●ボイオティア
デジタル大辞泉
ボイオティア(Voiotia)
出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
世界大百科事典 第2版
ボイオティア【Voiotía】
出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.
日本大百科全書(ニッポニカ)
ボイオティア
ぼいおてぃあ
Voiotia
ギリシア中部の一地方。英語ではBoeotia(発音はビオーシア)と綴(つづ)る。現在は一県をなし、古代ギリシアにおいて重要な役割を果たした地域と現在の県域はほぼ一致する。県は面積2952平方キロメートル、人口13万3100(2003推計)。県都レバディアLevádhia。南はコリント湾、北東はエウボイア湾に面し、南東はアッティカ、北西はフォティオティス、西はフォキスの各地方と接する。ヘリコン山系(最高峰1748メートル)によって二つの平野に分かれる。穀物、綿糸、高品質の家畜の産地。
[真下とも子]
歴史
旧石器時代からの住居跡が確認されている。ミケーネ時代にはテーベとオルコメノスに王宮があった。ホメロスの叙事詩には独立した29の都市があげられている。紀元前6世紀にできた都市同盟は、テーベ主導のもとにペルシア戦争後拡大再編された。ペロポネソス戦争中はスパルタ側にくみし、コリント戦争時には敵対した。「アンタルキダスの条約」(前386)時に解体されたのち、前370年代に再建されたボイオティア同盟は、最高官職ボイオタルコスBoeotarchos7名のうち4名を占めたテーベの主導権をいっそう強めた。カイロネイアの戦いでの敗戦とアレクサンドロス大王のテーベ破壊(前335)後、ボイオティアは急速に衰退し、ローマ時代には都市といえるものはタナグラとテスピアイだけといわれた。
[古川堅治]
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
「ボイオティア」の用語解説はコトバンクが提供しています。
●ボイオティアの関連情報