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ヘルダー

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ヘルダー
Gelder, Aert(Arent) de
[生]1645.10.26. トールドレヒト
[没]1727.8.28. トールドレヒト
オランダの画家。 S.ホーホストラーテンに学び,1661年頃アムステルダムに出て,レンブラントの工房に入った。主として聖書に取材した作品を描き,旧約聖書を扱った『受難』の連作 (1715頃,アムステルダム国立美術館,アルテ・ピナコテークほか分蔵) は,18世紀美術にみられる明るい色彩を除いて,厚塗りの技法やオリエント様式の衣装の表現など,レンブラントの作風を継いでいる。肖像画家としても力強い作品を残した。

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ヘルダー
Herder, Johann Gottfried von
[生]1744.8.25. 東プロシア,モルンゲン
[没]1803.12.18. ザクセン=ワイマール公国,ワイマール
ドイツの哲学者,美学者,批評家,言語哲学者。ケーニヒスベルク大学に学び,イマヌエル・カント,ヨハン・G.ハーマンの影響を受けた。リガ,ビュツケブルク,ワイマール牧師を務めながら,哲学,歴史,言語,劇,民謡,彫刻など多方面の述を残した。哲学的には,カントの理性主義に反対し,近代キリスト教的ヒューマニズムの立場を確立。歴史の洞察にも優れ,言語の起源についても独自の考察を示した。また触覚に基礎をおいた彫刻論を展開,美学思想全体は晩年の『カリゴーネ』Kalligone(1800)に示されている。文学の分野では『シェークスピア論』,『民族歌謡』Volkslieder(1778~79)などが有名で,ヨハン・ウォルフガング・フォン・ゲーテに大きな影響を与えた。初めシュトゥルム・ウント・ドラング運動の主導者とみなされたが,やがて敬虔主義的宗教的な考えが強くなった。主著言語起源論』Abhandlung über den Ursprung der Sprache(1772),『人類の歴史哲学考』Ideen zur Philosophie der Geschichte der Menschheit(1784~91),『彫刻論』Plastik(1778)。

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デジタル大辞泉

ヘルダー(Johann Gottfried von Herder)
[1744~1803]ドイツの哲学者・文学者。自然、感情、民族的個性尊重を説き、シュトゥルム‐ウント‐ドラング運動に影響を与えた。著「新ドイツ文学断想」「言語の起源についての論考」「人類歴史哲学考」など。

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世界大百科事典 第2版

ヘルダー【Johann Gottfried Herder】
1744‐1803
ドイツの思想家,文学者。東プロイセンのモールンゲンに生まれ,極貧の少年期を経て,敬虔主義の影響を受ける。ケーニヒスベルク大学で医学,神学,哲学などを学び,カントとハーマンを師とする。1764年リガで教職につき,やがて牧師も兼ねる。この間に《近代ドイツ文学断想》(1767‐68)により当代ドイツの文学が古典文学模倣を超えて創造性を発揮しうる指針を示し,天才覚醒を促した。《批評の森》(1769)では美学の人間学的根拠づけにも心をくだいた。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ヘルダー【Johann Gottfried von Herder】
1744~1803 ドイツの哲学者・文学者。カントの理性主義に反対して、文芸や思想の源は民族・歴史・風土を基盤とする人間の自由な創造精神にあるとし、特に言語と詩について深い考察を示した。著「人類の歴史哲学考」「言語起源論」など。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

