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ヘシオドス

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ヘシオドス
Hesiodos
前 700年頃のギリシア叙事詩人。小アジアのキュメに生れ,父に連れられて中部ギリシアのボイオチアヘリコン山麓の村アスクラに移住,牧人として育った。神話伝説も歌ったが,自分の生活と経験と意見を詩のテーマにした最初のギリシア詩人。父の死後,弟ペルセスが有力者たちに賄賂を贈り,訴訟によってヘシオドスの相続分まで横取りしたときに,神の正義と労働の重要性をペルセスに教えるために書いたのが,教訓叙事詩『仕事と日々』 Erga kai Hēmeraiである。ほかに,神々の歴史を語る『神統紀』 Theogoniāがある。ギリシア神話集成の一原形とされる『名婦伝』 Katalogos Gynaikōnの大断片も近年パピルス文書のなかから発見された。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

ヘシオドス(Hēsiodos)
古代ギリシャの詩人。前8世紀末ごろ活躍。ホメロスと並び称される叙事詩人で、農民の日常生活をうたった「仕事と日々」、神々の系譜をうたった「神統記」が代表作。ヘーシオドス。生没年未詳。

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

ヘシオドス【Hēsiodos】
古代ギリシアにおいてホメロスと並び称せられた前700年ころの大詩人。生没年不詳。伝統的叙事詩の言語を用いているが,ホメロス派の詩風とは趣を異にして,詩人自身の現実や価値観を直截な表現に託している。彼自身の言葉によれば,父は小アジアのアイオリス人の植民地に住み,船を操り貿易を業としたが,のちボイオティアの寒村アスクラに移り住み,ヘシオドスとペルセスPersēsの兄弟はそこに生育した。《神統記序詞によれば,ヘシオドスがヘリコン山の山腹羊飼いの暮しをしていたとき詩神(ムーサたち)が現れ,彼に詩人になるようにと月桂樹を与え,声と言葉を吹きこみ,人間の来し方行く末偉業をたたえ,とこしえなる神々の族に賛美を尽くすようにと命じたという。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

ヘシオドス
へしおどす
Hesiodos

生没年不詳。古代ギリシアの叙事詩人。紀元前740~前670年ごろの人。ホメロスと並ぶ二大叙事詩人として後世まで長く尊重された。ホメロスが作品の背後に姿を没し、その実在さえ疑われているのに対し、ヘシオドスは実在の人物であり、作品にあからさまに自己を表出する、ギリシア文学における最初の個性といわれる。自由闊達(かったつ)で娯楽性に富むホメロスに対し、彼の作品は宗教的、教訓的な点で著しい特色を示す。彼に帰せられる作品は多いが、完全な形で伝えられているのは『神統記(しんとうき)』と『仕事と日々』の二編のみで、他は断片にすぎない。これら断片のうち、神々との交合によって英雄たちの母となった名婦たちの系譜を歌い、内容上『神統記』に接続する作品と考えられる『名婦伝(カタロゴイ)』断片は、近年パピルス文書の多量出土により飛躍的に充実し、この作品のおおよそを推測することが可能となっている。彼の名の下に伝わる『ヘラクレスの楯(たて)』は真作ではなく、後代の別人の手になるもの。

 作品中の自伝的記述を総合すると、彼の父は小アジア沿岸のギリシア植民市キュメで農耕のかたわら貿易業を営んでいたが、窮乏のすえギリシア本土に渡り、ボイオティアの寒村アスクラに移住し農業で生計をたてていた。この父には2人の息子、ヘシオドスとペルセスがいた。ヘシオドスはアスクラからほど近いヘリコン山の麓(ふもと)で羊の世話をしていたとき、ミューズの霊感を受け詩作の道に入った。『神統記』はヘシオドスの詩人としての生涯の最初期に生み出された作品。彼は自ら畑を耕す実直な農民であったが、晩年には専門詩人として吟唱の生活を送ったとみられる。父の死後生じた兄弟間の遺産配分をめぐる争いは彼に大きな影響を与えた。人間としてなすべき労働に精を出さない無頼の兄弟ペルセスに勧告し訓戒する形式をもつ『仕事と日々』は、おそらくこの事件に触発されて成ったものと思われる。後代の伝承によれば、ヘシオドスはのちにロクリスのナウパクトスで殺されたという。『神統記』は、ギリシア人の信仰する無数の神々を体系的に整理し系統づけたもので、それは単なる神々の系譜物語ではなく、大地、海、山、天、星辰(せいしん)などいっさいを含むこの宇宙、世界がどのように整理され、生成するに至ったかという秩序世界の成立を問題としている点で、後のギリシア哲学の形成に大きな影響を与えた。『仕事と日々』は、労働の尊さと、自然と人間を含む全宇宙を貫く秩序原理としての正義を勧告する詩で、形式のうえで不正な兄弟ペルセスらに直接向けて語られてはいるが、人間一般に対する教化啓発を目的とする教訓詩である。

 作品のなかには若干の方言的要素が認められるが、用いられた言語は、ホメロスと同質の伝統的叙事詩語である。

[廣川洋一]

『松平千秋訳『仕事と日』(岩波文庫)』『廣川洋一著『ヘシオドス研究序説』(1975・未来社)』

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精選版 日本国語大辞典

ヘシオドス
(Hēsiodos) 紀元前八世紀の古代ギリシアの詩人。ボイオティアの人。ホメロスと並び称される。農業労働の尊さと日常生活の心得を「労働と日々」にうたった。他に「神統記」がある。

出典:精選版 日本国語大辞典
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旺文社世界史事典 三訂版

ヘシオドス
Hesiodos
生没年不詳
前700年ごろ活躍した古代ギリシアの叙事詩人
中部ギリシアのボイオティアの人。『神統記』で諸神の系譜をうたい,『労働と日々』で勤労の尊さをたたえた。これは奴隷制の支配的であった古代ギリシアでは珍しい

出典:旺文社世界史事典 三訂版
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