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ポトラッチ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ポトラッチ
potlatch
北太平洋沿岸のアメリカインディアンの儀礼で,公的な地位を誇示するために自分の富を分配する行為をいう。チヌーク族の用語で「贈答」を味し,オレゴン州北部からアラスカ州南部にかけて,トリンギット,チムシアン,ハイダ,ベラ・クーラ,南・北クワキウトル,沿岸サリシュ,下チヌークの諸民族の間で行われる。それぞれ特徴があるが,一般に主催の地位により大小さまざまの祝宴が開かれ,近隣の人々を招き,その階級に応じて贈物をする。このとき主催者とその親族は気前のよさを最大限に発揮してその地位を誇る。後継者の披露,結婚,葬礼などから,赤ん坊の発毛といった些細な理由でも行われ,ときには不名誉な行為の挽回のために行われることもある。招待された者は,なにかの機会により盛大な祝宴を開いて答礼する。答礼が十分でない場合には,相手の奴隷身分に落されることもある。南クワキウトル族のポトラッチは 1840~1925年頃最も盛大に行われ,何日も続く祝宴の間に何千枚もの毛布や仮面,カヌーなどに加えて,ヨーロッパから輸入したモーターボートやミシン,ほうろう引きの器,衣類,コムギ,砂糖などが配られた。しかしその後主として経済的理由によりほとんど行われなくなった。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

ポトラッチ(potlatch)
《元来は消費・贈与の意》北アメリカ太平洋岸のインディアン社会に広くみられる、威信と名誉をかけた贈答慣行。主催者は盛大な宴会を開き、客に蓄積してきた財物を惜しみなくふるまって自らの地位と財力を誇示し、客もその名誉にかけて他の機会にそれ以上のもてなしをする。

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

ポトラッチ【potlatch】
北アメリカ北西海岸部に住むアメリカ・インディアンのトリンギット族ハイダ族,クワキウトル族,チィムシャン族,ヌートカ族などの間で行われた覇的な贈与交換を伴う饗宴。ポトラッチという名称は,ヌートカ語の〈物を与える〉という意味の〈パツシャトル〉という単語が,チヌーク・ジャーゴンと呼ばれる通商言語を経て,英語に入ったものである。 北西海岸インディアンの人々は夏季の間,山地で分散した生活を送るが,冬季になると〈町〉と呼ばれる場所に集合し,その期間中,誕生,婚姻,葬礼,成年式,家屋トーテム・ポールの新築など,さまざまな儀礼的機会を利用して,大規模な饗宴を開いた。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ポトラッチ【potlatch】
チヌーク語で贈与の意
北太平洋沿岸の北米先住民にみられる贈答の儀式。地位や財力を誇示するために、ある者が気前のよさを最大限に発揮して高価な贈り物をすると、贈られた者はさらにそれを上回る贈り物で返礼し互いに応酬を繰り返す。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

ポトラッチ
ぽとらっち
potlatch
クワキウトル、ハイダ、トリンギトなどのアメリカ大陸北西部インディアン諸族の間にみられる贈答慣行をさす。ポトラッチということばは、食物を供給するとか共食の場所とか贈与を意味する、同じ北西部インディアンのチヌークの言語であるチヌーク語に由来する。ポトラッチは、誕生、婚姻、葬式、位階の相続といった儀礼的機会に催され、主催者は盛大な祭宴の席で招待客に大量の財貨、毛布や銅板などの贈答物をばらまく。招待客は招待や贈答物の受け取りを拒むことができず、また後日、招待されたもの以上の規模の祭宴を催さねばならない。これに失敗すると彼の名誉は損なわれ、地位は下降する。このように、ポトラッチを行う動機は、自らの富を誇示し、それを惜しげなく与えることによって競争者を打ち負かし、自らの威信を高めることにある。ポトラッチの競覇的性格は、しばしば、競争相手の面前で大量の毛布やカヌーを燃やしたり、銅板を打ち砕いたりといった財の破壊行為すら導く。インディアン自身のことばにあるように、人々は敵と「財産によって戦っている」のである。[濱本 満]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ポトラッチ
〘名〙 (potlatch 消費するの意) 北アメリカ太平洋岸のハイダ、クワキウトゥルなどのアメリカインディアンの社会にみられる儀礼的な贈答競争。客を招き宴会を開いて財物を消費し、招かれた相手も名誉にかけて別の機会にそれ以上の消費をし、過度の消費によって名誉ある地位を得ようとする。
※日本カネ意識(1984)〈野田正彰〉一「都市はたえず、ぜいたく品をむだに消費してこわすという、ポトラッチ的な側面を持っているが」

出典:精選版 日本国語大辞典
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