●ペスト
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
ペスト
La Peste
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ペスト
pest; plague; pestilence
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デジタル大辞泉
ペスト【〈フランス〉La Peste】[書名]
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監修:松村明
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ペスト(〈ドイツ〉Pest)
[補説]地名・書名別項。→ペスト(地名) →ペスト(書名)
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ペスト【Pest】[地名]
出典:小学館
監修:松村明
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栄養・生化学辞典
ペスト
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世界大百科事典 第2版
ペスト【plague】
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精選版 日本国語大辞典
ペスト
出典:精選版 日本国語大辞典
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内科学 第10版
ペスト(Gram 陰性悍菌感染症)
定義・概念
ペストはペスト菌(Yersinia pestis)の感染によって起こる疾患である.ペスト菌は腸内細菌科のエルシニア属に分類されるGram陰性桿菌である.本菌は主にマウス,ラットなどの齧歯類が保菌し,ノミを介してヒトに感染する.ノミの刺し口よりペスト菌が感染するとリンパ節に移行し腺ペストを発症し,飛沫感染を起こすと肺ペストを発症する.ペストは感染症法で一類感染症に指定されている.
分類
ヒトペストは,腺ペスト,敗血症ペスト,肺ペストの3つの病型に大別される.この中で腺ペストを起こす頻度が圧倒的に多い.
原因・病因
ヒトはノミに咬まれてペスト菌に感染するが,ときに肺ペスト患者の痰中の菌が感染源となる.本菌は以前,生物兵器として使用された歴史があり,米国CDCはバイオテロに使用される可能性が高いカテゴリーAに分類している.
疫学・発生率・統計的事項
歴史上,ペストは何度も流行を繰り返し大量の死者が発生して黒死病として恐れられていた.1926年以降,国内においてペスト患者の発生はみられていない.世界全体で毎年2000例以上の感染症例が発症しているが,その多くはアフリカなど一部の地域に集中している.
病態生理
腺ペストの場合,侵入部位から局所リンパ節にペスト菌が移行すると,リンパ節は膿瘍化し腫大する.さらにリンパ行性や血行性に菌が脾臓,肝臓,骨髄など他臓器に移行し,重症化すると全身に伝播して敗血症を起こす.
臨床症状
1)腺ペスト(bubonic plague):
2~6日の潜伏期の後,急激な発熱(38℃以上)が出現し,頭痛,悪寒,筋肉痛,関節痛,倦怠感が現れる.下肢が特にノミに咬まれやすく,鼠径リンパ節の腫脹を伴いやすい.ノミに咬まれた部位は丘疹や膿疱,あるいは潰瘍を認める.リンパ節は腫脹が増強し,自発痛や圧痛が強くなる.適切な治療が施されなければ,その後敗血症に至り,重篤化しやすい.なおペスト菌に汚染された肉などを食べることで,咽頭部が初感染巣となり高度の扁桃炎と頸部リンパ節腫脹を伴うことがある.
2)敗血症ペスト(septicemic plague,plague sepsis):
リンパ節腫脹などの局所症状を示さないまま急激にショック状態に陥り,意識レベルの低下,四肢末端部の壊死,紫斑などが現れ,DIC(disseminated intravascular coagulation,播種性血管内凝固症)やショックを伴い数日以内に死亡する.
3)肺ペスト(pneumonic plague):
自然感染の場合,腺ペストの末期や敗血症ペストの経過中に肺炎を発症する場合が多い.バイオテロではペスト菌をエアロゾルとして吸入することで肺炎を発症しやすい.頭痛,嘔吐,高熱を訴えて発症し,呼吸困難,血痰を伴って急激に重篤な状態に至る.
検査成績
末梢血白血球数は著明に増加し,好中球優位で核の左方移動を伴う.ときに白血球数が10万/μLをこえるような類白血病反応(leukemoid reaction)を認める.
診断
リンパ節吸引液,血液,痰などを検体として,塗抹標本の染色および培養を行う.本菌はGram陰性桿菌で両極に特徴ある明瞭な極小体が観察される.細菌培養以外の診断法として,ペスト菌の抗原の検出,PCRなどの遺伝子学的検査,および抗体価測定による血清診断も可能である.
鑑別診断
腺ペストは化膿性リンパ節炎や猫ひっかき病など急性のリンパ節腫脹を伴う疾患,肺ペストは肺炎球菌やレジオネラなどによる激症型の肺炎との鑑別を要する.
合併症
まれに髄膜炎を伴うことがある.
経過・予後
腺ペストは無治療の場合は予後不良であるが,早期から治療を行えば治癒も可能である.ただし肺ペストの場合は病気の進行がきわめて速いので,発症後すぐに適切な抗菌薬が開始されないと死に至る場合が多い.
治療・予防・リハビリテーション
ペスト菌の薬剤感受性は良好であり,おもにアミノグリコシド系,キノロン系,およびテトラサイクリン系の抗菌薬が用いられる.第一選択薬としてゲンタマイシンあるいはストレプトマイシンが推奨されている.肺ペストでは病初期からの適切な抗菌薬の投与が必須である.予防にはホルマリン不活化全菌体ワクチンが使用可能であるが,肺ペストにはほとんど効果が認められない.[松本哲哉]
■文献
Longo DL, et al ed: Harrison’s Principles of Internal Medicine, 18th ed, McGraw-Hill, 2011.
Mandell GL, Bennett JE, et al: Mandell, Douglas and Bennett’s Principle and Practice of Infectious Diseases, 7th ed, Elsevier Churchill Livingstone, 2009.
出典:内科学 第10版
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六訂版 家庭医学大全科
ペスト
Plague
(感染症)
どんな感染症か
ペスト菌による全身性の急性感染症で、中世には
症状の現れ方
ペスト菌を保菌しているノミに刺されたあと、2~6日の潜伏期間ののち、リンパ節のはれ、皮膚の小出血斑や高熱を起こします。菌が全身に回ると
検査と診断
血液、リンパ節液からペスト菌を分離・培養して、診断します。
治療の方法
ストレプトマイシン、テトラサイクリン、ニューキノロン系薬剤などの抗菌薬により治療を行います。一般的には抗菌薬がよく効き、回復します。肺ペストのように重い症状の場合も、発病後8~24時間以内に治療を開始すれば予後は良好です。手遅れにならないように病気の早期に治療を開始することが重要です。
病気に気づいたらどうする
海外に渡航し、死んでいるネズミなどに触れたり、ノミに刺されたあとに、リンパ節のはれや高熱が出た場合には、ペストを疑い、医師の診察を受け適切な治療をしてもらう必要があります。
渡邉 治雄
出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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旺文社世界史事典 三訂版
ペスト
出典:旺文社世界史事典 三訂版
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