ヘルダー
へるだー
Johann Gottfried Herder
(1744―1803)
ドイツの思想家。8月25日、東プロイセンのモールンゲンに小学校教師の子として生まれる。ケーニヒスベルク大学で神学と哲学とを学び、カントの影響を受けるとともに神秘的思想家J・G・ハーマンに私淑した。1764年リガ(ラトビア共和国の首都)の司教座聖堂付属学校教師となり、『近代ドイツ文学断想』(1767)、『批評論叢(ろんそう)』(1769)を発表し若くして名を知られた。1769年、リガを去りフランス・南ドイツへ旅したが、『旅日記』(1769)に「わがゆく道はゴシックの仄(ほの)暗いアーチをくぐり緑の並木の下翳(したかげ)を辿(たど)る」と、フランスとは異なる自国文化への魂の自覚を記している。ストラスブール(シュトラスブルク)で若いゲーテと出会い、「シュトゥルム・ウント・ドラング」(疾風怒濤(しっぷうどとう))運動のきっかけをつくった。1771年ビュッケブルクの宮廷牧師となり、1776年ゲーテの推薦でワイマールの教区総監督に迎えられ、その地で終生過ごした。1803年12月18日没。
 彼の思索活動はきわめて多岐にわたるが、まず文芸理論の分野では『オシアン論』(1773)、『シェークスピア論』(1773)、『民謡集』(1778~1779)、『ヘブライ文学の精神』(1782~1783)などがあげられる。いずれも啓蒙(けいもう)思想の主知主義的文芸観に変革をもたらした画期的著作で、在来の文学観の基礎にあった、いわゆる三統一の法則および古典古代の作品を文芸一般の規範とみなす見方を退け、創造精神の自由こそ文学の原理であるとし、同時に民族の歴史と風土を文学芸術成立の基盤とみる立場を確立した。また言語思想の面では『言語起源論』(1772)ほかがあり、言語とは事物や観念の単なる恣意(しい)的な符丁(ふちょう)ではないとし、言語と意識と事物の関係を人間論的に問うとともに、言語をとりわけ母国語の面から民族の文化形成との関連によりとらえたことは、フンボルトの言語哲学への礎石を据えるものとなった。さらに歴史哲学の領域では、主要著作として、『人間性形成のための歴史哲学異説』(1774)、『イデーン(人間史の哲学の諸理念)』(1784~1791)がある。歴史を自然に対立する概念とみなすのが通常一般のとらえ方であるとすれば、これを転換して、人間精神と自然世界とを統一的立場により把握する独自な歴史観を確立した。とくに『異説』では、民族や時代について歴史事象の個体性の観念を導き入れ、後の歴史主義へと道を開く一方、『諸理念』では、人間文化の展開の諸相を、人間性の発展の理念のもとに終末観の枠組みによりとらえたところに特徴がある。これは、キリスト教的啓示概念の独自な把握に基づくものである。
 聖職者としてワイマール教区を預かる地位にあったヘルダーは、またワイマール公国の宗教局評定官、のち長官の職についたが、もっとも腐心したのは公国内の教育制度の改革であった。彼の人間性の教育の理念はさいわい公国宰相ゲーテの支持を受け、幾多の実績をあげることとなる。ワイマール中央教会内に埋葬されている彼の墓碑銘には「光、愛、生命」Licht,Liebe,Lebenと記されている。[七字慶紀]
『木村直司訳『言語起源論』(1972・大修館書店) ▽登張正実訳『シェイクスピア』(『世界の名著38 ヘルダー他集』所収・1979・中央公論社) ▽小栗浩・七字慶紀訳『人間性形成のための歴史哲学異説』(『世界の名著38 ヘルダー他集』所収・1979・中央公論社)』

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精選版 日本国語大辞典

ヘルダー
(Johann Gottfried von Herder ヨハン=ゴットフリート=フォン━) ドイツの哲学者、文学者。自然と歴史の発展の中に神を直観する立場から、自然、感情、民族的個性の尊重を説き、シュトゥルム・ウント・ドラング運動に理論的指針を与えた。著「言語起源論考」「人類歴史哲学考」など。(一七四四‐一八〇三

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旺文社世界史事典 三訂版

ヘルダー
Johann Gottfried von Herder
1744〜1803
ドイツの文学者・哲学者
啓蒙主義に反対し,直観的・有機的世界観に立って歴史を自然との総合連関としてとらえ,民族性を重視しつつも,総体として人間を把握することを主張。「疾風怒濤」と呼ばれるドイツの文学運動の指導者で,ゲーテにも大きな影響を与えた。主著『人類の歴史哲学考』。

出典:旺文社世界史事典 三訂版
執筆者一覧(50音順)
小豆畑和之 石井栄二 今泉博 仮屋園巌 津野田興一 三木健詞
 
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