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ポリグラフ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ポリグラフ
polygraph
多用途 (または多現象) 測定 (監視) 記録装置のこと。多種類の生体現象を同時に安定して観測,記録するためには,それぞれ専用の装置を並べて用いるよりも,共通部分はまとめて,また,測定項目によって異なる前置増幅器などは目的に応じて交換できるプラグインユニットにして,全体を一つの装置にしたほうが便利である。この装置によって,心電図,筋電図,脳波血圧,血流,脈波体温心拍数呼吸曲線,陣痛,血中酸素飽和度,精神電流現象など,多くの生体現象を測定,監視,記録することができる。手術,麻酔,分娩監視,ICU,臨床検査,スポーツ医学,人間工学,うそ発見,心理実験,生理実験などに広く利用されている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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朝日新聞掲載「キーワード」

ポリグラフ
poly(多数の)graph(記録するもの)で、複数の生体反応を同時に記録するものという意味。科捜研では、被検者の体調が悪くないか、室温は20〜25度に保たれているか、騒音がないかなどの前提条件をそろえたうえで検査する。国内では犯人しか知らない犯罪事実を尋ねる「有罪知識質問没が主に使われる。アメリカなどでは「あなたは金庫からお金を取りましたか」といった直接的な質問をする「対照質問没を使うという。
(2006-12-08 朝日新聞 朝刊 鳥取全県 1地方)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

ポリグラフ(polygraph)
血圧・脈拍・呼吸・心電図などいくつもの生体現象を同時に測定・記録し、その変動を観察するのに用いる装置。多用途監視装置。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

ポリグラフ【polygraph】
精神的動揺に伴う血圧,脈拍,呼吸,皮膚電気反応などの生理的変化を測定して同時に記録する器械。質問に対し,うそを答えたときの生理的変化と真実を答えたときのそれとに差異があり,それを検査者が読み取ることにより供述真偽を判定できるという仮定のもとに,犯罪捜査において心理鑑識の道具として用いられており,〈うそ発見器〉と呼ばれることもある。
[法律からみたポリグラフ]
 ポリグラフ検査の方法には,総合的判定,すなわち犯行全体に関する供述の真偽を判定する目的で行う対照質問法と,被疑事件に関する具体的諸事実の認識を否定する供述の真偽を判定する目的で行う緊張最高点質問法とがある。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

ポリグラフ【polygraph】
脳波・脈拍・呼吸・皮膚電気反射など、多種の生体現象を同時に測定・記録する装置。うそ発見器はこの一種。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

ポリグラフ
ぽりぐらふ
polygraph
多数の生体情報を同時に監視記録する装置。多用途監視装置ともいう。いろいろなセンサーを使うことによって、呼吸、心電図、心拍数、血圧、脳波、筋電図、体動、眼球運動、血液酸素飽和度などを、同時に長時間連続して記録することができる。よく用いられるのは睡眠ポリグラフ検査で、睡眠障害や睡眠時無呼吸症候群などの診断のため、通常は2晩続けて終夜にわたって検査を行う。そのほか、手術中や重症患者の監視、労働医学、スポーツ医学、人間工学などにも用いられる。また、精神活動が心拍数、血圧、脳波、皮膚電気反射などに反映されることから、精神医学、心理学などにも用いられ、いわゆるうそ発見器として用いられることもある。[戸川達男]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ポリグラフ
〘名〙 (polygraph) 脳波・呼吸・脈などを同時に記録することのできる装置。うそ発見器などもその一つ。心の動揺を身体的現象から測定し診断に役立たせるもの。〔鑑識捜査(1958)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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最新 心理学事典

ポリグラフ
ポリグラフ
polygraph
複数の生理学的な指標を同時に記録する装置。ポリグラフ検査のためにポリグラフを使用する場合,これをうそ発見器という。心理学分野でポリグラフという場合には,この装置自体について指す場合もあるが,犯罪心理学分野ではポリグラフ検査のことを指すことが多い。これは,ポリグラフを用いて,犯罪の被疑者等を対象にして,生理指標を測定しながら一連の質問を行ない,その供述に虚偽がないかを検査・鑑定することであり,日本では,警察で捜査の一環として行なわれている。

【ポリグラフ検査の原理】 ポリグラフ検査において用いられる生理的な指標は,主に脈波,呼吸波,皮膚電気活動electrodermal activity(EDA)などの末梢系の指標である。そのほか,事象関連電位などの中枢系指標を用いる研究が行なわれているが,実務においては現在のところ使用されていない。ポリグラフ検査ではこれらの指標から,被検査者の虚偽供述を見破っていくことを目標とするのであるが,人がうそをついたときに特異的に発生する生理学的なパターンは現在まで発見されていない。そのため,ポリグラフ検査でうそを直接に検出することはできない。つまり,「あなたがAさんを殺しましたか」などの直接的な質問を行ない,その質問に対する反応から被検査者がうそをついているかどうかを判定することはできない。そこで,質問方法に工夫を凝らしてうそを検出するための技術が開発された。

 この方法としては,コントロール質問法control question test(CQT),隠匿情報検査concealed information test(CIT),探索質問法probing peak of tension test(PR-POT)がある。

 CQTは,おもにアメリカの犯罪捜査実務で使用されている方法である。被検査者にその年齢や住所などに関する質問を行なっていくがその中に「あなたは今勤めている会社の金庫から100万円を盗みましたか」等の直接的な質問(関係質問)と「以前勤めていた会社であなたは会社の金を盗んだことがありますか」(対照質問)を何問かずつ入れておく。この場合の対照質問は,関係質問と同じ程度の重さの犯罪である。もし,犯人であれば,関係質問に対する反応が対照質問に対する反応より大きいであろうが,犯人でなければ対照質問に対する反応の方が大きくなるだろうという基準で反応の大きさを比較して検査を行なっていく。

