@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

ヘファイストス

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ヘファイストス
Hēphaistos
ギリシア神話の火と鍛冶の神。ゼウスヘラの息子とも,ヘラがゼウスの種によらず独力で産んだ子ともいわれる。ゼウスとヘラが仲たがいしたとき,母の味方をしたため,ゼウスによって天から投落され,レムノス島に落下した。そのため足が不自由になったとされるが,別伝では,生れつき不自由であったため,そのような子を産んだのを恥じたヘラによって海に投落されたところを,テティスエウリュノメに助けられ,海底洞窟に9年間滞在して,そこで鍛冶の技術を修得したともいう。ひどい醜男であるにもかかわらず,美の女神アフロディテを妻にめとったが,アレスらに間男される憂き目にあった。古くは天上仕事場をもつとされていたが,のちには火山の噴火口のなかがその鍛冶場で,そこで彼はキュクロプスたちを助手にして,神々や英雄たちのため,さまざまな不思議な品をつくると信じられた。ローマでは,ウルカヌスと同一視された。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

ヘファイストス(Hēphaistos)
ギリシャ神話で、火と鍛冶(かじ)の神。ゼウスヘラ(またはヘラだけ)の子。醜男で、足が不自由とされる。ローマ神話ウルカヌスにあたる。ヘパイストス

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

ヘファイストス【Hēphaistos】
ギリシア神話の火と鍛冶の神。ローマ神話のウルカヌスVulcanus(英語ではバルカンVulcan)にあたる。ホメロスによれば,ゼウスとその妃ヘラの子。しかしヘシオドスの《神統記》によれば,独力で女神アテナをもうけたゼウスに対抗して,ヘラがひとりで生んだ子。彼は跛であったとされるが,この点についても二様の伝承がある。一説では,跛は生まれつきで,ヘラがそれを嫌悪してオリュンポス山から海へ投げ落としたところ,海の女神テティスらが彼を救い,海底の洞窟で育てたといい,もう一説では,ゼウスとヘラが激しく口論したとき,彼が母親に加勢したため,怒ったゼウスがその足をつかんで天上から放り投げると,彼はまる1日かかってレムノス島に落ちた。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

日本大百科全書(ニッポニカ)

ヘファイストス
へふぁいすとす
Hephaistos

ギリシア神話の火と鍛冶(かじ)の神。普通、ゼウスとヘラの子とされるが、もともとはエーゲ海から小アジアの火山地帯と関係する火山の神であった。火山の奥底には火の神の仕事場があると考えられていたところから、彼は鍛冶と工芸の神となり、魔法のような技術から不思議な神力をもつ道具や武具、工芸品などをつくりだした。また彼は生まれつき片足が悪かったので、生母のへラはこれを嫌って彼をオリンポスから下界へ放り出した。海中に落下したヘファイストスは、海の女神テティスとエウリノメに救われ、9年間海中の洞窟(どうくつ)で育てられたが、このころからいろいろな工芸品をつくり始めたという。またホメロスによれば、ゼウスとヘラがヘラクレスについて争ったとき、ヘファイストスはヘラに味方をしたので、ゼウスは彼の足をつかんでオリンポスから投げ下ろしたという。彼は一日中落下し続けたあとレムノス島にたたきつけられ、このときから片足が悪くなったともいわれている。

 なお、彼の本拠地ともいうべき仕事場はこのレムノス島にあったといわれ、のちにはリパラ、ヒエラ、アイトナ(エトナ)などの火山にまで拡散していく。ホメロスでは、ふたたびオリンポスに戻った彼は天上に仕事場をもち、神々の神殿をつくったり、テティスの息子アキレウスのための新しい武具をつくった。彼の妻はカリス、あるいはアフロディテとされるが、彼は美しい女神のアフロディテとその情人である軍神アレスが密会しているところを巧妙な仕掛けで捕らえ、オリンポスの神々に見物させたとも伝えられている。ローマ神話では、バルカヌス(ウルカヌス)Vulcanusがヘファイストスと同一視されているが、もともとこの神には鍛冶や工芸の神という面はなかった。英語名はバルカンVulcan。

[伊藤照夫]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

ヘファイストス」の用語解説はコトバンクが提供しています。

ヘファイストスの関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation