●ベオグラード
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
ベオグラード
Beograd
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デジタル大辞泉
ベオグラード(Beograd)
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世界大百科事典 第2版
ベオグラード【Beograd】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
ベオグラード
べおぐらーど
Beograd
セルビア共和国の首都。英語名ベルグラードBelgrade。セルビア語で「白い町」の意。サバ川がドナウ川に合流する三角地帯の標高約120メートル付近に位置する。人口157万6124(2002)。旧市街の南に新しい工業地区ジェレズニクŽeleznikがあり、またバニツァBanjicaとその周辺には近代的な住宅地が広がる。北西には、かつてドイツ人が多く住んでいたゼムンZemunがある。第二次世界大戦後サバ川左岸にノビ・ベオグラードNovi Beograd(「新ベオグラード」の意)が建設され、一部の連邦政府省庁と近代的なアパート群ができた。旧市街には連邦政府、共和国の行政庁があり、セルビア正教会の総主教座が置かれている。
陸と川の交通の要所であり、サバ川、ドナウ川で運ばれる貨物は年間100万トン以上にのぼる。オリエント急行時代の駅やスルチンの国際空港で国内外と結ばれている。市は商工業の中心地で、150を超える企業があり、機械・器具、トラック・トラクター、ベアリング、電気器具、製糸の各工場があり、織物、食品、皮革、化学、薬品などの産業が発達している。古来バルカンの中枢としてつねに争奪の的だっただけに、町は幾度も破壊され古いものはあまり残っていない。現存する歴史的建造物はバイラクリ・モスク(17世紀末)、ドシテイのリセ(18世紀末)を除き、総主教座のあるセルビア正教会本寺であるセルビア大聖堂(1837)、国立博物館(1844)、リュビツァ公女邸(1831)、国立劇場(1863)、大学や科学・芸術アカデミーなどすべて19世紀の建物である。だがシンギドゥヌムSingidunum城塞(じょうさい)跡のカレメグダンKalemegdan公園から眺めるドナウ、サバ両大河の流れとノビ・ベオグラード(おもに住宅地)の高層ビル、パンノニア平原の広がり、聖サバ教会、聖マルコ教会、国内に散在する中世の宗教絵画コピーを展示するフレスコ画廊、郊外のアバラAvala丘上に立つメシュトロビッチMeštrovic作無名戦士の墓など、見るべきものは多い。ほかに、連邦議事堂、ショッピング街のテラジエ、ベオグラード動物園、10万人収容のサッカー競技場マラカナ・スタジアムなどがある。日本大使館はノビ・ベオグラードにある。なお、コソボ問題をめぐって1999年3月から始まったNATO(ナトー)(北大西洋条約機構)軍の空爆により、中国大使館など、市内にも被害が生じた。
[田村 律]
歴史
交通の要所で軍事的にも重要な地点であるため、古来さまざまな民族が往来し、紀元前4~3世紀にケルト人がシンギドゥヌム城塞を築いたのが町の始まりである。5~6世紀には、フン人、ゴート人、アバール人などが支配したのち、スラブ人がやってきた。878年の記録に、初めてビェルグラードBjelgrad(白い町)という名が散見される。12~13世紀には、ビザンティン帝国、ハンガリー王国、ブルガリア王国がベオグラードの支配権を争った。その後セルビアが支配することになるが、1521年以後、オスマン帝国(トルコ)の領土に組み込まれ、途中三度オーストリア人が支配した短期間を除き、19世紀初頭まで占拠され続けた。1804年から13年まで第一次セルビア蜂起(ほうき)時代、30年から78年までは公国、1878年からは王国、1918年からはユーゴスラビア王国(正式名称は1929年)、1945年からはユーゴスラビア社会主義連邦共和国(正式名称は1963年、旧ユーゴスラビア)の首都。1992年からはモンテネグロとセルビア両共和国からなるユーゴスラビア連邦共和国(新ユーゴスラビア)の、2003~06年にはセルビア・モンテネグロの首都でもあった。
[田村 律]
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精選版 日本国語大辞典
ベオグラード
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旺文社世界史事典 三訂版
ベオグラード
Beograd
「白い町」の意味。サバ川とドナウ川の合流点に位置する交通の要衝。ローマ時代にはシンギドゥヌムと呼ばれ,その後多くの異民族支配の時代を経て,セルビア人が支配。オスマン帝国とオーストリアとの争奪の地となり,1878年にはセルビア王国の首都となる。また,第一次世界大戦後は旧ユーゴスラヴィアの,1992年以後は新ユーゴスラヴィアの首都である。
出典:旺文社世界史事典 三訂版
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