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ヘイエルダール

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ヘイエルダール
Heyerdahl, Thor
[生]1914.10.6. ラルビク
[没]2002.4.18. 北イタリア
ノルウェーの人類学者,海洋探検家。ラルビク大学卒業 (1933) 後,オスロ大学でポリネシアなどについて研究し,哲学博士 (61) となる。ポリネシア人の起源について,南アメリカから移住したものという仮説を立て,古代インカの技法でバルサ材製の筏『コン・ティキ号』を造り,1947年ペルーのリマからポリネシアのラロイア環礁まで 6400kmの漂流に成功。さらにエジプトと南アメリカの人類移動の可能性を提唱し,古代エジプトの技法でパピルス製の『ラー号』 (エジプトの太陽神の意) を造り漂流を計画し,70年7月『ラー2世号』でモロッコのサフィ港からバルバドスのブリッジタウン港まで 57日間の漂流に成功。 77年には同様に,イラクからチグリス川を下りアラビア海を経て紅海にいたる漂流に成功,古代シュメール文化が西アジアやアラビア半島へと広まった可能性を示した。いずれも自を実証した形となったが,学界では反論も多い。書に『コン・ティキ号漂流記』 Kon-Tiki (50) ,"The Ra Expedition" (71) ,"The Tigris Expedition" (79) がある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

ヘイエルダール(Thor Heyerdahl)
[1914~2002]ノルウェーの探検家・人類学者。ポリネシア文化は古代ペルーに起源があるという説を立証するため、1947年に(いかだ)コンティキ号でペルーからポリネシアへの漂流実験を行い、1970年には葦舟ラー号で大西洋横断を行った。著「コンティキ号探検記」など。

出典:小学館
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編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

ヘイエルダール【Thor Heyerdahl】
1914‐2002
ノルウェーの人類学者,探険家。はじめ動物学を専攻し,南太平洋の海洋生物研究のためにポリネシアのマルキーズ諸島に渡ったが,ここでポリネシア人祖先は南アメリカに由来するのではないかという着想を得た。その可能性を検証する目的で,1947年に5名の仲間とともに,コン・ティキ号と名付けたバルサ材の筏で,ペルーのカヤオからトゥアモトゥ諸島のラロイア環礁まで8300km,102日間の漂流実験を試みた。南アメリカのプレ・インカ巨石文化がイースター島その他のポリネシアの巨石文化に類似することをはじめ,南アメリカのインディオあるいは北アメリカ北西岸インディアンとポリネシア人の,双方の文化にいくつかの類似点がみられること,さらに貿易風が東から西への航海を容易ならしめていることなどが,ヘイエルダールの仮説の根拠となっている。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

ヘイエルダール
へいえるだーる
Thor Heyerdahl
(1914―2002)

ノルウェーの人類学者、考古学者、探検家。文化伝播(でんぱ)における風や潮流の海洋学的要因を重視し、ポリネシア文化の源流が南アメリカのプレ・インカ期の文明にあること、アメリカ大陸の古代文明が古代オリエントの文明の影響の下に成立したことなどを唱えた。彼は自説を証明するのに、コン・ティキ号(1947)、ラーⅠ、Ⅱ号(1969、1970)など、古代の船を復原して漂流実験を行い、ガラパゴス諸島の探検(1953)やイースター島の考古学調査(1955~1956)も行った。1977~1978年には、古代メソポタミアのシュメール人の船を復原し、アフリカ紅海沿岸のジブチまでの航海を行っているが、彼の伝播説は学界の定説となっていない。

[田村克己 2018年12月13日]

『T・ヘイエルダール著、永井淳訳『葦舟ラー号航海記』(1971・草思社)』『トール・ヘイエルダール著、国分直一・木村伸義訳『海洋の人類誌』(1990・法政大学出版局)』『T・ヘイエルダール著、山田晃訳『ファツ・ヒバ――楽園を求めて』上・下(社会思想社・現代教養文庫)』『トール・ヘイエルダール著、山田晃訳『アク・アク――孤島イースター島の秘密』(社会思想社・現代教養文庫)』『T・ヘイエルダール著、水口志計夫訳『コン・ティキ号探検記』(ちくま文庫)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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