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ポスター

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ポスター
poster
伝達すべき内容を一定の紙面や布地にひと目でわかるように効果的に表現する宣伝広告媒体。名称はを意味するポストに由来し,最初,柱にはって表示したことに始まる。15世紀中葉の印刷技術の普及とともに一般化したが,特に多色刷りが可能となった 19世紀末から急速に発達した。1867年にフランスのジュール・シェレが石版技術を応用してサラ・ベルナールの芝居のポスターを制作,次いでアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックがポスター画家として名を上げ,イギリスのオーブリー・V.ビアズリーが優雅な描線で世紀末を表現した。日本でヨーロッパと同様のポスターが確立したのは 1920年代以降である。1930年代からはオフセット印刷の改良により,写真を使用したものが多く用いられ,旅行業者や宣伝広告業の発展と相まって,ポスター全盛時代にいたった。また,アートディレクターをはじめとする多くの人たちが 1枚のポスター制作に関与するシステムが一般化するほど重要視され,洗練されてきた。さらに,1950~60年のポップ・アートが広告を環境の一部として作品に取り入れたことなどから,広告ポスターが時代感覚を表す絵画として,一種の美術的価値をもつようになった。(→広告

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

ポスター(poster)
広告・宣伝のための、図案・写真・文章などからなるはり紙。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

ポスター【poster】
人々の目につきやすい場所に掲示される大型の紙片をいう。屋外広告の一種。フランス語でアフィーシュaffiche,ドイツ語でプラカートPlakat。ポストpost(柱)にはられるためポスターと呼ばれたが,現在では駅構内,電車・バスの車内,,壁などにも掲示される。使用目的によって,商業ポスター,公共ポスター,政治ポスター,プロパガンダのためのポスター,観光ポスターなどに分類される。印刷版式としてはオフセット印刷がもっとも多く,他にグラビア印刷原色版リトグラフ(石版印刷),シルクスクリーン印刷が用いられる。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ポスター【poster】
広報や宣伝のために掲示する貼り紙。絵・写真・文字などで構成された、比較的大形のものをいう。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

ポスター
ぽすたー
poster英語
afficheフランス語
Plakatドイツ語
広報および広告を目的として掲出される紙片で、所期の目的を達するため、絵や写真や文字などによってデザインし、多くの公衆の視知覚に訴えるもの。日本においては、宣伝用のビラを張り出すことが、すでに江戸時代から行われていた。今日ポスターといえば、公衆の目につきやすい場所に掲示される比較的大形の印刷物をさし、これはグラフィック・デザインの重要な分野となっている。
 紙片を柱や壁に張り出すこと(post)がポスターの名称の始まりであるが、現代ではポスター掲出の様態は、きわめて多岐にわたっている。日本では街頭のポスター掲示板はほとんどみられないが、ヨーロッパにおいてはポスター掲示板やポスター貼付(ちょうふ)用広告塔が設定されているし、工事現場の仮塀が公許のもとに掲出スペースとして利用されてもいる。自動車交通の発達しているアメリカなどでは、「24シート・ポスター」のような、複数の大形印刷物を掲示板に張り合わせて巨大な1個のポスターをつくることも行われている。日本では、駅張りポスター、車内吊(づ)り(中(なか)吊り)ポスター、額面ポスターなどの交通広告の場が、ポスターのおもな活用の場となっている。
 ポスターの寸法はさまざまであり、B全判(B列1番、728×1030ミリメートル)、B列2番(515×728ミリメートル)、B列3番(364×515ミリメートル)、A全判(A列1番、594×841ミリメートル)などがある。駅張りポスターはB全判が多用され、車内吊りポスターはB列3番の横位置使用を基本とする。近年ではB倍判(B全判の2倍)のものもみられる。また日本においても、紙片を張り合わせた大きなポスターが多く見受けられるようになってきた。[武井邦彦]

