●ベネシュ
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
ベネシュ
Beneš, Edvard
[没]1948.9.3. チェコスロバキア,セジモボウスティー
チェコスロバキア(→チェコ)の政治家。大統領(在任 1935~38,1945~48),首相(在任 1921~22)。農家の生まれ。プラハ,フランスのパリやディジョンの各大学で学び,1908年に法学博士号を取得。1909年プラハ商業専門学校の経済学教授,1913年チェコ大学の教授に就任。オーストリア=ハンガリー帝国からの独立を主張したため,第1次世界大戦勃発に際しトマーシュ・ガリク・マサリクとともにスイスに亡命,1916年パリでチェコスロバキア民族議会を結成し,書記長に就任した。1918年オーストリア=ハンガリー帝国が崩壊,チェコスロバキア共和国独立後,1918~35年外務大臣を務め,1921~22年首相を兼任した。1935年マサリクの跡を継いで大統領に就任したが,1938年ナチス・ドイツの圧力に屈してズデーテン地域を割譲(→ミュンヘン会談)した責任をとり辞職,アメリカ合衆国に亡命した。第2次世界大戦中はフランスとイギリスでナチスに対する抵抗運動を組織。1940年臨時政府の大統領に就任。ソビエト連邦との関係を重視し,1943年モスクワで同盟条約を締結。1945年3月,ソ連軍のスロバキア進駐に伴って帰国。引き続き大統領の職にあったが,1948年クレメント・ゴットワルトを首班とする親ソ連政権の新憲法承認を拒否,大統領職を辞した。(→チェコスロバキア史)
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デジタル大辞泉
ベネシュ(Edvard Beneš)
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世界大百科事典 第2版
ベネシュ【Edvard Beneš】
チェコスロバキアの政治家。ボヘミアの農村の生れ。ヨーロッパ各地で学び,法律学と哲学を修め,1909年にプラハの商科大学教授となった。第1次世界大戦が始まると,マサリクらの独立運動に身を投じ,15年には西欧に亡命し,連合国との交渉にあたった。18年のチェコスロバキア独立とともに外相に就任した。国際連盟の場で,小国の利益を代弁し,連盟の強化を唱えると同時に,パリ平和条約で生み出されたいわゆるベルサイユ体制の維持を目的として,ユーゴスラビア,ルーマニアとの間に小協商と呼ばれる同盟をも結び,さらに列強の中ではフランスとの関係を重視した。
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日本大百科全書(ニッポニカ)
ベネシュ
べねしゅ
Edvard Benesš
(1884―1948)
旧チェコスロバキアの政治家。ボヘミアの農民の出。プラハとパリで学び、1909年からプラハの経済アカデミーで教鞭(きょうべん)をとる。第一次世界大戦中はマサリクらとともに国外での独立運動の指導者となった。独立後、外相(1918~35)、首相(1921~22)となり、35年から大統領。この間、一貫して当時のチェコスロバキア外交を指導した。西欧列強、とくにフランスとの関係を重視し、東欧ではユーゴスラビア王国、ルーマニアとの間に小協商を結成し、さらにソ連との関係改善にも努力した。また国際連盟でも小国の利益の代弁者として活躍。38年のミュンヘン会議のあと、ロンドンに亡命。45年の解放と同時に帰国し、ふたたび大統領となったが、48年2月の共産党による革命ののちに辞任。同年9月、失意のうちに世を去った。
[林 忠行]
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精選版 日本国語大辞典
ベネシュ
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旺文社世界史事典 三訂版
ベネシュ
Eduard Benes
チェコスロヴァキアの政治家
第一次世界大戦中,マサリクらと独立運動で活躍。独立後外相・首相となり,1935年より大統領。ヴェルサイユ体制維持の外交を展開し,小協商を形成。ミュンヘン会談後イギリスに亡命。1946年に再び大統領になったが,人民民主主義勢力と対立し,48年辞職。
出典:旺文社世界史事典 三訂版
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