味する言葉で,近代においてはフランスで普及し,ドイツその他に広がった用語である。人民投票と訳されることが多い。広義にはレファレンダム国民投票と同義に用いられるが,区別して用いる論者も少なくない。すなわち,この言葉は,まず第1に領土の併合変更などに際して領土の帰属を国民または当該地域の住民の投票によって決定するような場合に使われた。たとえば,サボア(1792),ニース(1793),シチリアおよびナポリ(1860)に関するプレビシットをはじめ,第1次大戦後に民族自決の原則にもとづいておこなわれた,上シュレジエンザールに関するプレビシット,あるいはヒトラーによっておこなわれたオーストリア合併に関するプレビシット(1938)などがその例である。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

プレビシット
ぷれびしっと
plebiscite 英語
Plebiszit ドイツ語
plébiscite フランス語

国民が議会議員や特定公務員を選択する公職選挙以外の事項につき国家意思の決定に投票によって直接に参加する国民投票制の一種で、とくに領土変更や政治指導者などの選択・決定に参加する制度をいう。

 近代議会制デモクラシーは、一方で国民の参政権の最大化を命じながら、他方では代表による合意形成を命じている。それゆえ、国民主権確立の結果として国民の参加が拡大されても、国民代表の原理に従って直接参加は間接的参加へと転化される。ここから、代議制の枠組みのなかで直接民主制を可能な限り保障する制度として国民投票(ないし人民投票)が行われている。一般にスイスやアメリカなど直接民主主義の伝統をもつ国々に発達してきたが、わが国憲法でも憲法改正には国民投票の必要が規定されている。また地方自治法に規定されている住民投票、たとえば公務員の罷免を目的とするリコールは原理的に国民投票の一種とみなせる。

 プレビシットは、とくに主権の変更や指導者選択にかかわる国民投票であり、歴史的にみれば、前者の意味でのプレビシットは、フランス革命期に、ローマ教皇とフランスの間でサボアとブナソンの帰属をめぐって行われたプレビシット(1790~91)に始まり、その後サボア(1793)とニース(1799)、イタリア統一運動(リソルジメント)期のサルデーニャ、1860年から70年にかけてシチリア、ナポリ、ウンブリア、マルシェ諸島などにおいて、また第一次世界大戦後では上シュレージエン、ザールなどでプレビシットが行われた。また新しい指導者が自己の権力を権威づけたり、その正当性を獲得するために行うプレビシットには、ナポレオン・ボナパルト(1802)、ナポレオン3世(1851)、ヒトラー(1933)らの独裁を正当化し補強するためのプレビシットがあり、これを「プレビシタリー・ディクテイターシップ」という。

 また、プレビシットは、当事者間の協定などの法的根拠の有無によって、公式的なものと非公式的なものとに大別される。たとえばフランス革命期や1840年代から70年のイタリアで行われたプレビシットはすべて非公式的で一方的なものであったが、イオニア諸島(1863)やサボア、ニースなどでのプレビシットは当事者間の協定に基づいて行われた公式的なものであった。ただし、国際的監視の下でなされたモルダビア、ワラキア(1856)を除く第一次大戦前のプレビシットは、すべて当事者のいずれか一方の統制下にあり、また通常は軍事占領の下で行われた。また投票者の資格や投票方法などは、イタリアでのいくつかのプレビシットのそれが継承されたが、資格として、市民であり、投票時点でその地域に在住していることが要求され、また投票方法は通常選挙の慣例に従うのが一般的であった。

[中野 実]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

プレビシット
人民投票」のページをご覧ください

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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