ポスターの歴史

ビラのたぐいの手書きのものまで含めれば、歴史的には古代国家の民衆に対する告示にまでさかのぼることができるが、大量印刷を前提としたポスター発展の引き金となったのは、ゼーネフェルダーによる石版印刷術の発明(1798)である。石版印刷は、その後種々の改良を経て、色彩を駆使した多様な表現、印刷時間の短縮、多数枚葉の印刷、印刷費の低廉化などを成し遂げ、ポスター・デザインに対して肥沃(ひよく)な土壌を提供することとなった。
 明確なデザイン意識を伴ったポスターが開花するのは1870年ころのフランスにおいてで、「ポスターの父」とよばれるシェレが登場し、石版多色刷りによる大衆絵画ともいうべきポスターを制作、躍動する色彩がパリの街頭を飾った。そして1890年代には、スタンラン、ミュシャ、ロートレック、ボナールらが、それぞれ独自の表現技術を華麗に展開。とくにロートレックは、大胆な構図と卓抜な描線とによって優れた作品を多数残している。同時代のイギリスではダドリー・ハーディ、ベガスタッフ兄弟、ビアズリーらが活躍した。しかし、これらフランス、イギリスのポスター作家の表現傾向は、絵画性あるいは装飾性をまだ多分に含むものであった。
 20世紀に入ると、工業活動の成熟とそれに伴う商業活動の発展により、ポスターは宣伝広告のための媒体として新鮮な威力を発揮し始める。ポスターは絵画であることをやめ、近代のデザインとしての合理性を目ざすことになった。写真術の展開と、その成果を印刷物に援用するための写真製版(網点製版)技術の発展とが、ポスター・デザインの領域に新しい表現力を提供することになった。
 1920年代のフランスでは、コラン、カルリュ、カッサンドルらが活躍するが、なかんずくカッサンドルは、力動感に満ち明快な印象を与える作風により、とくに名高い。彼の作品が日本のグラフィック・デザイナーに与えた影響は少なからぬものがある。さらに、アメリカ人であるがロンドン地下鉄のためのポスターによって喝采(かっさい)を博したコーファー、構成主義の手法を踏まえたリシツキー、バウハウスの理念を体現したモホリ・ナギやハーバート・バイヤー、タイポグラフィの真価を顕現したヤン・チヒョルト、先鋭な写真映像を駆使したハーバート・マターなどの俊秀が、続々と現れた。第二次世界大戦中には、イギリスのエイブラム・ゲイムズが軍の協力者として才腕を発揮している。
 戦後になると、ベン・シャーン、サビニャック、マックス・ビル、エルニ、ピントーリ、ミューラー・ブロックマン、ポール・ランド、ロイピン、ルバリン、ソウル・バス、アイヘル、ヤン・レニツァ、カール・ゲルストナーらの活躍が顕著であり、新鮮で健康な血がポスター・デザインの歴史に注ぎ込まれた。
 日本においては、1910年代の橋口五葉(ごよう)、和田三造、北野恒富(つねとみ)、杉浦非水(ひすい)、片岡敏郎(としろう)らが、ポスター・デザインの揺籃(ようらん)期を支えた。その後、大正から昭和にかけては、多田北烏(ほくう)、山名文夫(あやお)、吉田謙吉、河野鷹思(こうのたかし)、奥山儀八郎らが、それぞれ独自の表現技術を展開させている。しかし、日本において本格的なポスター・デザインが進発するのは、第二次世界大戦後の1950年代である。55年(昭和30)開催の「グラフィック'55展」はこれを象徴するイベントで、同展の出品者は伊藤憲治(けんじ)、大橋正(ただし)、亀倉雄策(かめくらゆうさく)、河野鷹思、早川良雄、原弘(ひろむ)、山城(やましろ)隆一、これにアメリカのランドが招待作家として加わった。
 近年、宣伝・広告媒体としてのポスターは、テレビや新聞雑誌広告などに比して、衰退ぎみであるとの評価もなされている。しかし、表現形式(色彩や大きさ)、掲出枚数、掲出地域、掲出期間などを任意に設定できるという自由さは、現代においても十分に魅力的である。豊麗な色彩表現と大面積の迫力は、他の広告媒体に例をみない特性であり、他媒体の広告メッセージと補完しあうことにより、さらには相乗効果を目ざすことにより、イメージを深化・拡大することが可能である。ポスターがビジュアル・デザインにおける中核としての地位を失うことは、今後ともないであろう。[武井邦彦]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ポスター
〘名〙 (poster) 一般公衆への視覚伝達を目的として柱や壁などに掲示される宣伝用の印刷物。
※駅夫日記(1907)〈白柳秀湖〉一一「女の浅猿しい心を惹く為に、呉服屋のポスターでも描くだらう」

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