 CITは,日本の犯罪捜査実務で使われている方法で,有罪知識質問法guilty knowledge test(GKT)あるいは裁決質問法known solution peak of tension test(KS-POT)などともよばれている。この方法では,検査をする前に事件の状況を調査し,あらかじめ,犯人ならば知っているはずだが,犯人でなければ知らない犯行に関する項目を探し出し,被検査者が,その項目を他の項目の中から識別できるかどうかを生理学的指標を手がかりに探っていく方法である。たとえば,犯人が被害者の遺体をベッドの下に隠したとする。この情報がマスコミなどによって報道されていないとすると,容疑者の生理反応を測定しながら,以下のような質問を実施していく。①「犯人は遺体をクローゼットの中に隠しましたか」,②「犯人は遺体をバスタブの中に隠しましたか」,③「犯人は遺体をベッドの下に隠しましたか」,④「犯人は遺体を押入れの中に隠しましたか」,⑤「犯人は遺体をトイレの中に隠しましたか」。ここでは事実と合致する③の質問を裁決質問,それ以外の質問を非裁決質問という。それぞれの質問については「わかりません」などの返答を要求することが多いが,うそをついていることを検出するのでなく,質問に対する生理反応を検出するのがこの検査の目的なので,返答は必ずしも必要ではない。もし,被検査者が犯人でなければ①~⑤のすべての質問に対して,被検査者は同様な生理的な反応を示すと思われるが,犯人であれば裁決質問に対する反応と非裁決質問に対する反応は異なることになる。実際には,検査を行なう対象の事件についてこの種の質問を5~10組程度作成し,それぞれについて3~4回程度質問を繰り返して検査を実施する。もし,いずれの裁決質問にも非裁決質問と異なる反応が見られれば,一貫して非裁決質問と異なった反応が偶然的に生じる可能性は少ないので,その被検査者が事件について「知らない」と言っていても,実際には認識があるだろうと解釈するのである。

 CITが,検査する側があらかじめ事件の状況について調査し,その内容に基づいて質問を構成するのに対して,検査する側があらかじめ知らない状況について質問を行ない,被検査者の認識を調査する方法としてPR-POTがある。この方法は,たとえば,まだ発見されていない遺体について,「犯人は遺体を山に捨てましたか」,「犯人は遺体を海に捨てましたか」,「犯人は遺体を家のどこかに隠していますか」,「犯人は遺体をどこかに埋めましたか」などと質問していき,最も反応が大きかった質問に認識があると推定する。

【犯罪捜査実務におけるポリグラフ検査】 ポリグラフ検査は日本の犯罪捜査実務においては全国で毎年約5000件程度実施されている。実施は警視庁および道府県警の科学捜査研究所の研究職員によって行なわれる。ポリグラフ検査結果回答書,鑑定書は裁判において証拠として採用される場合がある。ポリグラフ検査の実施は,捜査上,本人の承諾のもとに任意捜査として行なわれる場合がほとんどであるが,裁判所によって発行される令状(鑑定処分許可状)によって行なわれる場合もある。しかし,この検査は,最終的には本人の積極的な協力がないと実施困難であるので,任意で検査を行なうのが原則である。

【ポリグラフ検査の正確性】 ポリグラフ検査の結果の正確性に関しては,実験的な研究と実務検査における結果の分析が行なわれている。日本における実務検査の正確性について調査を行なった研究として,奈良県で行なわれた1889件のポリグラフ検査を分析した1971年の疋田圭男のものがある。この結果では陽性(つまり被検査者がうそをついており,事件に関与しているという鑑定結果)判定のうち,99.6%が,陰性判定のうち,91.9%が正しかったことが確認されている。ただし,これらの検査には,判定が困難であったケースが4%程度含まれていることに留意しなければならない。CITはその検査の性質上,フォールスポジティブ,つまり犯人でないのに陽性結果を出してしまうことが少ない方法論であり,これが日本の犯罪捜査実務で用いられている大きな理由である。なお,アメリカで行なわれているCQTの正確性はCITの正確性に比べればかなり低い。

【ポリグラフ検査の問題点】 ポリグラフ検査の正確さは装置の種類やその整備状態,被検査者の心理状態などに左右される。しかし最も重要なのは,実施されるCITの質問が適切に構成できているかということである。たとえば,裁決質問が被検査者に容易に推測できるものであったり,すでに報道されている事柄であったり,ポリグラフ検査に先立つ取り調べにおいて被検査者に知らされているものであったり,非裁決質問のなかに情動的な反応を惹起する質問があったりすれば,正確に判断することは困難になる。したがって,ポリグラフ鑑定の適切性をチェックする場合には質問の適切性をまず検討すべきである。また,その実施における法手続き的な問題点もある。ポリグラフ検査は任意検査であるが,実際にはそれを受けることを拒否すれば捜査官に疑われることになってしまうため,事実上強制的に行なわれてしまう可能性もある。また,ポリグラフ検査の結果,容疑性がない(陰性)あるいは判定不能だという結果が出たにもかかわらず,容疑性がある(陽性)という反応が得られたとして取り調べを行なうことは偽計を用いた取り調べになる。 →供述 →虚偽自白
〔越智 啓太〕

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